Select Language

ESMA、証券金融取引規則に基づき取引情報蓄積機関4社の延長登録を承認

ESMA、証券金融取引規則に基づき取引情報蓄積機関4社の延長登録を承認

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.13 13:30
ESMA、証券金融取引規則に基づき取引情報蓄積機関4社の延長登録を承認

update 2022.01.13 13:30

2020年5月7日より適用

欧州証券市場監督局【以下、ESMAと称す】は、証券金融取引規則【以下、SFTRと称す】に基づき、証券金融取引【以下、SFTと称す】情報の収集や保存に関する業務を行う取引情報蓄積機関【以下、TRと称す】4社の延長登録を承認した。[1]

今回延長登録が承認されたのは、DTCC Derivatives Repository plcとUnaVista TRADEcho B.V.、Krajowy Depozyt Papierów Wartościowych S.A.、 REGIS-TR S.A.の4社で、2020年5月7日より適用されるとのことだ。これらのTRは既に欧州市場インフラ規則【以下、EMIRと称す】に基づくデリバティブ取引に係るTRとしてESMAに登録されているほか、レポ取引や貸借取引、現先取引、委託証拠金等の融資といったSFTの全ての取引を取り扱うという。

SFTRは証券金融取引市場の透明性の向上を目的とし、全てのカウンターパーティーに対してSFT関連の詳細情報をTRへ報告する義務を課している。また、欧州域内におけるEMIRとSFTRの遵守を徹底すべく、ESMAはTRの唯一の監督機関として、同機関の登録及び直接監督する権限を付与されている。TRはSFT情報の収集や保存業務を担っており、同機関として登録されることで、カウンターパーティーにとってはTRを活用し、SFTRの取引報告義務を遵守できるようになるという。TRとして登録されるには、特に業務の信頼性や保護、記録、透明性、データの有効性といったSFTRを遵守する必要がある。尚、報告義務に関しては、欧州域内における新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を軽減するための措置が講じられている。[2]

尚、ESMAはESGディスクロージャー要件関連のノーアクションレターを発行したほか、ESMAはMASと覚書を締結するなど、健全な金融市場の形成やクロスボーダー取引の活性化に向けた動きも強めている。そして今回、同局がTRの延長登録を承認し、適切にモニタリングを行うことで、透明性の高い証券金融市場の形成に寄与することを期待したい。

release date 2020.05.08

出典元:

ニュースコメント

ESMAの重点監督分野に位置づけられるTR

2009年9月にG20ピッツバーグ・サミットが開催され、店頭デリバティブ市場の改善を図るべく、同取引関連情報をTRに報告する旨の国際的な合意がなされた。汎欧州の金融規制を司るESMAは2020年の監督業務計画を公表した際、TRのモニタリングを重点監督事項に定め、データクオリティや当局によるアクセスの確保など積極的に取り組むとしている。また、同局はTRの取引データ取扱いガイドライン関連の諮問書を公表したほか、同機関に関するフォローアップレポートを公表するなど、TRの適切な運営に寄与する規制スキームの構築に向けて様々な施策を講じている。特に同レポート内では、サービス提供に係るコストの記録やモニタリング機能の向上などを要請しており、TRの運営に関しては改善の余地が大きいと見ている模様である。他方で、TRへの報告サービスを展開しているTRActionがMetaTrader5(MT5)用レポーティングサービスを開始している。TRを巡っては今後も規制環境が変化する可能性があるため、規制に対応したソリューションを提供する金融サービスプロバイダーの動向に注目したい。


Date

作成日

2020.05.08

Update

最終更新

2022.01.13

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨SOLVの将来性は?ビットコインのステーキングプロトコルSolv Protocolを解説

仮想通貨(暗号資産)SOLVは、ビットコイン(BTC)のステーキングプロトコル「Solv Protocol」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨SOLVの特徴やSNSでの評判、将来性、トークンの使い道などを解説します。
update2025.01.10 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.11.28 19:00

【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

MT4/MT5ではインディケータを使うことで複数チャートを同期してスクロールできます。この記事ではMT4/MT5の複数チャートを同期してスクロールできるインディケータについて、実際に使ってみた感想も交えながら紹介していきます。
update2024.11.07 19:00

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

初心者でも安心!MT4ストラテジーテスターの使い方完全ガイド ~EA活用とバックテストで一歩先のトレードへ~

MT4でEAを使って自動売買をするならストラテジーテスターにより利益が出るかテストが必要です。本記事では、ストラテジーテスターの実践的な使い方や疑問を感じやすいポイントを解説します。
update2025.01.10 19:00

MT4/MT5でも日本時間を簡単に表示できる!日本との時差については図解で理解しておこう

MT4/MT5では通常、表示される時間が日本時間から6時間ほどずれています。頭の中で「表示される時間 + 6時間」などと計算すれば、日本時間に変換可能です。しかし慣れないうちは少し不便なので、日本時間を表示させる外部ツールも活用されています。
update2024.11.27 19:30

SONYのレイヤー2「Soneium」がIP侵害を理由にミームコインをブラックリスト化

ソニーグループによるイーサリアムレイヤー2のSoneium(ソニューム)が、メインネットローンチの同日に、IP侵害のあるミームコインをブラックリスト化し、SNSで話題となっています。本記事では、Soneiumの概要やブラックリスト化の内容、SNSでのユーザーの声などを解説します。
update2025.01.17 19:00

仮想通貨USUALの将来性は?RWA活用のステーブルコインプロトコルを解説

仮想通貨USUALは、ステーブルコインプロトコル「Usual」のガバナンストークンです。Usualは、BlackRockなどからRWA(現実資産)を集約してステーブルコインを発行し、その収益をコミュニティに再分配するプロトコルとして注目を集めています。
update2024.11.20 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル