Select Language

FCA、2021年にLIBORを廃止する計画を維持

FCA、2021年にLIBORを廃止する計画を維持

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.24 15:23
FCA、2021年にLIBORを廃止する計画を維持

update 2022.01.24 15:23

金融機関にLIBOR廃止に備える対応策の策定を要請

英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、金融市場が混乱する環境下においてもロンドン銀行間取引金利(London Interbank Offered Rate)【以下、LIBORと称す】を2021年末に廃止する方針に変わりはない模様だ。[1]

FCAは強固なグローバル金融システムの構築のために、LIBORからの移行は重要な課題であり、多くの移行準備を継続できると見ている。また、同金利の廃止時期に変更はないものの、新型コロナウイルスのパンデミックを受け、多数の市場参加者が作成した移行プログラムに影響を与えると共に、依然としてLIBORを参照していることを認識しているという。FCAはイングランド銀行(Bank of England)や、ポンド建てリスクフリー参照金利に係るワーキンググループと共に他のグローバル当局と連携して、LIBORからの移行スケジュールに与える影響を精査し、極力速やかに状況の把握を行う模様だ。

LIBORは2021年末に廃止することが決定しており、FCAは2020年が金融機関にとって重要な年になるとコメントしていた。しかしながら、コロナショックの影響を受ける各金融機関は、移行に向けて多少困難な状況に直面している。2020年2月、FCAはアセットマネジメント会社に対し、新規のスワップ取引を行う際には可能な限り、LIBORからポンド翌日物平均金利(Sterling Overnight Index Average, SONIA)を参照し、LIBORの廃止に備える対応策を講ずるよう促している。またアセットマネジメント会社に対し、満期が2021年を超えるポンド建てのLIBORを参照する新規取引を2020年第3四半期末までに取り止め、移行プランを推進させるよう要請した。

FCAは、各金融機関が同機構により指摘されたポイントを踏まえ、適切に行動することが重要で、LIBORの廃止は市場イベントであると共に、代替指標への移行は市場が主導して行われるものだとコメントしている。また、各金融機関が顧客からの指摘や今後打ち出される可能性がある規制緩和、指針、法案などを踏まえた移行プランを遂行するのではなく、適切且つ事前に対応策を講じることを期待しているという。新型コロナウイルスの感染拡大が金融市場に大きな影響を及ぼすなか、健全な市場の形成に向け、FCAを始めとするグローバル当局及び金融機関各社の動向を見守る必要がありそうだ。

release date 2020.03.27

出典元:

ニュースコメント

抜本的な経営改革が必要とされる旧態依然の伝統的な金融機関

LIBORは債券や住宅ローンなど多岐にわたる金融取引に用いられる金利のことである。2012年に多くの金融機関が関与したLIBORの不正操作が発覚したことを受け、FCAは2021年に同金利を廃止し、より信頼性と透明性の高い金利指標への移行を推し進めている。LIBOR参照契約は約400兆ドル規模に上り、満期が2021年末を越える取引も膨大に残されていることから、同機構はグローバル金融システムの安定に向けて各金融機関に代替指標への移行準備を進めるよう促している状況だ。他方で、ロンドン裁判所がバークレイズ等為替不正操作の審理を開始したほか、韓国ではFTCがメガバンクに罰金を科したように、伝統的な金融機関による不正行為が依然として行われている。ミレニアル世代を始めとする投資家層は、不祥事が相次ぎコストが高く使い勝手の悪い伝統的な金融機関よりも、利便性の高いフィンテック企業やチャレンジャーバンクを選好しつつある。中でも、顧客数を爆発的に拡大させているロビンフッドはFCAよりブローキング業務認可を取得し、英国市場の開拓を試みている状況だ。様々なプレーヤーがひしめく現在の金融市場において、旧態依然の伝統的な金融機関は顧客基盤の維持が難しいと予想される。これらの金融機関は、先進的なテクノロジーやソリューションを提供するフィンテック企業との戦略的提携などを踏まえ、透明性が高く顧客ニーズに即したサービス展開を図ることで、顧客満足度を向上させることが急務といえるであろう。


