作成日
:2020.04.02
2021.08.31 15:28
欧州最大級の仮想通貨取引所であるBitstamp Ltd.【以下、Bitstampと称す】は、ステーブルコインを含む7種類の仮想通貨を新しくサポートすることを発表した。
発表によると、Bitstampはベーシックアテンショントークン(Basic Attention Token)およびイーサリアムクラシック(Ethereum Classic)、パクソス(Paxos Standard)、USDコイン(USD Coin)、ステラ(Stellar)、ジーキャッシュ(Zcash)、ゼロエックス(0x)をサポート対象に追加するという。Bitstampはこれらの仮想通貨が法律や規制に準拠すると同時に、テクノロジーおよびコンプライアンス面で安全性を確保できると考え、ユーザーの要望に応える形で取り扱いを開始することを決定している。しかしながらリスティング作業に問題が生じる可能性があるため、Bitstampはこれら仮想通貨の上場が約束されているわけではないと言及した。
今年9周年を迎えるBitstampはこれまでハッキングや出口詐欺に悩まされてきたが、現在、仮想通貨市場全体で61位となる1億2,000万ドル相当の日間取引量を記録している。最近、Bitstampは仮想通貨カストディプロバイダーのBitGoをパートナーに加えており、サービスの安全性を向上させることに注力しているようだ。先月、BitGoは保険で1億ドル以上の損失に対応し、内部関係者による仮想通貨の盗難や暗号鍵の紛失などの補償を実現した。
2016年にルクセンブルクで決済業者(Payment Institution)としてライセンスを取得して以来、Bitstampは欧州初の完全に規制された取引所として事業を拡大することに成功している。また、Bitstampはニューヨーク州金融サービス局(The New York State Department of Financial Services)からBitLicenseを取得し、米国の仮想通貨市場にも進出しているが、今後も同社の取り組みを見守っていきたい。
release date 2020.04.02
現在、Bitstampはシルバーゲート銀行と提携してSEN(Silvergate Exchange Network)レバレッジなどの新製品のローンチを推し進めており、積極的に仮想通貨関連事業を展開していようだ。また、Bitstampは欧州市場から世界中に事業を拡大することを念頭に、アジア太平洋地域への進出も視野に入れてその活動を継続しているという。先日、シンガポールではMASが仮想通貨取引所向けの救済措置実施を決定し、特定の企業がライセンス無しで運営することを許可されているが、Bitstampもその対象に含まれていることが明らかになった。これに加え、Bitstampは前JPモルガンチェースの重役でアジア地域の金融市場に精通したAndrew Leelarthaepin氏を組織に取り込み、この動きを本格化させる構えを見せているが、今後も同取引所のグローバル市場での躍進に期待したい。
作成日
:2020.04.02
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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