作成日
:2020.09.07
2021.08.31 15:32
クリプトバレーとして知られるスイスのツーク州は、2021年2月からビットコイン(Bitcoin)およびイーサリアム(Ethereum)による納税に対応することを発表した。
発表によると、ツーク州は企業および個人に対して10万フラン(約10万9,000ドル)を上限に仮想通貨による納税を許可するものの、部分的な支払いは受け付けない方針だという。ツーク州の州都であるツーク市は2016年から既に仮想通貨による納税に対応しており、現在もその制度を継続している。今回、ツーク州財務局は現地の仮想通貨関連サービス企業であるBitcoin Suisseと提携し、仮想通貨を法定通貨に変換するサポートを受ける計画だ。
このことに関してツーク州財務局のHeinz Tännle氏は次のようにコメントした。
クリプトバレーの中心地である我が州にとって、日常生活における仮想通貨の利用を促進し、簡素化することは重要な課題です。ビットコインおよびイーサリアムでの納税を可能にしたことは大きな一歩になると言えるでしょう。
Heinz Tännle, Finance Director of Zug - Swissinfoより引用
Bitcoin SuisseのCEOであるArthur Vayloyan氏は、取引技術と仮想通貨の組み合わせにより、ツーク州は納税者に優れたユーザーエクスペリエンスを提供できると言及している。ツーク州は今後数週間でのパイロットプログラムへの移行を計画しているが、この新しい納税スキームを確立できるのか、今後も同州の動きに注目していきたい。
release date 2020.09.07
仮想通貨市場を牽引するスイスでは、昨年、スイス議会が仮想通貨の規制案を可決するなど、フレームワークを明確化し、仮想通貨関連企業の取り組みを後押しする動きが生じている。実際に数多くのブロックチェーン関連企業がスイスで恩恵を受けており、400社を超える企業が登記されているツーク市だけでなく、チューリッヒやジュネーブ、ヌーシャテル、ウーリなどの行政区にも投資が流入してきているという。また、最近では大手オンライン銀行のスイスクォートがICO投資サービスを開始するなど、既存の金融業界から仮想通貨市場に参入する企業の活動も流動的になってきているようだ。これまで世界の金融センターとして確固たる地位を築いてきたスイスは、積極的に仮想通貨やブロックチェーン技術を取り込み、次なるイノベーションに向かって前進し始めているが、これがどのような結果を生むのか、今後も同国での展開を見守っていきたい。
作成日
:2020.09.07
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
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