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米FinCEN、国外で保有する仮想通貨の報告義務化を提案

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update 2021.08.31 15:31
米FinCEN、国外で保有する仮想通貨の報告義務化を提案

update 2021.08.31 15:31

FBARを改正して仮想通貨が枠組みに追加される可能性

米金融犯罪捜査網(US Financial Crimes Enforcement Network)【以下、FinCENと称す】が、国外の仮想通貨サービスプロバイダーなどに1万ドル以上の仮想通貨を保有する者に対し、当局への報告を義務化する可能性があることが明らかになった。[1]

昨年12月31日、FinCENは銀行秘密法(Bank Secrecy Act, BSA)の外国銀行金融口座レポート(Report of Foreign Bank and Financial Accounts)【以下、FBARと称す】に関する規制を改正することを提案したという。既存のFBARでは、国外の金融機関に1万ドルを超える現金を保有する者が当局への報告を義務付けられているが、今回、FinCENは仮想通貨もその対象に加える意向のようだ。

これに加え、米財務省(US Treasury Department)は仮想通貨関連サービスプロバイダーが3,000ドルを超えるトランザクションに関する顧客情報を保管するだけでなく、1日あたり1万ドル以上のトランザクションをFinCENに報告することを求めており、仮想通貨ユーザーにKYC要件を課す見通しだ。特にFBARには口座名義人の氏名や口座番号、金融機関の詳細、口座の種類、会計年度中の最高残高などの情報を含める必要があるため、今回の提案に対して仮想通貨コミュニティからはプライバシー侵害を懸念する声が上がっている。

既存のFBARでは、規定に従わない者に対して罰金を含む様々な罰則が科せられるようになっており、仮想通貨に関しても同様の対応が取られる可能性があるという。この改正に関してFinCENはタイムラインを明示していないが、最終的にどのような判断を下すのか、今後も米国での動きを見守っていきたい。

release date 2021.01.05

出典元:

ニュースコメント

米国で仮想通貨関連のフレームワーク整備が進む

昨年末からビットコイン(Bitcoin)価格が史上最高値を更新して盛り上がる中、米政府は仮想通貨市場の統制を強化する方針を示している。最近では、米SECがリップル社を訴訟して結果的に人気仮想通貨のリップル(Ripple)を上場廃止に追い込むなど、仮想通貨市場で表立った動きを見せ始めているようだ。また、米SECは未登録の仮想通貨カストディアンに猶予期間を与え、これらの企業がブローカーディーラーとして当局から認可を得ることを促しているという。これに加え、米財務省の管轄下にあるFinCENや内国歳入庁(Internal Revenue Service, IRS)も、仮想通貨が流通することを前提に法的フレームワークを整備している。このように、米国では仮想通貨に関するルールの明確化および厳格化が進んでいるが、これが仮想通貨市場にどのように作用するのか、今後も同国での変化に注目していきたい。


Date

作成日

2021.01.05

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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