Select Language

米SEC、未登録の仮想通貨カストディアンに5年間の猶予期間を付与へ

米SEC、未登録の仮想通貨カストディアンに5年間の猶予期間を付与へ

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:31
米SEC、未登録の仮想通貨カストディアンに5年間の猶予期間を付与へ

update 2021.08.31 15:31

企業にブローカーディーラーとしての承認を得ることを求める

米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】は、連邦証券法に基づいて仮想通貨市場の統制強化を試みる中、未登録の仮想通貨カストディアンに5年間の猶予期間を与えることを提案した。[1]

SECの提案によると、企業は特定の条件下で仮想通貨を対象としたカストディサービスを提供することができるが、事業を開始する前にブローカーディーラーとして当局に登録する必要があるという。登録に際し企業には5年間の猶予期間が与えられ、その間、顧客保護規則に基づく執行措置の対象から除外されるとのことだ。SECは仮想通貨カストディが既存の証券法の対象となることを説明し、最終的に企業が顧客資産を物理的に保持すると同時に、取り扱い資産を仮想通貨に限定することや関連法の遵守、リスク規定への準拠、顧客へのリスク開示などを行う必要があると述べた。

しかしながら、SECはブローカーディーラーが秘密鍵を保持している事実について、仮想通貨が正しく管理されていることを保証し得るかに関して、その見解を明示しなかった。実際にブローカーディーラーが帳簿や財務諸表から、仮想通貨が存在する証拠を提示することは困難だと考えられる。この問題に関してSECは、仮想通貨カストディの基準とベストプラクティスについて新たな考察を得るために意見を求めているという。

現在、既存のブローカーディーラーは事前承認なしで仮想通貨の取り扱いを開始することを禁じられている。従って多くのフィンテック企業やブロックチェーン企業が当局の管理下に置かれ、金融業規制機構(Financial Industry Regulatory Authority)【以下、FINRAと称す】のメンバー企業となる事などが義務付けられるが、この規制強化の流れがどのような変化をもたらすのか、今後も米国市場の動向を見守っていきたい。

release date 2020.12.28

出典元:

ニュースコメント

明確な規制フレームワークの導入が求められる米当局

昨年、ブローカーディーラーの監督機関であるFINRAが仮想通貨関連企業に活動報告を依頼するなど、当局は仮想通貨市場で規制フレームワーク確立に向けた動きを見せている。しかしながら、その間にも米国内の仮想通貨市場は拡大しており、Winklevoss兄弟によって設立されたジェミニが仮想通貨カストディサービスを開始したのに加え、大手仮想通貨関連企業が積極的に事業を展開しているようだ。その他にも、米国を代表する大手仮想通貨カストディ企業であるBitGoが仮想通貨レンディングサービスを開始して事業を多角化するなど、企業を取り巻く仮想通貨市場の環境は徐々に複雑化している。このような状況の中、仮想通貨関連企業やコミュニティは明確な規制フレームワークが導入されることを望んでいるが、米当局はこの課題をどのように解決するのか、今後もその取り組みに注目していきたい。


Date

作成日

2020.12.28

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

メタマスクが勝手に開く現象が多数報告!原因や対処法は?

PCでブラウザを立ち上げた際にメタマスクが勝手に起動する現象が起きており、SNS上でも話題になっています。Myforex編集部でもこの現象を確認しており、当記事執筆時点(2025年4月3日)ではGoogle ChromeとBraveのブラウザで発生していることが確認できています。
update2025.04.03 19:45

ワールドコインのOrb(オーブ)の日本設置場所は?無料配布を受けられる登録会場の予約方法も解説

ワールドコインのOrb(オーブ)で生体認証を行うことで、仮想通貨WLDを無料で受け取れます。当記事では、ワールドコインの日本国内のオーブ設置場所、探し方、予約方法などを解説します。
update2025.03.21 19:30

XMTrading・Vantage Trading・AXIORY公式アプリがApp Storeから削除

海外FXブローカーのXMTradingおよびVantage Trading、AXIORYのアプリがApp Storeから削除されたことが確認されました。本記事では、削除の背景や考えられる理由、ユーザーへの影響、そして今後の対応策について詳しく解説します。
update2025.03.25 19:30

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

Galaxy DAOが出金受付を開始?返金を期待できない3つの理由

Galaxy DAOが、返金の受付を開始するという内容のメールをユーザーに配信していたことが明らかになりました。しかし、多くのユーザーは返金の実現には懐疑的です。なぜGalaxy DAOによる返金が期待できないのか3つの理由を説明します。
update2025.03.19 19:30

キャプテン翼-RIVALS- がJOHNトークンのエアドロを発表!LINEなどで遊べるMini Appの独自トークン

「キャプテン翼-RIVALS- Mini App」は、キャプテン翼のIPを活用したWeb3ゲームです。2025年4月にJOHNトークンのエアドロップが予定されており、注目を集めています。本記事では、JOHNトークンの特徴、エアドロップの仕組み、将来性などを解説します。
update2025.03.27 19:00

【MT4/MT5】フィボナッチを自動で描写!便利なインディケータを徹底比較

フィボナッチを使ってチャート分析をする際、ラインの引き方が分からなかったり、毎回手動で引くのが面倒だったりなどの難点があります。そこで本記事ではフィボナッチを自動描画できるMT4/MT5用インディケータを徹底比較します。
update2025.02.12 19:00

MT4/MT5対応の通貨強弱インディケータを徹底比較!無料で使えるおすすめは?

通貨強弱インディケータを使うと各通貨の強弱が一目で分かり、初心者でも視覚的に相場状況を把握できます。この記事では、無料のおすすめインディケータを比較し、選び方や活用方法を解説します。
update2025.02.05 19:30

MTF-MAでトレードのレベルを上げる。MT4/MT5で使えるインディケータを比較

MTF分析は複数の時間足を組み合わせて相場全体を把握する手法です。MTF分析を使いこなすことでエントリーの方向やタイミングを掴みやすくなります。本記事ではMTF分析を簡単にするインディケータや、エントリー精度を上げる方法を解説します。
update2025.01.21 19:15

MT4/MT5のローソク足の色は4つのポイントでカッコよくできる!

MT4/MT5は、自分だけのオリジナルデザインにチャートをカスタマイズできます。配色や表示設定を少し変えるだけで、補色やコントラストを意識することで、より視覚的に分かりやすいチャートにすることも可能です。この記事では、誰でも簡単にできるチャートのカスタマイズ方法を4つのポイントに分けてご紹介します。
update2025.02.12 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル