作成日
:2020.11.26
2021.08.31 15:31
今月25日、ビットコイン(BTC/USD)価格は過去24時間で3.2%上昇し、1万9,000ドルの抵抗線を超えて2017年12月18日に記録した1万9,738ドルの史上最高値に接近した。
現在、ビットコイン価格は1万8,987ドル付近にまで押し戻されているが、同日中に一時19,392ドルの高値を記録した。これに関してFairlead StrategiesのKatie Stockton氏は、倦怠感を表すいくつかの兆候が見られるものの、ビットコイン価格が史上最高値を更新する可能性があると述べた。GSRのRich Rosenblum氏も同じく、ビットコイン価格がまもなく2万ドルに到達すると予想しており、利益確定の売りと同時に最高値を更新するタイミングで更なる買い注文が流入する可能性があると言及している。
2017年に1万8,000ドルを記録した後、ビットコイン価格はFOMO(機会を逃すことを嫌う投資家心理)の後押しを受けて大台の2万ドルに迫ったが、そのバブルは直ぐに崩壊する結果に終わった。今回、ビットコイン価格は1万5,000ドルを上回ってから1週間以上にわたって1万6,000ドルの上方を堅調に推移しており、1万8,000ドル以上の価格帯でも強気な値動きを見せている。ビットコイン価格にとって2万ドルラインが重要なマイルストーンであるのに加え、強力な抵抗線となっていることは確かだが、eToroのSimon Peters氏はクリスマス前にでも同仮想通貨がそれを超える可能性があると主張した。
また、Peters氏はビットコイン価格が過去最大級の下げ幅を記録した今年3月のコロナショック以降、投資家が同仮想通貨を長期的に保有し始めている事実に触れ、これが過少供給な状況を作り出して価格上昇につながったと説明している。実際に、各国政府が新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴う景気刺激策で量的緩和を実施する中、一部の投資家はビットコインを法定通貨のインフレリスクをヘッジするための資産クラスとして活用し、同仮想通貨に対する需要を拡大させているという。これに対してBlackRockのRick Rieder氏は、ビットコインが金の代替資産として機能しているとコメントした。
最近では、インフレ対策としてMicroStrategyがビットコインに投資するなど、一般企業も同仮想通貨の需要拡大に寄与しているようだ。これに加え、ペイパルが仮想通貨関連サービスを本格始動したことも、ビットコイン価格を直接的に押し上げる要因となっているが、今後も仮想通貨市場の動向に注目していきたい。
release date 2020.11.26
ビットコイン価格の高騰に伴い、仮想通貨市場ではイーサリアム(Ethereum)やリップル(Ripple)を始めとするアルトコインの価格が急上昇している。これに関してeToroのPeters氏は、2017年にビットコインバブルが終焉を迎えた際にもアルトコインが同様の動きを見せ、イーサリアムやリップルが過去最高値に達した経緯があることを指摘した。一方、JST SystemsのScott Freeman氏は、仮想通貨市場が成熟して投資家が関心を示さなければ、このアルトコインの価格上昇が継続しないと言及している。Freeman氏によると、現時点でイーサリアムは仮想通貨市場全体に流入する資金の恩恵を最大限享受しているという。今月24日にイーサリアム価格は600ドルの大台を突破し、依然として強気な値動きを示しているが、これらのアルトコイン価格はどのように推移していくのか、今後も仮想通貨市場での展開を見守っていきたい。
作成日
:2020.11.26
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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