Select Language

FCA、株式取引義務の適用に係るガイドラインを公表

FCA、株式取引義務の適用に係るガイドラインを公表

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.06 17:57
FCA、株式取引義務の適用に係るガイドラインを公表

update 2022.01.06 17:57

同等性を保証する場合に各規制市場のSTOを満たすとの考えを示唆

英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】は11月4日、ブレグジットの移行期間終了後における株式取引義務(Share Trading Obligation)【以下、STOと称す】の適用に係るガイドラインを公表した。[1]

FCAは英国とEUの間で同等性が保証される場合、各規制市場のSTOを満たし、英国を拠点とする企業はEU圏内の取引所を通じて株式取引を行うことができるようになるという。仮に同等性が認められない場合、同機構は経過措置としてTemporary Transition Power【以下、TTPと称す】を適用し、英国企業がEU圏内の取引施設や組織的内部執行業者(Systematic Internaliser, SI)を通じた全ての株式取引を可能にすることで、金融市場の分断を回避する方針だ。但し、英国の市場参加者がブレグジット後にEU圏内の取引施設にアクセスするためには、一定の規制を遵守する必要があるとのことだ。尚、2020年10月28日にESMAがSTO適用に係る声明文を公表した。FCAの規制アプローチとは異なり、英国を拠点とする取引施設を通じてEU圏内で上場する企業のポンド建て株式取引を行う場合、同局はEUのSTOを適用しない方針を示している。

ガイドラインの公表に際し、FCAの国際部門エグゼクティブディレクターを務めるNausicaa Delfas氏は以下のようにコメントしている。

移行期間終了後、英国とEUは世界で最も同等性を有することになる予定ですが、現状EUは全面的な同等性評価を認めていません。ESMAがEUと英国の間でSTO関連の規制重複を回避する方針を示したことにより、発行体の規制市場や発行通貨に基づく規制とは異なる、シンプルで包括的なアプローチを図る考えであります。我々は、英国を拠点とする投資家やアセットマネージャーが最良の取引条件の下で最高の運用成果を上げることができる環境の確保に向けた取り組みを推進していきます。

Nausicaa Delfas, Executive Director of International at FCA - FCAより引用

FCAはブレグジット後を見据えた規制アプローチの適用に際し、英国を拠点とする企業が、最良執行を提供する取引施設を通じて株式を自由に取引することができるオープンな市場環境の構築を目指す方針だ。

release date 2020.11.06

出典元:

ニュースコメント

刻一刻と迫るブレグジットの移行期間終了

英国及びEU双方の議会での承認作業に時間を要することに鑑みると、貿易協定などの将来関係協定交渉の最終期限は11月中旬になるという。交渉期限がすぐそこに迫る一方、両者の間では複数の重要分野において大きな隔たりが解消されておらず、交渉は依然として混迷を極めている状況だ。FCAが適用を示唆するTTPに関しては、あくまで限定された期間において既存の規制に従うことができる一時的な措置である他、同機構の権限が及ばない分野も存在するため、市場参加者は様々なシナリオを想定して万全の準備を進める必要があると言える。またFCAのみならず、ESMAもブレグジット後を見据えた様々な取り組みを推進している。例えば、ESMAは2021年の監督業務計画を公表した他、ESMAはCCP監督委員長と独立委員を任命している。FX取引に目を転じると、ブレグジットの移行期間終了が刻一刻と迫る中、ボラティリティの高まりを背景にポンド通貨ペアを中心として取引の活性化が期待できそうだ。


Date

作成日

2020.11.06

Update

最終更新

2022.01.06

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

Bybitが日本ユーザーの新規登録を停止!日本撤退で海外FXユーザーにも影響大か?

Bybitが2025年10月31日をもって日本ユーザーの新規登録停止を発表しました。既存ユーザーは継続利用できるものの、締め出しも時間の問題と予想する声も少なくありません。本記事では、Bybitの発表内容や海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.11.06 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

メタマスク等の利用が規制対象に?金融庁がDEXの規制を議論

暗号資産WGでの議論を発端に、SNS上で「DEX利用が非合法化されるのでは?」といった投稿が話題になっています。本記事では、金融庁で議論されたDEX規制の現状や、SNSで広まる情報の真偽、海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.10.28 19:00

FXGT破綻の噂がSNSで再浮上、CEOは「完全なデマ」と否定

海外FX業者のFXGT(エフエックスジーティー)が「経営破綻の危機にある」との噂が一部で広がっています。噂が流れているのは主にX(旧Twitter)で、FXGT公式はこれを否定しています。当サイトではFXGTにこれらの噂について、事実確認を行いました。
update2025.11.04 19:30

Exnessで10月に2度もサーバーダウン!?SL設定のユーザーは損失補填

海外FX業者のExnessで、10月に2度のサーバーダウンが発生しています。一連のトラブルが原因で、損失を被ったユーザーも少なくないようです。本記事では、報告されている不具合やExnessが実施した補償などについて説明します。
update2025.10.30 19:30

Wiseでの海外FX入出金をおすすめできない理由とは?アカウント閉鎖の可能性も

海外FXユーザーの間で、Wiseを利用した送金が話題になっています。しかし、Wiseでの入出金はリスクが高いためおすすめできません。この記事ではその理由を説明します。
update2025.09.08 19:00

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル