作成日
:2020.09.18
2021.08.31 15:31
インターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange, ICE)が手がける仮想通貨取引プラットフォームのBakktは、同取引所が提供する現物決済のビットコイン(Bitcoin)先物の日間取引量が過去最高を記録したことを報告した。
発表によると、Bakktにおけるビットコイン先物の取引量は今月15日だけで総額2億ドル、15,955枚に達し、7月28日に記録した最高日間取引量の11,706枚を36%上回ったという。これに関してICE Futures USの代表であるTrabue Bland氏は、現物決済のビットコイン先物の活発な取引がスポット市場の価格発見に貢献すると言及しており、同商品が仮想通貨市場で重要な役割を果たしていることを強調した。また、Bland氏はBakktの完全に規制された先物市場がポジション構築やリスク管理を目的とする投資家に役立てられていると述べた。
一方、BakktのCEOを務めるAdam White氏は、同取引所について次のようにコメントしている。
およそ1年前にBakktを立ち上げて以来、我が社は仮想通貨の普及を拡大し、その価値を引き出すことに尽力してきました。Bakktの先物契約は、機関投資家が利用することを念頭に設計されたものだが、その取引量とユーザー数の双方で成長が見られたことを喜ばしく思っています。
Adam White, CEO of Bakkt - Businesswireより引用
最近、BakktはGalaxy Digital Tradingと仮想通貨取引サービスを提供するなど、新しい取り組みを始めているが、これがどのような成果を上げるのか、今後も同取引所の動向を見守っていきたい。
release date 2020.09.18
今年8月初旬からビットコイン先物の未決済建玉が過去最高値を記録するなど、仮想通貨デリバティブ市場は活発な動きを見せている。これを受けてBakktのビットコイン先物取引量が増加し、日間1億3,000万ドルを超える水準に達したことを報告した。しかしながら、Bakktの市場シェアは120億ドル規模を誇る仮想通貨先物市場に対して僅か1.6%程度に留まっており、CMEやバイナンスなどの大手取引所に大きく差をつけられている状況だ。実際に過去最高を更新した今月15日の取引量でさえも、CMEよりも約30%低い水準にあるという。現在、仮想通貨デリバティブ市場にはこれらの競合他社に加え、OKExやDeribit、BitMEXなどの取引所が参入してきており、市場シェアを奪い合う争いが激化している。Bakktはプレゼンスを発揮することができるのか、今後もこれら企業の事業展開に注目していきたい。
作成日
:2020.09.18
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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