作成日
:2020.08.07
2021.08.31 15:32
ビジネスインテリジェンス(Business Intelligence)を開発するMicroStrategy(本社:1850 Towers Crescent Plaza Tysons Corner, VA 22182 USA
)は、米ドルのインフレヘッジのために、今後12か月間でビットコイン(Bitcoin)および金、その他の代替資産に対して2億5,000万ドルの投資を行うことを発表した。先月28日の決算発表によると、MicroStrategyのCEOであるMichael Saylor氏は米ドルのインフレが進行することを懸念しており、同社が保有する現金5億ドルのリスクヘッジを行う必要があると考えているという。現在、米国政府は政策金利をほぼゼロにまで引き下げ、景気を刺激するため無制限に米ドルを発行する方針であることを示している。
これに対してSaylor氏は米ドルを保有し続けることが賢明でないとの判断を下しており、安全資産として認識されるビットコインや金、銀などに投資すべきだと主張している。また、Saylor氏はインフレ耐性を持つ資産に投資することが合理的だと言及し、2,100万通貨の発行上限が設定されているビットコインが有効である可能性を強調した。
最近、MicroStrategyは「Voice.com」のドメインを仮想通貨プロジェクトのBlock.Oneに3,000万ドルで譲渡するなど、仮想通貨市場に接近し始めている。既に仮想通貨市場には株式市場や債券市場から資金が流入し、ビットコイン先物の未決済建玉が過去最高値を記録しているが、MicroStrategyの試みはうまくいくのか、今後も同社の取り組みに注目していきたい。
release date 2020.08.07
仮想通貨市場の拡大に伴い、投資家はリスクヘッジを目的に主要な仮想通貨をポートフォリオに組み込む選択肢を持ち始めている。特に法定通貨のインフレが進行する南米諸国では、個人レベルでも仮想通貨を保有することがトレンドになっており、最近ではブラジルでステーブルコインの需要が急増しているという。その他にもオーストラリアでは金に裏付けられたステーブルコインのユニバーサルゴールドがローンチされるなど、インフレ対策として利用可能な仮想通貨が誕生し、このトレンドに拍車をかけているようだ。世界経済の基軸通貨として用いられる米ドルは、今年3月の1ドルあたり111円から既に、105円にまで水準を下げてきており、米政府による量的緩和政策の影響が表面化してきている。金や米国債などの安全資産は価格が高止まりしているだけに、今後は更に多くの資金が仮想通貨市場になだれ込んでくる可能性があると言えるだろう。
作成日
:2020.08.07
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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