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Prime Factor、全ての事業を閉鎖することを決定

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update 2021.08.31 15:32
Prime Factor、全ての事業を閉鎖することを決定

update 2021.08.31 15:32

機関投資家からの需要が不十分だったことが影響

仮想通貨ヘッジファンドであるPrime Factor Capital Ltd.(本社:71-75 Shelton Street, London, WC2H 9JQ, UK[1])【以下、Prime Factorと称す】が、全ての事業を閉鎖したことが明らかになった。[2]

2017年に設立されたPrime Factorは英国で初めてFCAから認可を受けた仮想通貨ヘッジファンドとして注目を集めた。Prime Factorは1億ユーロ以上の資産を運用することを許可されていたものの、投資市場から資金が集まらず、事業を閉鎖することを余儀なくされたという。これに関してPrime FactorのCEOであるNic Niedermowwe氏は、同社のファンドが月平均4%を超えるパフォーマンスを達成したにも関わらず、機関投資家からの需要が十分ではなかったと言及している。

年初から仮想通貨市場は大幅な回復が見込まれていたが、コロナショックの影響で、ビットコイン(Bitcoin)を始めとする主要な仮想通貨の価格が暴落するなど、未曾有の事態に見舞われている。特に今年3月は過去5年間で2番目に過酷な月となっており、仮想通貨ヘッジファンドは平均27%の損失を計上した。このように仮想通貨市場が安定性を保てないことを理由に、昨年だけで70社以上の仮想通貨ヘッジファンドが閉鎖に追い込まれているようだ。

仮想通貨価格が低迷してICO(イニシャルコインオファリング)の衰退以降、仮想通貨市場における個人投資家の影響力が弱まり、仮想通貨ヘッジファンドに対する期待が高まっている。大手コンサルティングファームであるPwCの報告によると、Prime Factorとは対照的にコロナ禍でも躍進する仮想通貨ヘッジファンドも数多く存在するようだが、今後もこれら企業の動向に注目していきたい。

release date 2020.07.24

出典元:

ニュースコメント

ポートフォリオにビットコインを採用する投資家

最もメジャーな仮想通貨であるビットコインは、金と似た性質を持つことからデジタルゴールドと呼ばれ、投資家の間では広く投資ポートフォリオに採用されるようになっている。その優位性に関しては、大物ヘッジファンドマネージャーであるByrne Hobart氏も認めており、同氏はビットコインに投資することがスタンダードになりつつあると言及した。事実、先月に米抗議デモの際もビットコイン価格は高騰し、約1カ月ぶりに1万ドルの大台を記録したという。これは投資家が既存の金融資産のリスクヘッジを試みた結果だと考えられており、ビットコインが安全資産として機能したひとつの例だと言えるだろう。現在、ビットコインの時価総額は1,000億ドルを超える規模にまで成長し、金融業界や個人投資家が無視できないほどの影響力を持ち始めているが、仮想通貨市場はどのように偏移していくのか、今後もその展開を見守っていきたい。


Date

作成日

2020.07.24

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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