作成日
:2021.01.25
2022.04.18 11:08
英国・ロンドンを拠点とするFX・CFDブローカーのIG Group(本社:Cannon Bridge House 25 Dowgate Hill London EC4R 2YA UNITED KINGDOM
)は、米国・シカゴを拠点にオンラインブローキングと投資教育プラットフォームを提供するtastytrade(本社:19 N Sangamon St Chicago, IL 60607 )に対し、10億ドルの買収提案を行ったことを発表した。IG Groupは3億ドルの現金に加え、6,100万株の同社株を譲渡する形でtastytradeを買収する計画だ。現在は規制当局からの承認待ちの状態ではあるが、IG Groupは2022年5月31日までに買収手続きを完了させる見通しだという。
IG Groupはtastytradeを買収し、市場が拡大する米国リテール金融業界の開拓を進める方針である。また、IG Groupにとって、tastytradeの買収は経済的メリットのある案件だという。尚、S&Pグローバル(S&P Global)によるIHSマークイット(IHS Markit)の買収を含む、業界特化型のM&A(企業の合併・買収)アドバイザリー業務を手掛けるJefferies Market Structure & Technologyが今回の買収をサポートしている。
今回の買収提案に際し、IG GroupのCEOを務めるJune Felix氏とtastytradeの共同創業者であるTom Sosnoff氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。
tastytradeが我がグループに加わることを歓迎いたします。今回の買収を通じて、我々は市場が大きく拡大している米国の個人投資家向け先物・オプションサービスを拡充し、米国事業の拡大を図ることができます。同国市場には150万人以上の個人投資家がおり、世界最大のデリバティブ市場を形成しております。tastytradeの成長は目覚ましく、革新的なサービスを提供する市場のディスラプター(デジタル技術を活用して、既存のビジネスモデルを破壊する可能性のある企業)と言えるでしょう。
June Felix, CEO of IG Group - LeapRateより引用
早くから、我が社はユニークな特性を有していると見ておりました。我々は常に長期目標であるグローバル化を目指してきましたが、最適なパートナーを見つけるのに約10年を費やしました。我が社はIG Groupと協働して、自らの意思で取引を行う投資家向けのサービスを拡充すると共に、金融市場に対する認識を変革するサポートに注力していく方針であります。
Tom Sosnoff, Co-founder of tastytrade - LeapRateより引用
tastytradeは10万5,000人を超えるアクティブトレーダーと、約90万のユニークユーザーを抱えている。同社は2009年にTD Ameritradeへ売却したThinkorswinと呼ばれるオンライン先物取引プラットフォームを開発しており、先物取引分野において高い専門性を有している。近年、tastytradeは個人投資家による取引拡大を背景に、急速に業績が拡大しているという。
IG Groupは成長著しいtastytradeを買収し、同社が強みとする先物取引などにおいてサービス拡充を図ることで、更なる顧客基盤の拡大が期待できそうだ。
release date 2021.01.25
米国リテール金融市場は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大をきっかけに、個人投資家による売買が拡大傾向にある。2020年12月末には、株式市場の日次売買高に占める個人投資家の割合が、過去平均の2倍に達したという。2019年2月、IG Groupは米国法人を設立し、約8年ぶりに米国市場への再参入を果たしていた。また、同月にイントロデューシング・ブローカー(IB)であるForex Park FXと提携しており、今回tastytradeを買収することで、IG Groupは米国市場の開拓を加速させる狙いがあると推察される。他方で、同社が注力する方針を示している先物・オプションなどの米国デリバティブ市場は、複数の金融サービスプロバイダーが新たなソリューションを提供しており、更なる市場の活性化が見込まれている。例えば、CMEがFX分析ツール(Market Profile)をリリースした他、ICEフューチャーズ・アブダビがCTFCよりFBOT承認を取得し、米国を拠点とする投資家向けにマーバン原油(Murban Crude Oil)を原資産とする先物取引サービスを提供する計画である。足元のリテールブローキング業界は、取引手数料無料サービスを武器に攻勢をかけるロビンフッド(Robinhood)などの新興企業との顧客獲得競争が激化しているが、IG Groupが更なる業容拡大に向けて如何なるソリューションを講じるか今後も注目したい。
作成日
:2021.01.25
最終更新
:2022.04.18
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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