作成日
:2020.08.18
2021.08.31 15:32
ナスダック(NASDAQ)に上場するマイニング企業であるMarathon Patent Group【以下、Marathonと称す】は、Bitmainからマイニング機器のAntMiner S19 Proを合計1万500台、2,300万ドルで購入する契約を結んだことを発表した。
今回の契約によって、Marathonは北米地域で最大のビットコイン(Bitcoin)マイナーのひとつとなり、ネットワーク全体におけるハッシュレートの約1.2%を占めるという。MarathonのCEOであるMerrick Okamoto氏は、この設備増強により同社が合計1万3,520台の次世代型マイニング機器を稼働し、1.55EH/s(エクサハッシュ/秒)のハッシュパワーを生成することになると言及した。また、Okamoto氏はBitmainから割引価格でマイニング機器を調達したことに触れ、Bitmainとの契約が設備投資のリスクを軽減すると同時に、ハッシュパワーの供給不足を解消すると説明している。
Marathonは1カ月前にもBitmainから660台のAntMiner S19 Pro、その競合のMicroBTから700台のASIC製品を購入している。これに加え、Marathonは別の契約で合計1,000台のAntMiner S19 Proを購入しており、9月から11月にかけての納品を待っている状況だという。これに関してBitmainのセールスディレクターであるIrene Gao氏は、Marathonとの契約が両社の協力体制を強化し、同社の事業を助けることになると述べた。
足元では、BitmainとMicroBTは新製品を市場投入したばかりにも関わらず、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受けて出荷スケジュールの変更を余儀なくされている。これがどのような影響をもたらすのか、今後も業界での動きに注目していきたい。
release date 2020.08.18
今年5月以降、仮想通貨コミュニティではビットコインの半減期がマイナーに深刻な影響を与える可能性があると危惧されていたが、主要なマイニング企業は無事に事業を継続させている。しかしながら、半減期を機にビットコイン価格の大幅な上昇を見込んでいた多くのマイニング企業が、予想以上の収益性の低下に苦しめられているという。特に中国では雨期で電力コストが安くなっているにも関わらず、中小規模のマイニング企業はランニングコストをカバーできずに施設の稼働を見合わせている状況だ。中にはBlockFiと提携したPoolinのように、マイニング分野以外の事業に活路を見出す企業も現れ始めている。このような状況下で、MarathonがBitmainと大きな契約を結んだことは驚きの出来事となったが、競合他社はどのような反応を示すのか、今後も仮想通貨市場での展開を見守っていきたい。
作成日
:2020.08.18
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
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