Select Language

韓国FSC、空売り禁止措置を2021年5月2日まで延長

韓国FSC、空売り禁止措置を2021年5月2日まで延長

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.12.17 17:36
韓国FSC、空売り禁止措置を2021年5月2日まで延長

update 2021.12.17 17:36

同日以降も2,000銘柄以上は空売り禁止措置を継続する見通し

韓国の規制当局である金融委員会(Financial Services Commission)【以下、FSCと称す】は2月3日、現在実施している空売り禁止措置を2021年5月2日まで延長することを発表した。[1]同国の空売り禁止措置は、世界最長の期間になるという。

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受け、グローバル金融市場が不安定化する中、2020年3月、FSCは空売り禁止措置を開始した。マレーシアやタイに加え、フランスやベルギーなどのEU各国も空売り禁止措置を導入していたが、多くの国では同措置を即座に解除した。一方で韓国は2020年8月に2021年3月まで延長する決定を下していた。

FSCが一度目の空売り禁止措置を延長した後の2021年1月、Reddit【以下、レディットと称す】上で繋がる米国の個人投資家が共闘し、GameStop(ゲームストップ)などの銘柄を買い上げた。結果的にこれらの株式を空売りしていたヘッジファンドは買戻しを迫られ、更に株価が急騰する展開となっていた。

米国のレディット投資家による投機的な売買は、瞬く間に世界中の個人投資家を巻き込んだ。韓国では、株式市場で圧倒的なプレゼンスを誇る個人投資家が、空売り反対を合言葉に投機的な売買に参戦しており、約3万人の韓国人トレーダーが集まり、外国のショートセラー(空売り筋)が度々空売りの標的となるCelltrion(セルトリオン)などを買い漁っているという。また同国の政治家も、空売り禁止措置の延長を求める個人投資家と結束している模様だ。

空売り禁止措置の延長に際し、FSCの委員長を務めるEun Sung-soo氏は、5月2日以降に空売り禁止措置を一部解除するが、2,000銘柄以上は同措置を続けると言及している。また、空売り禁止措置を解除する銘柄は、時価総額が大きく、流動性も豊富なことから、市場へ与える影響は限定的なものになるという。

韓国の投資家がFSCによる空売り禁止措置の延長を歓迎する一方、世界中の市場関係者は同措置に賛同していない模様だ。例えば、国際通貨基金(International Monetary Fund, IMF)は1月27日、現在は金融市場が安定していることに鑑み、韓国に対して空売り禁止措置を解除するよう促している。また、FTSE Russelは韓国の規制当局に対し、同措置を継続する場合、株式市場分類における先進国からの除外を警告する書面を送付したという。尚、同社の株式市場分類において先進国として分類される場合、当該国の株式市場において空売りが容認されるものと見なされている。

2020年に株式市場の時価総額が世界20位に入る韓国では、FSCが依然として空売り禁止措置を継続させる中、株式市場で高いプレゼンスを誇る個人投資家が如何なる動きを見せるか、その動向に注目したい。

release date 2021.02.08

出典元:

ニュースコメント

レディット狂騒曲への対応を図る各国当局

多くのブローカーが、レディット投資家による市場の混乱への対応に苦慮している。直近では、Interactive Brokersとロビンフッドが取引制限を講じた。また、tastytradeに買収提案を行ったIG Groupは、一部銘柄の株価乱高下に伴い、技術的な問題が生じたことを受けて新規口座開設の受付を停止した。2月4日には米財務省(US Treasury Department)を始めとする関係当局が、レディット投資家による投機的な売買で一部銘柄の株価が乱高下した問題を協議し、今後分析結果を公表する方針を示している。レディット投資家による市場の混乱は、米国や韓国のみならず、英国やドイツ、マレーシアなどにも波及している模様だ。取引高の急増や新規口座開設の急増を背景に、複数のブローカーでシステム障害が発生している。今回、韓国ではFSCが空売り禁止措置の再延長を決断したが、その他のグローバル当局が市場の安定化に向けて如何なるソリューションを講じるか、その動向を見守りたい。


Date

作成日

2021.02.08

Update

最終更新

2021.12.17

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

FXGTの特徴は?仮想通貨サービスが充実の海外FX業者!

海外FX業者FXGTは、FXと仮想通貨のハイブリッド取引所として知られているブローカーです。豪華なボーナス、ハイレバレッジなど様々な特徴がありますが、特に仮想通貨関連のサービスが充実しており、FX・仮想通貨トレーダーの人気を集めています。
update2025.07.25 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

Exnessでスワップフリーが突如剥奪されるバグ発生、対象者には補償予定

海外FX業者のExnessで突如スワップフリーが剥奪されたとするXの投稿が注目を集めています。Exnessはシステムのバグが原因と説明しており、スワップが発生したユーザーに対して補償する方針を示しています。
update2025.07.18 19:00

ビットコインのピークはまだ先か?12万ドルが通過点と考えられる理由

2025年7月14日、ビットコインは一時12万3,000ドルを記録し、史上最高値を更新しました。利益確定の動きも見られるものの、多くのアナリストは今回の高値を「通過点」と見ています。ETFからの安定した資金流入や機関投資家の参入といった構造的な変化により、今後ビットコイン価格がさらに上昇する可能性も示唆されています。
update2025.07.22 19:00

【本音で比較】海外FXのドル円スプレッドを3ヶ月徹底調査|数千円も業者によってお得に

Myforex編集部では、2024年11月20日〜2025年2月20日の3ヶ月間にわたり、海外FXのドル円スプレッドを1分ごとに独自調査。その結果、業者によって数千円以上のコスト差があることが分かりました。
update2025.08.01 19:00

【当サイト限定】FXONの口座開設でボーナス15,000円をプレゼント!既存ユーザーも対象

2025年8月1日より、FXONでの口座開設で15,000円のボーナスを獲得できる、当サイトMyforex限定のキャンペーンがスタートしました。この記事では、ボーナスの受け取り方法や注意点などを説明します。
update2025.08.01 19:30

Exnessの出金方法から銀行振込が一時削除!?現在は復旧も今後は代替手段の検討が必要か

2025年8月、Exnessの出金方法から一時的に国内銀行振込が削除され、オンラインウォレットと仮想通貨のみ利用可能な状態となりました。現在は復旧していますが、今後のトラブルに備えて、代わりの決済方法の準備を検討するのが望ましい状況です。
update2025.08.06 19:00

【独自】海外FX利用で銀行口座が凍結・解約された一部始終!「自分には関係ない」は危険かも

みんなの銀行の口座を実際に凍結・解約されたトレーダーから当サイトに寄せられた情報をもとに、解約までの流れを一部始終紹介します。海外FXユーザーにとって、銀行口座凍結は決して他人事ではありません。海外FX利用時に注意すべき送金パターンも説明します。
update2025.08.12 19:00

トレードなしで参加OK!FXON「Switch2争奪キャンペーン」第2弾がスタート

海外FX業者のFXONで「Nintendo Switch2争奪キャンペーン」の第2弾が開催中です。条件をクリアすると最大3口まで抽選権利を獲得できます。期間中は3回の抽選が実施されるため、落選しても条件をクリアすれば再び抽選に参加できます。
update2025.08.19 19:00

FXONのビットコインスプレッドはどこまで有利か?使ってみて分かった実力

2025年1月から本格的にサービスを開始したFXONでは、BTCUSDが大幅ダウンしています。その数値は12.9pipsと、Exnessのようなスプレッドが優秀な業者と比べても業界最安水準です。本記事では、FXONのスプレッドが本当に狭いのかを他社と比較、どれだけお得に取引できるのか検証してみました。
update2025.08.22 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル