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Kraken、米ワイオミング州から銀行憲章を取得

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update 2021.08.31 15:31
Kraken、米ワイオミング州から銀行憲章を取得

update 2021.08.31 15:31

子会社のKraken Financialを立ち上げて銀行サービスを統合

米国の大手仮想通貨取引所であるKraken(クラーケン)が、ワイオミング州から特別目的預託機関(Special Purpose Depository Institution)【以下、SPDIと称す】としての憲章を取得し、Kraken Financialと呼ばれる子会社を通じて事業を開始することが明らかになった。[1]

発表によると、Kraken FinancialはKrakenのユーザーが支払いや給与受け取りから投資に至る、様々な分野で仮想通貨と法定通貨のシームレスな取引を可能にするという。Kraken Financialは、初期段階で米国居住者のみにサービスを提供し、米ドルベースの決済システムと仮想通貨の橋渡し的な役割を果たすことを目指している。従ってKraken Financialは、ワイオミング州のSPDI法や仮想通貨法に準拠して準備金規定および顧客保護基準を満たすだけでなく、連邦政府が課すマネーロンダリング防止(AML)やKYC(顧客確認)を厳守することが求められる。

Kraken FinancialのCEOであるDavid Kinitsky氏は、同社がSPDI憲章を得たことで銀行の決済インフラに直接アクセスできるようになり、よりシームレスな形で銀行サービスや資金調達オプションの統合が可能になったと言及している。また、Kinitsky氏はKraken Financialが10名から25名の部門責任者で組織を構成し、機関投資家向けのカストディサービスや仮想通貨決済のデビットカード、普通預金口座などの新しいサービスを立ち上げる可能性があると語った。現在、Krakenはサードパーティの銀行パートナーを介して様々なサービスを実現しているが、最終的にはKraken Financialがバックエンドで銀行機能を提供する予定だ。

最近、KrakenはCrypto Facilitiesを買収するなど、グローバル市場への事業展開に注力している。これに加え、日本でKrakenを運営するPaywardグループの現地法人であるペイワード社がJVCEAに加盟して市場参入の準備を整えているが、今後も同取引所の取り組みに注目していきたい。

release date 2020.09.18

出典元:

ニュースコメント

ワイオミング州のSPDI憲章が金融業界に多様性をもたらす可能性

現在、ワイオミング州は仮想通貨関連企業の需要に対応するため、仮想通貨銀行向けのライセンススキームを実現する包括的なフレームワークと監督プロセスを導入している。今年に入り、ワイオミング州の金融当局はSPDI憲章の申請受付を開始しており、ウォール街の要人でブロックチェーン擁護派のCaitlin Long氏が支援するAvanti(アバンティ)もSPDI憲章の取得を目指しているという。今年6月、ワイオミング大学基金(The University of Wyoming Foundation)主導の資金到達ラウンドで、Avantiは500万ドルの資金調達に成功し、仮想通貨銀行の開業に向けて大きく前進している状況だ。Long氏はワイオミング州のSPDI憲章が金融業界に多様性をもたらす可能性があると言及しているが、KrakenやAvantiを追従する仮想通貨関連企業は現れるのか、今後も同州での展開を見守っていきたい。


Date

作成日

2020.09.18

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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