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XTX Markets、サードパーティーのFXアルゴリズムを活用推進

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update 2022.07.06 11:53
XTX Markets、サードパーティーのFXアルゴリズムを活用推進

update 2022.07.06 11:53

リテールFX分野においてアルゴリズムの利用進行

英国・ロンドンを拠点とするフィンテック企業であるXTX Markets(本社:R7 14-18 Handyside Street London, N1C 4DN[1])【以下、XTXと称す】が、FX取引においてサードパーティーが開発したアルゴリズムの活用を推進している。[2]

2019年、XTXはノンバンクのマーケットメイカー(値付け業者)として初となる、グローバルFX取引の市場シェアで首位に立った。これは、17年にわたり市場シェアでトップに君臨してきた世界有数のFXディーラーであるシティグループ(Citigroup)など、巨大金融機関を凌駕したことになる。XTXはラストルック(Last Look、顧客からの注文を拒否できる取引慣行)などを行わず、競合する銀行よりも多くの注文を迅速に処理してきた。同社はリテール店頭(OTC)デリバティブ業務を熟知していることから、グローバルFX取引の市場シェアで首位の座を獲得できたと見られている。

今日ではXTXに加え、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(Royal Bank Of Scotland Group)【以下、RBSと称す】のFXディーリング部門であるナットウエスト・マーケッツ(NatWest Markets)も、FX取引においてサードパーティーのアルゴリズムを活用しているという。他方で、サードパーティーのアルゴリズム活用に関しては、15年前にリリースされたMetaTraderシリーズに搭載されたEA(自動売買)が利用されているリテールFX分野において顕著になっている。同分野において、ホワイトラベルは一般的にプラットフォームや補助的サービスに活用されてきたが、現在ではティア1(トップクラス)のFXディーラーが既成のアルゴリズムを活用している状況だ。リテールFX分野と同様、XTXやナットウエスト・マーケッツがホワイトラベル形式で既成のアルゴリズムを活用しているという。FXディーラーにとって、ホワイトラベルは迅速且つ安価にアルゴリズム取引を推進する上で一般的なサービスとなりつつある。

XTXのMatt Clarke氏によると、サードパーティーが開発したアルゴリズム活用の流れは必至であるという。同氏は、投資会社であるオークツリー・キャピタル・マネジメント(Oaktree Capital Management)の会長兼共同創業者を務めるHoward Marks氏が記したメモを引用し、ある事象が既に市場へ織り込まれたことに鑑み、自身の予測を如何に修正するかという考え方を述べている。このことをMarks氏は2次的思考(Second-Level Thinking)と呼び、自分自身がある企業の将来性を見込む一方、市場の期待が非常に高い場合、株価は下落する可能性があると主張している。Clarke氏によると、FXアルゴリズムも少し似た状況にあるという。将来性に疑いの余地はないものの、殆どは市場で利用されていることから、現在の成長水準を維持するには、過去において機能したものとは異なるアプローチを採り入れ、顧客が求めるソリューションを提供する必要があるとのことだ。またClarke氏によると、ソーシャルメディアプラットフォームにおいて有益な類似性が見られるという。同プラットフォームは、当初新規ユーザーを取り込むことで急成長を遂げるものの、次第に前年比の顧客獲得数は横ばいになると見られている。Clarke氏の考えに鑑みると、FXアルゴリズムに関しても革新が求められていると言えそうだ。

過去10年の大部分において、ティア1の金融機関が店頭取引を手掛ける企業への与信枠を縮小してきた一方、XTXは与信枠を拡大させ、サービス提供を強化してきている。ナットウエスト・マーケッツなど、一握りのティア1ディーラーが中小のエージェンシーブローカーに対して、サービスを提供することへの重要性を認識していたと言える。同社のシニアエグゼクティブによると、ナットウエスト・マーケッツは非常にオープンなビジネスモデルを構築しているという。またRBSに関しても、店頭プライムオブプライムブローカー(PoP)との協働を重視するオープンな考えを持っている模様だ。一方、ティア1の金融機関が与信枠を縮小している要因として、リスク管理やコンプライアンス上の問題が挙げられる。金融機関が全てのブローカーとカウンターパーティーリスクに係る契約を締結する場合、KYC(本人確認)及びAML(アンチマネーロンダリング)関連のレポーティング義務が生じることになる。

FX市場においては、XTXやナットウエスト・マーケッツなどのように、ホワイトラベル形式で既成のアルゴリズムを活用し、注文を処理するユースケースが今後も拡大すると予想される。

release date 2020.10.19

出典元:

ニュースコメント

市場に浸透しつつあるアルゴリズム取引

XTXはクオンツ重視の有力電子マーケットメーカーとして、株式やFX、債券、コモディティ市場に豊富な流動性を供給している。ユーロマネー(Euromoney)誌が公表したFXサーベイ2020によると、市場シェアランキングにおいて、XTXはJPモルガンチェース、UBSに続く三番手に位置づけられている。足元においても、XTXは機能向上及び業容拡大に向けた動きを積極化している状況だ。例えば、XTXはCobaltのインフラを採用した他、XTXは中国FXインターバンク市場に参入を果たし、同市場で初となるノンバンク・マーケットメイカーとして機能している。他方で、FXアルゴリズム取引高が年次で2桁の成長率で拡大する中、同社以外にも多くの金融サービスプロバイダーが関連ソリューションの導入・強化を図っている。例えば、HSBCがNDFアルゴリズム執行ツールをリリースした他、海外FXブローカーの間で採用が相次いでいるMetaTrader5(MT5)も高性能なアルゴリズム取引機能を搭載している。FX市場においてアルゴリズム取引の活用が進む中、多くの金融サービスプロバイダーが顧客ニーズにマッチした画期的な関連ソリューションを提供することに今後も注目したい。


Date

作成日

2020.10.19

Update

最終更新

2022.07.06

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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