Date

作成日

2020.03.27

Update

最終更新

2022.01.24

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

リピート注文その1|最良の取引戦略の1つリピート注文とは

リピート注文(グリッドトレード)は、インディケータに関する知識を必要としないシンプルな手法です。注文を設定した後は、単純なルールに従って行動するだけです。
New
update2024.04.30 20:30

メタマスク(MetaMask)のエアドロップ確認機能とは?特徴や使い方を解説

分散型ウォレットのメタマスク(MetaMask)に、エアドロップ確認機能が追加されました。これにより、エアドロップの受け取り資格の有無を、メタマスク上で簡単にチェックすることが可能になっています。当記事では、エアドロップ確認機能の特徴や、対応しているブロックチェーン、使い方を解説します。
update2024.04.26 21:00

仮想通貨BBの将来性は?ビットコイン向けリステーキングチェーンBounceBitについて解説

仮想通貨(暗号資産)BBは、レイヤー1ブロックチェーンBounceBitのネイティブトークンです。BounceBitは、ビットコイン(BTC)をリステーキングできるインフラとして機能します。
update2024.04.25 20:00

セービングとステーキングの違いとは?仕組みや利率・やり方を解説

仮想通貨(暗号資産)を運用する代表的なサービスとして「セービング」と「ステーキング」があります。よく似た両者には、どのような違いがあるのでしょうか。当記事では、セービングとステーキングの違いや仕組み、利率、やり方などを解説します。
update2024.04.25 19:30

Zoomexがプレイ金額杯を開催!To The Moonをプレイして総額17万円相当の賞金・特典を獲得

Zoomex(ズーメックス)が、プレイ金額杯の開催を発表しました。To The Moonをプレイしてランキングに入賞すると、総額17万円相当の賞金・特典を獲得できます。キャンペーンは、2024年4月30日午前9時(日本時間)までです。
update2024.04.23 20:00

BigBossが新規ユーザー向けの入金ボーナスを提供!最大1万3,700ドルを付与

海外FX業者のBigBossが入金ボーナスの提供を開始します。今回のボーナスプログラムでは累積入金額によって付与率が変化し、最大1万3,700ドルが付与されます。入金ボーナスの付与条件や対象、注意点などをまとめました。
update2024.04.22 20:30

ThreeTraderが3周年を記念したキャンペーンを開催!

海外FX業者のThreeTraderが、3周年を記念したキャンペーンの第一弾を開催しています。キャンペーン期間中に本人確認審査を完了、または初回入金を行うと合計20ドルのキャッシュバックを受け取れます。
update2024.04.19 21:00

Bybitの新ローンチパッドに仮想通貨PBUXが登場!参加方法やPlaybuxの独自トークンについて解説

Bybitのローンチパッドに仮想通貨PBUXが登場します。PBUXは、エンターテインメントWeb3.0プラットフォーム「Playbux」の独自トークンです。計測開始日時は2024年4月18日午前9時からです。
update2024.04.18 21:00

XS.comが賞金総額100万円のデモトレード大会「Lucky Contest」を開催!

海外FX業者のXS.comが、2024年4月29日よりデモトレード大会「Lucky Contest」を開催します。上位5名などには総額100万円の賞金が贈られます。
update2024.04.17 20:00

仮想通貨OMNIの将来性は?ロールアップを統合するレイヤー1ブロックチェーンについて解説

仮想通貨OMNIは、イーサリアムのロールアップを統合するブロックチェーン、Omni Networkのネイティブトークンです。Omni Networkを使用すると、イーサリアムの流動性とユーザーにアクセスできるグローバルアプリケーションを構築できます。
update2024.04.16 21:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル