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FCA、新型コロナ禍の財務強靭性に関する調査結果を公表

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update 2021.08.31 15:31
FCA、新型コロナ禍の財務強靭性に関する調査結果を公表

update 2021.08.31 15:31

4,000社の英国企業が倒産リスク懸念

英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症対策として講じられるロックダウンの影響を受ける英国企業を対象に、財務面の強靭性に関する調査結果を公表した。[1]

FCAが実施した調査は、新型コロナウイルスのパンデミックによる景気後退の影響を受ける企業の財務健全性をモニタリングすべく、規制下にある23,000社の企業を対象にデータを収集したという。また、同機構は既存の規制レポーティングデータやサードパーティーのデータも活用し、パンデミックが与える金融業界への影響をより正確に把握することに努めたとのことだ。

同調査によると、2020年10月末時点で、4,000社の金融サービスプロバイダーは財務面の強靭性が低く、破綻リスクが懸念されているという。FCAのコンシューマー・コンペティション部門エグゼクティブディレクターを務めるSheldon Mills氏は、これら企業の大半は中小企業であり、その内の約30%が債務不履行に陥るリスクがあると指摘している。但し、同機構は景気が回復するにつれて、これらの多くの企業が強靭性を高められる可能性があると見ている。

同調査では、ロックダウンが開始される前の2月から1回目のロックダウンによる影響が出た5月及び6月までの期間において、リテール投資とリテール貸出、及びホールセール市場で流動性が拡大したことが明らかになった。一方、保険仲介とブローカー、決済、電子マネー、投資管理といった分野においては、流動性の縮小が確認されたという。加えて、決済と電子マネーは最も高収益企業の割合が低く、リテール貸出の収益性が最も大きく落ち込んだとのことである。

FCAは早期に英国企業の財務的困難に関する認識を深めたことで、規律を持って迅速に対応策を講じ、リスクを管理すると共に適切に投資家を保護する方針だ。

release date 2021.01.11

出典元:

ニュースコメント

欧州金融市場の勢力図に変化が見られるか注目

多くの金融サービスプロバイダーは、ブレグジットの移行期間が終了する2020年末までに、英国から経営資源の一部をシフトする動きを強めていた。例えば、ゴールドマンサックスがフランスで株式取引ハブの開設に向けた申請を行った他、FXCMがCySECよりライセンスを取得し、欧州市場での継続的なサービスの提供を試みている。そのため、英国にとっては新型コロナウイルスのパンデミックに加え、ブレグジットによる収益性の悪化が懸念されている状況だ。同国がEUから完全離脱した後の取引初日には、欧州市場全体の取引の6分の1ほどが、大陸欧州の証券取引所や取引ハブへ流出した模様であり、既にブレグジットの影響が出始めている。一方、レギュラトリーサンドボックスなどの政策面の後押しを受け、英国では新たなイノベーションの創出に向けた環境が整備されており、新興企業が同国でサービスの提供を開始する事例も散見されている。例えば、Skillingはグローバル拡大戦略を推進する中、2020年初頭にFCAよりライセンスを取得し、ロンドンでのプレゼンス強化を図っている。また、Samtrade FXやStakeなども英国でライセンスを取得し、サービス強化を模索している。英国と大陸欧州の金融サービスプロバイダーが激しいシェア争いを繰り広げる中、コロナショックをきっかけに、欧州各国の金融市場で再編機運も高まっており、金融市場の勢力図に変化が見られるか注目したい。


Date

作成日

2021.01.11

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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