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DBS銀行、シンガポール政府と提携

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update 2021.08.31 15:32
DBS銀行、シンガポール政府と提携

update 2021.08.31 15:32

SingPassの顔認証システムを活用した実証実験を開始

シンガポール最大手の金融機関であるDBS銀行(本社:6 Shenton Way DBS Building Tower One Singapore 068809[1])は、シンガポール政府と協働して、ガブテック(Government Technology Agency of Singapore, GovTech)の一環として導入された共通認証システムである、SingPassの顔認証テクノロジーを活用したデジタルバンキングサービスの実証実験を開始した。[2]

SingPassは、国民がオンライン上で政府や民間のサービスを受ける際に用いる個人認証システムである。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受け、デジタルバンキングへの利用ニーズが高まる中、DBS銀行はオンラインでの登録・申し込みプロセスの簡素化を図るべく、同システムを活用した実証実験を開始したという。

DBS銀行のデジタルバンキングサービスの利用を望む顧客は、カードやPIN(Personal Identification Number)を用いることなく、シンガポール政府のバイオメトリクス認証データベースに保存された写真と一致するセルフィーによる認証登録が可能だ。ユーザーは認証後にSMSを受信し、クレデンシャル情報を登録する流れとなる。

DBS銀行は既に100名のシニア及び学生を対象にした実証実験を開始しており、ポジティブなフィードバックを得ているという。例えば、66歳のNancy Yeo氏は、申請プロセスを完了できるか不安なため、デジタルバンキング口座の申請を行っていなかったものの、新たな顔認証テクノロジーにより多くの悩みが解消されたと述べている。尚、同行では100万人以上の顧客がSingPassを利用している一方、デジタルバンキングサービスを利用しない顧客の内60%超は、62歳以上のシニア層になると見込んでいる。

今回の提携に際し、DBS銀行のコンシューマーバンキンググループヘッドを務めるJeremy Soo氏は以下のようにコメントしている。

新型コロナウイルス危機が、これまでに経験したことのない混乱を招く中、我々は広範な顧客層に対し、迅速にソリューションを提供するデジタルテクノロジーの活用の必要性が高まっていると強く認識しております。

Jeremy Soo, Head, Consumer Banking Group(Singapore), DBS - DBSより引用

尚、シンガポールはアジアの金融ハブとしての地位確立を目指し、様々な取り組みを強化している状況だ。例えば、MASがデジタル銀行ライセンス基準を満たす14社を選出し、同国金融市場の強靭性と競争力の維持に繋げる方針である。また、BNYメロンがMASとFX取引エンジンを開発する意向であるほか、MASがカナダ銀行とクロスボーダー決済の実証実験を成功している。

そして今回、DBS銀行がシンガポール政府と提携し、顧客の利便性向上に寄与するソリューションが提供されることで、更なる顧客満足度の向上が期待できそうだ。

release date 2020.08.03

出典元:

ニュースコメント

スマートネーション構想の実現を目指すシンガポール

シンガポール政府はデジタルテクノロジーを活用し、多岐にわたる課題の解決やQOL(生活の質)向上などを目指す、スマートネーション(スマートな国家)構想を推進している。同構想の実現を目指し、電子認証システムの導入や電子決済の拡大、安心・安全な街づくりに寄与するセンサープラットフォームの構築、政府によるデジタルサービスの推進を図るCODEXなどのプロジェクトが取り組まれている。その中で、電子認証システムの基盤となるのが2003年から導入されたSingPassである。一方、デジタルトランスフォーメーションで世界をリードするDBS銀行が、同システムの顔認証テクノロジーを活用したサービス提供を試みることになる。同行はユーロマネー(Euromoney)誌から2016年と2018年の2度にわたり、ワールドベストデジタルバンクを受賞したことに加え、2019年にはワールドベストバンクの称号を得ている。デジタルテクノロジーの活用を推進する両者がタッグを組むことで、国民生活がより快適なものになる革新的なソリューションが提供されることに期待したい。


Date

作成日

2020.08.03

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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