作成日
:2020.05.01
2022.01.13 13:37
欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は各国規制当局【以下、NCAsと称す】と協調し、EU金融ベンチマーク規則(EU Benchmarks Regulation)【以下、BMRと称す】下において、ベンチマーク・アドミニストレーター(Benchmark Administrator)に求められるESG(環境、社会、ガバナンス)ディスクロージャー要件に関するノーアクションレターを発行した。
BMRにおいては、ベンチマーク・アドミニストレーターが2020年4月30日までの遵守を義務付けられた新たなESGディスクロージャー要件として、ESGベンチマークを組成する際にメソドロジーへ対しESG要素を反映させているか公表しなければならない。また、ベンチマークステートメントにおいてもESG要素をどのように組み入れているかを開示することが求められている。ESMAとNCAsは関連の委任法令(Delegated Act)を適用させる前に、各ベンチマーク・アドミニストレーターがBMRに基づくESGディスクロージャー要件を満たすことは困難であるとの認識を示している。
ESMAはNCAsに対し、委任法令の適用前にESGディスクロージャー要件に関する監督もしくは強制措置を講ずべきではなく、リスクベースの監督及び規制の導入を検討する必要があると見ている。また欧州委員会(European Commission)【以下、ECと称す】に対しては、委任法令の適用の遅れは避けなければならないという意見書を公表した。
尚、ECは2020年4月8日に1か月間のパブリックコンサルテーションの期間を設けた委任法令の草案を公表した。その後、施行開始前に欧州議会及び欧州理事会にて同法令の承認手続きが行われる見通しだ。
release date 2020.05.01
主要ベンチマーク・アドミニストレーターのFTSEインターナショナルやMSCIなどが組成するベンチマークは、世界中の機関投資家が運用パフォーマンスを測定する際に参照している重要指標だ。グローバルでESG投資が盛り上がりを見せる中、特に両社が開発するESGベンチマークに関しても注目度が高まっている。他方で、ESMAは2020年の監督業務計画を公表した際、BMRなどの規則に基づく新たな監督スキームの構築を計画しているという。またESMAはMASと覚書を締結し、シンガポールのベンチマーク活用を模索しているほか、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)とも同様の覚書を締結するなど、グローバル各国と協調して第三国ベンチマーク規制の構築を目指している。同局はベンチマークの正確性と信頼性を確保するための動きを積極化させる中、BMRを適切に運用する上で、関連の委任法令を極力早く適用させる必要があると見ている模様だ。尚、民間レベルにおけるESG関連動向に目を転じると、リフィニティブが気候変動対策への取り組みを強化している。より健全性の高い金融市場の構築に向け、政府及び規制当局が実効性のあるBMR関連法令を適用することを期待したい。
作成日
:2020.05.01
最終更新
:2022.01.13
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
Milton Marketsが夏トク15%入金ボーナスキャンペーンを開催!
2023.06.21 19:30
XMTradingがF1チームスクーデリア・アルファタウリとスポンサーシップを締結
2023.03.28 20:00
海外FX業者で取引できるエネルギー銘柄は?取引の種類やメリットを解説
2023.02.27 20:00
仮想通貨HOOKとは?将来性は?Hooked Protocolが提供するWild Cashも解説
2022.12.13 21:00
Huobi(旧Huobi Global)は日本居住者向けサービスを停止していない?
2022.12.08 19:30
分散型取引所dYdXの使い方をイチから解説!注意点も紹介
2022.12.01 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー