Select Language

米SEC、店頭市場規制策を修正

米SEC、店頭市場規制策を修正

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.12 12:11
米SEC、店頭市場規制策を修正

update 2022.01.12 12:11

ブローカーに対して取引価格の提示前に発行体のデューデリジェンスを義務付け

米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】は9月16日、ディスクロージャーの改善及び投資家保護の徹底を図るべく、店頭(OTC)市場規制スキームを修正したことを発表した。[1]

SECによると、店頭市場では主に個人投資家が証券取引を行い、ブローカーディーラーがゲートキーパーとして機能しているという。現状では、発行体情報が非公開もしくは発行体自体が存在しない中、ブローカーディーラーがプライシングを提供するケースが散見されている模様だ。

新規制策においては、一部の例外はあるものの、ブローカーディーラーによる発行体情報公開前のプライシング提供を規制すると共に、取引価格の提示前に発行体のデューデリジェンスを行うよう求めている。

規制策の修正に際し、SECの委員長を務めるJay Clayton氏と同委員会トレーディング・市場部門ディレクターであるBrett Redfearn氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

個人投資家保護を主眼に置いた取引所法規則15c2-11の改正が、長らく遅れておりました。前回同規則が修正されて以来、テクノロジーが進化する一方で風説の流布などの詐欺が横行し、効率的な投資意思決定や詐欺撲滅に寄与するタイムリーな店頭市場関連情報の提供が求められております。

Jay Clayton, Chairman at the SEC - SECより引用

今回の規制策修正は、非常に重要な個人投資家保護と共に、一部の証券に関するプライシング提供の効率化を図ることを意図しています。

Brett Redfearn, Director of the Division of Trading and Markets - SECより引用

SECが新たな規制策を導入したことによる、ブローカーの対応動向にも今後注目していきたい。

release date 2020.09.21

出典元:

ニュースコメント

規制動向を踏まえたソリューション提供を試みる金融サービスプロバイダーに注目

今回、規制策を修正した米国以外にも、世界中で金融機関による不祥事が相次いでいる。例えば、FXスポット取引の買値と売値及びスプレッドを不正操作したとして、ロンドン裁判所がバークレイズ等為替不正操作の審理を開始した他、取引情報の不正共有及び買値を不公正に操作したとして、韓国FTCがメガバンクに罰金を科している。また、主要銀行による度重なるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作が発覚したことを受け、FCAは2021年にLIBORを廃止する計画を維持し、金融機関に対して同金利の廃止に備える対応策の策定を要請している。他方で、当局の規制動向を踏まえたソリューションの提供を試みる金融サービスプロバイダーが散見されている。例えば、リフィニティブ(Refinitiv)がLIBORの代替指標となるターム物SONIA参照金利のベータ版をリリースした他、Ideal Predictionは公正で透明性のある取引執行に寄与するトレード分析ツールをリリースする意向を示している。グローバルベースで不正操作や詐欺撲滅に向けた規制策の強化が図られる中、今後も金融サービスプロバイダー各社が、規制動向を踏まえた画期的なソリューションを提供することに期待したい。


Date

作成日

2020.09.21

Update

最終更新

2022.01.12

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨SOLVの将来性は?ビットコインのステーキングプロトコルSolv Protocolを解説

仮想通貨(暗号資産)SOLVは、ビットコイン(BTC)のステーキングプロトコル「Solv Protocol」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨SOLVの特徴やSNSでの評判、将来性、トークンの使い道などを解説します。
update2025.01.10 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.11.28 19:00

【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

MT4/MT5ではインディケータを使うことで複数チャートを同期してスクロールできます。この記事ではMT4/MT5の複数チャートを同期してスクロールできるインディケータについて、実際に使ってみた感想も交えながら紹介していきます。
update2024.11.07 19:00

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

初心者でも安心!MT4ストラテジーテスターの使い方完全ガイド ~EA活用とバックテストで一歩先のトレードへ~

MT4でEAを使って自動売買をするならストラテジーテスターにより利益が出るかテストが必要です。本記事では、ストラテジーテスターの実践的な使い方や疑問を感じやすいポイントを解説します。
update2025.01.10 19:00

MT4/MT5でも日本時間を簡単に表示できる!日本との時差については図解で理解しておこう

MT4/MT5では通常、表示される時間が日本時間から6時間ほどずれています。頭の中で「表示される時間 + 6時間」などと計算すれば、日本時間に変換可能です。しかし慣れないうちは少し不便なので、日本時間を表示させる外部ツールも活用されています。
update2024.11.27 19:30

SONYのレイヤー2「Soneium」がIP侵害を理由にミームコインをブラックリスト化

ソニーグループによるイーサリアムレイヤー2のSoneium(ソニューム)が、メインネットローンチの同日に、IP侵害のあるミームコインをブラックリスト化し、SNSで話題となっています。本記事では、Soneiumの概要やブラックリスト化の内容、SNSでのユーザーの声などを解説します。
update2025.01.17 19:00

仮想通貨USUALの将来性は?RWA活用のステーブルコインプロトコルを解説

仮想通貨USUALは、ステーブルコインプロトコル「Usual」のガバナンストークンです。Usualは、BlackRockなどからRWA(現実資産)を集約してステーブルコインを発行し、その収益をコミュニティに再分配するプロトコルとして注目を集めています。
update2024.11.20 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル