Select Language

MAS、デジタル銀行ライセンス基準を満たす14社を選出

MAS、デジタル銀行ライセンス基準を満たす14社を選出

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:32
MAS、デジタル銀行ライセンス基準を満たす14社を選出

update 2021.08.31 15:32

2020年末にライセンスを交付する予定

シンガポール金融管理局(Monetary Authority of Singapore)【以下、MASと称す】は6月18日、デジタル銀行ライセンスの申請を行った21件の中から、適格基準を満たす14社を選出したことを発表した。[1]

今回選出された企業は、デジタルフルバンク(Digital Full Bank)【以下、DFBと称す】ライセンスを申請した5社に加え、デジタルホールセールバンク(Digital Wholesale Bank)【以下、DWBと称す】ライセンスの申請を行った9社であったという。DFBは個人の資金を預かり、包括的な金融サービスが提供できるのに対し、DWBは中小企業(SMEs)を始めとする法人を対象としている。また、DFBはシンガポールに本社があり、シンガポール人が経営管理する企業が適格性を満たし、外国企業に関してはシンガポール企業とジョイントベンチャー【以下、JVと称す】を組み、そのJVが本社及び管理基準を満たす必要がある。一方のDFBは、全ての企業を対象としている。2020年1月、MASには21件のデジタル銀行ライセンスの申請があり、7件はDFB、14件はDWBを対象にしたものであったことを発表しており、2019年8月に公表した適格基準を満たすか否か全ての企業の審査を進めていた。

今後、MASは適格性を有する14社とバーチャルミーティングを行う見通しだ。同局は各企業のビジネスモデルや革新的なテクノロジーの活用、サステナブルなデジタル銀行業務の遂行能力、成長見通し及びシンガポール金融センターへの貢献といった項目に基づき候補者の絞り込みを行うという。2019年末に申請を受け付けて以降、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによりマクロ経済やビジネス環境が甚大な影響を受けているため、MASは全ての企業に対してビジネスプランと資金調達を含む財務状況を見直すと共に、これらに関して独立した審査を求めている。ただし、同局は2020年末にライセンスを交付するタイムスケジュールに影響を及ぼすようなビジネスプランの変更は要請していない模様である。

MASが最終的にいずれの企業にライセンスを交付するか、市場の注目が集まっている状況だ。

release date 2020.06.22

出典元:

ニュースコメント

強靭で競争力ある金融システムの構築を目指すMAS

MASはシンガポール金融市場の強靭性と競争力の維持に繋げるべく、ノンバンクの企業にも対象を広げた新たなデジタル銀行ライセンスを交付する計画だ。米国を拠点とするゲーム会社であるRazerがデジタル銀行ライセンスを申請しているほか、配車アプリ運営企業のグラブ(Grab)と通信企業シングテル(SingTel)のコンソーシアムや、三井住友海上火災保険が加わるグループなどがDFBライセンスを申請している。一方で、DWBライセンスには決済サービス大手のアント・フィナンシャル(Ant Financial)などが申請を行っている模様だ。尚、同局は最大2社にDFBライセンスを、最大3社にDWBライセンスを交付する予定である。他方で、MASはデジタル銀行以外にも様々な分野でグローバル金融機関と協働した施策を推進している。例えば、BNYメロンがMASとFX取引エンジンを開発する意向を明らかにしているほか、JPモルガンチェースもシンガポールでFX取引エンジンをリリースし、同局と協調してレイテンシーの縮小と透明性の高いプライシングの提供を試みている。今後も、世界中の投資家や企業を惹きつける魅力的な金融市場の構築に向けたMASの取り組みに注目したい。


Date

作成日

2020.06.22

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」を開催!入金&取引で豪華賞品をプレゼント

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」の開催を発表しました。本キャンペーンでは「Switch 2」のほか、豪華賞品が抽選でプレゼントされます。取引を重ねるごとに抽選権利がもらえる仕組みで、取引するほど当選確率がアップします。
update2025.07.16 19:00

Exnessでスワップフリーが突如剥奪されるバグ発生、対象者には補償予定

海外FX業者のExnessで突如スワップフリーが剥奪されたとするXの投稿が注目を集めています。Exnessはシステムのバグが原因と説明しており、スワップが発生したユーザーに対して補償する方針を示しています。
update2025.07.18 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル