Select Language

EU各国の規制当局、一部金融商品の空売りを禁止

EU各国の規制当局、一部金融商品の空売りを禁止

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.24 16:37
EU各国の規制当局、一部金融商品の空売りを禁止

update 2022.01.24 16:37

ベルギーやオーストリア、フランスなどが規制策を導入

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴う市場ボラティリティの上昇を受け、複数のEU各国当局が一部の金融商品の空売りを禁止する緊急措置を講じた。[1]

ベルギー金融サービス市場局(Financial Services and Markets Authority)【以下、FSMAと称す】は3月17日、同国の認可取引施設を通じて取引された株式のネットショートポジションの構築及び増加に繋がる空売り注文を禁止する措置を打ち出した。同局は、金融商品の価格もしくは価値の下落により利益を得る個人または法人が行う如何なる取引も禁じるという。この措置は2020年3月18日から2020年4月17日までの1か月間実施され、取引施設もしくは店頭(OTC)の区別なく全ての取引に適用されるとのことだ。

FSMAのエグゼクティブディレクターであるHelmut Ettl氏とEduard Müller氏は、グローバル金融市場のボラティリティが急上昇している環境下において、投機的な空売りは深刻なリスクになり得るという。また、パンデミックと評される新型コロナウイルスが経済に悪影響を及ぼす状況下においては、金融市場の安定化と秩序ある市場が機能する下で投資家の不安を排除することが最優先事項であり、今回の措置は必要不可欠且つ適切であるとコメントしている。

FSMA以外にも、オーストリア金融市場庁(Financial Market Authority)【以下、FMAと称す】も3月18日、FSMAと同様の措置を1か月間にわたり適用した。[2]ただし、FMAの規制策は必要に応じて1か月よりも早期に終了する可能性があるという。また、欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】はフランス金融市場庁(Autorité des marches financiers)【以下、AMFと称す】が3月18日より講じる空売り規制策に同意する意見書を公表した。[3]尚、AMFの場合、1か月間にわたりフランスの認可取引施設を通じて取引された株式のネットショートポジションの構築、又は増加に繋がる全ての空売り注文を禁じる模様である。

新型コロナウイルスを巡り、市場のボラティリティが高まるなか、今後もESMAと欧州各国当局が一体となって安定した金融市場の構築に向けた規制策を講じると予想される。

release date 2020.03.23

出典元:

ニュースコメント

コロナショックに対応すべく緊急措置の策定に奔走する各国当局

新型コロナウイルスの感染拡大により、欧州株式市場の時価総額は2020年2月20日時点から30%超失われたという。また、NYSEがトレーディングフロアを一時閉鎖するほか、サクソバンク証券やゲインキャピタル・ジャパンなど複数の海外FXブローカーが証拠金率を引き上げるなど、新型コロナウイルスのパンデミックは金融市場に甚大な影響を及ぼしている状況だ。この深刻な状況を受け、ESMAがネットショートポジションの報告を要請したほか、日米欧の金融当局が揃って追加金融緩和策を講じるなど、グローバル当局が金融市場の安定化と投資家保護を図るべく緊急措置を一斉に講じている。他方で、FXCM ProがMaxxTraderを活用したオンボーディングを開始した。コロナショックによりグローバル金融市場が混乱の渦に巻き込まれるなかにおいても、海外FXブローカー各社が顧客ニーズにマッチした画期的なソリューションを打ち出すことを期待したい。


Date

作成日

2020.03.23

Update

最終更新

2022.01.24

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

海外FXがオンラインカジノ規制の影響を受ける理由とは?出金できなくなるリスクも

2025年以降、オンラインカジノ規制の影響と見られる海外FX業者の国内送金の遅延が度々問題になっており、決済代行会社に関連したトラブルと言われています。なぜオンラインカジノ規制が海外FXに波及したのか説明するほか、今後考えられる影響も解説します。
update2025.05.28 19:00

Vantage Tradingで出金拒否やトラブルが多発中?SNSで報告相次ぐ原因とは

Vantageで原因不明の出金拒否が、多数発生している声を取り上げていきます。Vantageで出金拒否が発生する理由や実際にVantageへ問い合わせた際の回答などもあわせて紹介していきます。
update2025.05.16 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル