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JPモルガンチェース、シンガポールで新FX取引エンジンをリリース

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update 2021.08.31 15:28
JPモルガンチェース、シンガポールで新FX取引エンジンをリリース

update 2021.08.31 15:28

4つのグローバル拠点で効率的なFX取引を実現

世界有数のFXプライムブローカーであるJPMorgan Chase & Co.(本社:270 Park Avenue New York, NY 10017)【以下、JPモルガンチェースと称す】は4月1日、顧客の注文執行の迅速化を図るべく、シンガポールにて新たなFX取引エンジンをリリースしたことを発表した。[1]

JPモルガンチェースにとって同取引エンジンは、ニューヨーク、ロンドン、東京に次ぐ4つ目の電子FX取引プラットフォームであり、シンガポールを含むそれぞれの拠点から効率的なFX取引を行うことができるようになったという。また、新取引エンジンはFX及び貴金属商品を包括的にカバーしており、シンガポール金融管理局(Monetary Authority of Singapore)【以下、MASと称す】のサポートを受けリリースに漕ぎつけたとのことだ。MASにとってJPモルガンチェースとの提携は、シンガポールをグローバルFXプライシング・リクイディティセンターへと発展させる戦略的イニシアチブの一環である模様だ。

2019年8月末、JPモルガンチェースはシンガポールで新FX取引エンジンを投入する方針を明らかにしていた。その際、同社のアジア通貨・新興市場トレーディング部門ヘッドを務めるSudhanshu Sanadhya氏は、同国は長年にわたりアジアパシフィック【以下、APACと称す】地域におけるFXハブとしての地位を確立しており、MASとの提携を通じて、レイテンシーの縮小と透明性の高いプライシングを提供していくとコメントしている。一方MASは、複数のトップクラスのグローバル金融機関が、シンガポールで電子取引及びプライシングエンジンを構築していることは、同国がグローバルFXセンターとしての地位を確立している証拠であると考えられるという。また、アジア市場では効率的なプライシングエンジンを利用したFX取引需要が拡大しており、JPモルガンチェースが低レイテンシーを実現させるコネクティビティサービスを提供することは、アジアの多くの市場参加者にメリットをもたらすであろうとコメントした。

Sanadhya氏は、今回リリースしたFX取引エンジンがシンガポールにおける取引量の拡大に寄与すると見ているようだ。また、市場ボラティリティが過去最高水準に上昇するなか、APAC地域のFXハブであるシンガポールで、グローバルプライシング及びリクイディティ機能を提供することを喜ばしく思うと発言している。新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受け、金融市場が混乱するなか、高機能が付帯された取引エンジンをリリースしたJPモルガンチェースの今後の顧客取引動向に注目したい。

release date 2020.04.03

出典元:

ニュースコメント

激化するFX取引プラットフォームの開発競争

フィンテック企業を始めとする新たなプレーヤーが市場に参入するなか、金融サービスプロバイダー間の顧客獲得競争は熾烈を極めている。各社とも顧客の関心を惹きつける様々なサービスを生み出しているが、その中でも競合他社と明確な差別化を図るツールになり得るものの一つが取引プラットフォームだ。そのため、多くの企業が顧客ニーズに即した高機能な取引プラットフォームの開発を急いでいる。今回のJPモルガンチェース以外にも、米国でズールトレードがコピートレードプラットフォームをリリースしたほか、Kxが三井住友銀行にe-FXプラットフォームを提供した。さらに、ユーロネクストFXがシンガポールでFXマッチングエンジンをリリースし、コネクティビティ及びトレーディングエクスペリエンスの改善を模索している。足元では新型コロナウイルスの影響を受け金融市場が不安定化しているが、各金融サービスプロバイダーによる、トレーダーの利便性向上に繋がる画期的な取引プラットフォームの開発に期待したい。


Date

作成日

2020.04.03

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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