Select Language

ゴールドマンサックス、フランスに新たな株式取引ハブを開設する方針

ゴールドマンサックス、フランスに新たな株式取引ハブを開設する方針

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:31
ゴールドマンサックス、フランスに新たな株式取引ハブを開設する方針

update 2021.08.31 15:31

ブレグジット後を見据えて株式取引機能を移転

大手投資銀行のゴールドマンサックス(本社:200 West Street New York, NY 10282 United States[1])が、英国のハードブレグジット(合意なき離脱)に備えると共に、第二次金融商品市場指令(Markets in Financial Instruments Directive Ⅱ, MiFIDⅡ)を遵守した事業運営を行うべく、フランス当局へ新たな株式取引ハブの開設を申請したことが明らかになった。[2]

ゴールドマンサックスは、ロンドンが欧州単一市場への完全なアクセスを失った場合に備え、SIGMA X Europeと呼ばれる新たな取引ハブをフランスに開設し、株式取引機能を移転する方針だ。同取引ハブは、注文情報の匿名性を確保したダークプールと呼ばれる代替的取引施設となる。また、ロンドンの既存プラットフォームを活用し、英国株式取引サービスを引き続き提供していくという。取引ハブ開設の申請に関しては、当局からの承認待ちの状態ではあるが、ゴールドマンサックスは2021年1月4日より前に承認が下りると見込んでいる。

ゴールドマンサックスはハードブレグジットに備え、既に数百人規模の従業員をロンドンから他の市場へ配置転換している。同社は異動する従業員数について最終決定していないものの、フランクフルトとパリに追加のオフィススペースを確保しているという。

新たな取引ハブの開設に際し、ゴールドマンサックスの先物・株式電子取引部門グローバル共同責任者を務めるElizabeth Martin氏は以下のようにコメントしている。

ブレグジット後の欧州及び英国における流動性市場に変化が生じ得ると見込んでいることから、全てのお客様にサービスを提供する機能を確保することは非常に重要だと考えております。

Elizabeth Martin, global co-head of futures and equities electronic trading at Goldman Sachs - Bloombergより引用

ブレグジット移行期間の期限である2020年末までは、英国と欧州間のクロスボーダー取引サービスを引き続き提供することができる。しかしながら、ブレグジット交渉がまとまらず、コンティンジェンシープランが準備されていなければ、相対的に規模の小さい欧州各国を拠点とする投資家は英国市場と分断されることになる。一方、英国の金融業界はブレグジット後においても現在の取引フローを維持すべく腐心している状況だという。

コンティンジェンシープランを発動し、フランスに株式取引機能を移転する方針を掲げるゴールドマンサックスが、顧客基盤の維持・拡大に向けて革新的なソリューションを提供することに今後も期待したい。

release date 2020.11.26

出典元:

ニュースコメント

地殻変動が起こり得るグローバル金融市場

ブレグジット移行期間の終了が残り1か月ほどに迫る中、規制当局はブレグジット後を見据えた様々な施策を打ち出している。例えば、FCAはSTOの適用に係るガイドラインを公表した他、ESMAはTR4社の延長登録を承認している。また、民間レベルにおいてもブレグジット戦略の遂行を推し進めている状況だ。直近では、Pepperstoneがキプロス証券取引委員会(CySEC)よりライセンスを取得し、同国を拠点として欧州事業の拡大を模索している。また、JPモルガンチェースやバンクオブアメリカ・メリルリンチなどが英国から経営資源のシフトを進めている。他方で、アジア市場に目を転じると、グローバル金融機関は社会情勢が不安定化する香港から中国本土へのシフトを加速させている。例えば、バンガードが香港から撤退し、中国本土に注力する方針を示している他、SBIや大和証券グループ本社も香港事業の見直しを図っている。グローバルベースで拠点市場や注力市場の大きなシフトが見込まれる中、既存金融業界の勢力図に如何なる変化が見られるか注目したい。


Date

作成日

2020.11.26

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

FXGTの特徴は?仮想通貨サービスが充実の海外FX業者!

海外FX業者FXGTは、FXと仮想通貨のハイブリッド取引所として知られているブローカーです。豪華なボーナス、ハイレバレッジなど様々な特徴がありますが、特に仮想通貨関連のサービスが充実しており、FX・仮想通貨トレーダーの人気を集めています。
update2025.07.25 19:00

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.12 19:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.06.12 20:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

ビットフライヤーからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間も解説

Myforex編集部では、実際にビットフライヤー(bitFlyer)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。とても簡単でわかりやすく、初心者の方でも安心して利用できるサービスでした。この記事では、実際に送金してみた感想やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.06.26 19:30

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

CEOが顔出ししている海外FX業者はある?情報を公開するリスクとは

主要な海外FX業者を対象に、CEOが顔出しして活動しているかどうか調査しました。本記事では調査結果を一覧にまとめたほか、海外FX業者がCEOの情報を公開するリスクや非公開にする理由を説明します。
update2025.05.21 19:00

4月のFX・債券・株式の取引高が増加、ボラティリティの高まりとリスク回避が一因

欧州で複数の取引所を運営するEuronextは、2025年4月の月間取引量が過去最高水準に達したことを発表しました。株式や債券の取引量が増加し、FXやコモディティ市場も取引が活発だったとしています。
update2025.05.22 19:30

ビットコイン11万ドル突破で史上最高値更新、強気派は上昇継続の見通し

2025年5月22日、ビットコイン(BTC)が史上最高値を更新しました。価格上昇の背景には、テキサス州のビットコイン準備金法案の可決や、米国債の格下げなどが影響していると考えられます。引き続き強気目線を持つ投資家なども多く、市場ではさらなる価格上昇が期待されています。
update2025.05.22 20:00

やっぱり悪かった!XMTradingのドル円のスプレッドはコスト重視なら厳しい

Myforex編集部では、2024年11月20日〜2月20日の3ケ月間にかけて、XMTradingが提供する1分単位のスプレッドデータを独自に入手し調査しました。そこで分かったのが、XMTradingが巷で言われているほどスプレッドが狭くない、むしろ他社よりも広いという事実です。
update2025.05.23 19:00
口座開設で15,000円のボーナス 口座開設で15,000円のボーナス

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル