Select Language

インフルエンサー頂上決戦

アマギフ3,000円が当たる

韓国当局、相場操縦を行ったメガバンク4行に罰金

韓国当局、相場操縦を行ったメガバンク4行に罰金

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.27 15:31
韓国当局、相場操縦を行ったメガバンク4行に罰金

update 2022.01.27 15:31

再度不正を働けば、更なる厳罰を科す意向

韓国の金融市場監督当局である公正取引委員会(Fair Trade Commission)【以下、FTCと称す】が、韓国企業5社とのFXデリバティブ取引契約を獲得すべく、情報を不正に共有及びビッド(買値)を不公正に操作したとして、グローバル展開を図るメガバンク4行に対し罰金を科した、と韓国の英字紙Korea Timesが報じた。[1]

この度罰金を課せられたのは、JPモルガンチェースとHSBC、ドイツ銀行、そしてスタンダードチャータード銀行の4行である。罰金の金額に関しては、JPモルガンチェースが最も大きく2億5,100万ウォン(223,000ドル)、次いでHSBCが2億2,500万ウォン(200,500ドル)、ドイツ銀行とスタンダードチャータード銀行が、それぞれ2億1,200万ウォン(188,000ドル)、500万ウォン(4,500ドル)となり、4行総額で6億9,300万ウォン(約616,000ドル)に上る罰金を科せられた格好だ。

これらの4行は、2010年3月から2012年2月までの間に、韓国企業5社とのFXデリバティブ取引で計7回に亘り不正を働いた模様である。4行は、一般的に利用されるメッセージ交換ソフトを相互に利用して、取引契約の管理や買値などの情報を共有していたと見られている。なおFTCでは、4行と取引を行った韓国企業5社については、社名を明らかとしていない。また、この度の4行への罰則を公表することで、マーケットオーダー(成行注文)による効率的な市場を取り戻すと共に、市場参加者が公正な競争環境の下でFXデリバティブ取引を行うことを期待していることに加え、再び不正行為に手を染めれば、更なる厳罰を科すと警告を発してもいる。

なお、韓国の金融市場監督当局として監督・検査機能を有する金融監督院(Financial Supervisory Services, FSS)は、投資銀行複数行が絡むFXデリバティブ取引の価格操作に関する一連の案件を調査しており、この流れの中でFTCはメガバンク4行が引き起こしたカルテル(価格などに関し不正に協定を結ぶこと)として知られる不正行為に対し、捜査のメスを入れたものと見られている。

なお、FTCがFXの相場操縦を行った企業に対し罰金を科したのは今回が初めてではない。2011年から2014年の間に行われた通貨先物取引の価格操作に関して、2018年にドイツ銀行とBNPパリバに対し、それぞれ7,100万ウォン(63,000ドル)、1億500ウォン(93,000ドル)の罰金が科せられている。また2019年1月初頭には、香港当局がJPモルガンチェースに対し、2年以上に亘りアンチマネーロンダリング(AML)法を遵守してこなかったとして1,250万香港ドル(160万ドル)の罰金を科している。他、香港当局はワラント取引禁止通知を一部のブローカーに対し発令してもいる。

各国当局の規制が強化される中、デリバティブ取引を筆頭に、金融商品の仕組みが複雑になれば、より一層投資家保護に配慮する必要があり、信頼性・透明性の高い企業経営を行っていく上では、徹底したコンプライアンスの遵守は避けては通れない道と言えよう。

release date 2019.01.22

出典元:

ニュースコメント

相次ぐ大手銀行の不正行為

今回、米国最大の資産を要する巨大金融グループJPモルガンチェースなど大手金融機関4社が、為替操作や秘密情報の共有などの不正行為に加え、カルテルを使った不正操作など、不公平に買値を操作したことで摘発された。しかし、このような摘発は珍しいことではなく、不正行為が発覚するたび、金融機関は多額の罰金や和解金の支払いなどの処分を科されている。企業のイメージにも大きなダメージを受けることになるが、不正行為はなくなる気配がない。というのも、為替操作を行うことで、巨額な資金が金融機関に入るだけでなく、関わったものがインセンティブを得られる体制が要因とされる。また、不正行為に対して企業幹部の責任が特に問われないことも問題のようだ。これまでに世界の大手金融機関が不正行為をめぐる罰金や賠償金として支払った総額は数千億ドルに上るとされるが、罰金以外の厳しい制裁で取り締まらない限り、再び同様の事件が発生するだろう。投資家保護のためにも、止まない不正行為へのグローバルな対策が求められる。


Date

作成日

2019.01.22

Update

最終更新

2022.01.27

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Bitgetが代替手段に?Bybitが日本撤退で日本ユーザーの新規登録禁止

Bybitが日本ユーザーの新規登録停止を発表しました。Bybitの代替取引所としてはBitgetが挙げられ、Bybitと遜色ないサービスを利用できます。本記事では、Bitgetの特徴や海外取引所への規制動向などを解説します。
update2025.11.25 19:00

豪華なのに難しい?XMTradingが開催中のクリスマス入金ボーナスプロモーションは「アリ」なのか?

XMTradingで最大$25,000を獲得できる入金ボーナスキャンペーンが開催され注目を集めています。一見すると豪華なキャンペーンにみえますが、一般的な入金ボーナスとは条件が異なり、一部では条件が厳しいとの声もあります。本記事では、参加する価値のあるイベントなのかを説明します。
update2025.11.26 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

Vantage Tradingが年末トレード大会を開催!ランク外でも賞金獲得のチャンスあり

Vantage Tradingが、年末恒例となる大型トレード大会「年末ミリオンジャンボ2025」の開催を発表しました。今回のイベントでは副賞も用意されているので、ランク外でも賞金獲得のチャンスがあります。この記事では、参戦を検討しているユーザー向けに、各種条件やルールを説明します。
update2025.11.28 19:00

Exnessの乗り換え先としてXSはアリ?スペックを比較

取引環境の良さから玄人にも人気のExnessですが、最近は出金トラブルなどが発生しており、今後の取引環境に不安を抱くユーザーも増えています。本記事では、有力な乗り換え先であるXS.comと取引環境・条件を比較し、乗り換え先として相応しいかどうかを検討します。
update2025.11.20 19:00

Bybit P2P利用で銀行口座凍結・詐欺容疑者に?海外FXユーザーが知るべき巻き込まれリスクとは

Bybit P2Pを利用したユーザーが銀行口座凍結されたことに加え、詐欺容疑者として取り調べを受けたというSNS投稿が話題になっています。本記事では、話題となった投稿の内容や、海外FXユーザーがP2P取引の利用を避けるべき理由などを解説します。
update2025.11.12 19:00

Funded7で出金が認められない事例が増加?ルールの不透明さが原因か

Funded7で出金拒否に関する投稿がSNS上で増加しており、利用者の間で不安が広がっています。「利益が取り消された」「短時間取引が理由で無効になった」などの報告が投稿されています。当記事では出金拒否の原因を整理し、他のプロップファームとFunded7のルールを比較します。
update2025.11.21 19:00

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

SwiftTraderが資金難?SNSで出金トラブル報告が増加

2025年以降、SwiftTraderで出金拒否・遅延の報告がSNSで相次いでいます。本記事では報告されている出金トラブルのほか、GEMFOREXとの類似点やSwiftTraderをおすすめしない理由を説明します。
update2025.10.16 19:30

仮想通貨送金対応のBXONEは「使える」eウォレットなのか?海外FXユーザー目線で比較

仮想通貨対応オンラインウォレットとしてBXONEが一部の海外FXユーザーの間で注目されています。本記事では、BXONEが「使える」オンラインウォレットなのか海外FXユーザー目線で他社と比較します。
update2025.12.09 19:00
promotion promotion

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル