作成日
:2019.02.05
2021.08.31 15:27
米国の大手仮想通貨取引所Krakenは、英国ロンドンの仮想通貨取引所およびインデックスプロバイダーであるCrypto Facilities Ltd(本社:25 Copthall Avenue, London EC2R 7BP, United Kingdom
)【以下、Crypto Facilitiesと称す】を数億ドル規模の資金を投じて買収したことを発表した。 この買収によって、Krakenは、ビットコインコア(Bitcoin Core)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、リップル(Ripple)、イーサリアム(Ethereum)などの通貨ペアを対象としたスポット取引や先物取引サービスを提供することが可能となり、同時に機関投資家の売上強化へもつながることが予測される。Crypto Facilitiesの買収に関し、KrakenのCEOであるJesse Powell氏は、同社の中核となるスポット取引やOTC(店頭取引)に付随するサービスの構築を促進する役割を担っていると述べている。Powell氏によると、Crypto Facilitiesのオペレーション機能をKrakenが統合することで、両社のユーザーは、共通のプラットフォームから幅広いサービスを利用できるようになるという。特に新しく提供される仮想通貨の先物取引サービスでは、6つの通貨ペアが取引可能となり、トレードやリスクヘッジなどの観点において、より柔軟で効率的な投資戦略が遂行できる存在となることを期待されている。この仮想通貨先物サービスは、米国内ではまだ利用が制限されている状態で、既に金融行動監視機構(Financial Conduct Authority)の承認を得ている英国とは対照的な扱いになっているようだ。
Krakenによる今回の買収は、同社では過去最大の規模となったと予測されているが、これについてPowell氏は、以下のようにコメントしている。
業界でも新しい仮想通貨を対象とした先物取引やインデックス商品を顧客に提供できることを嬉しく思います。今後数カ月間、我が社はサービスの強化と拡大に努め、2019年中には、トレーダーや機関投資家向けに提供できればと考えています。
Jesse Powell, CEO of Kraken - Kraken Blogより引用
一方、2015年に設立されたCrypto Facilitiesは、ビットコイン(Bitcoin)、ビットコインキャッシュ、リップル、イーサリアムなどの仮想通貨を対象としたデリバティブ取引サービスを個人および機関投資家向けに提供している。Crypto FacilitiesのCEOであるTimo Schlaefer氏は、強力で使いやすい、洗練された仮想通貨取引プラットフォームを構築することが同社のミッションと掲げており、Krakenに買収された後も引き続き同様の役割を担うことが決まっているという。Schlaefer氏は、Crypto FacilitiesとKrakenの協業が、価値あるサービスをユーザーへ提供するための土台となり、次世代の取引プラットフォームとしてのイノベーションが加速することを期待しているようだ。
以前よりPowell氏は、大口の投資家から1億ドル規模の資金提供を受ける可能性があることを米経済メディアのFortuneで伝えていたが、この大規模な買収に際して、遂にその投資ラウンドがクロージングに近づいていることを明かしている。
過去の投資ラウンドには、Hummingbird Ventures、Blockchain Capital、Digital Currency Groupなどが参加しており、詳細は明かされていないが、今回の投資には新しい企業も参加しているようだ。これらの投資の多くは米国外から流れ込んできたもので、Krakenは、投資を受けるために保有する株式の一部を譲渡したことが伝えられている。これまで、Krakenは、CoinsetterやCavirtex、Clecvercoinと言った仮想通貨関連企業を買収したことで、世界中に400万ものユーザーベースを抱える巨大取引所へと成長している。また、ウォレットサービスのGlideraやポートフォリオ管理プラットフォームのCryptowatchなども買収しており、着実に仮想通貨業界での存在感を強めている。今回のCrypto Facilitiesの買収は、2016年以来の試みで、Kraken史上最大の案件だと言われているだけに、世界中からその動向に注目が集まっているようだ。
release date 2019.02.05
2011年に設立されたKrakenは、米国のサンフランシスコに拠点を置く老舗取引所として確固たる地位を築いており、これまで欧米を中心に市場を拡大してきた。その成果もあって、2014年には、ユーロでの仮想通貨取引量が世界一を記録し、現在でも米ドルとユーロの組み合わせによる仮想通貨取引が、取引量全体の90%以上を占めている。競争が激化する仮想通貨市場において、Powell氏は、流動性の高い取引サービスの構築を望んでおり、仮想通貨取引のシェアを獲得することを優先しているが、英国の金融行動監視機構(The Financial Conduct Authority)に既に承認を受けているCrypto Facilitiesを買収できたことは、英国をはじめとする欧州市場へのアクセスを強化するという観点では大きなプラスとなったと考えられる。加えて、Krakenは、英国当局の管理下に置かれた初の仮想通貨先物取引プラットフォームとなったことで、機関投資家などの大口需要の獲得など、欧州市場における更なる躍進が期待されている。
作成日
:2019.02.05
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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