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米抗議デモの暴徒化でビットコイン価格が高騰

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update 2021.08.31 15:32
米抗議デモの暴徒化でビットコイン価格が高騰

update 2021.08.31 15:32

約1ヶ月ぶりに1万ドル台の大台に復帰

現在、米国ではミネアポリス警察によるGeorge Floyd氏殺害に対する抗議デモが暴徒化しているが、この危機を受けてビットコイン(Bitcoin)価格が約1カ月ぶりに1万ドルの大台に復帰した。[1]

今月1日深夜頃、ビットコイン価格はおよそ30分間で短期的にボラティリティが増し、9,895ドル付近の価格帯から1万429ドルにまで一気に上昇したという。その後、ビットコイン価格は落ち着きを取り戻しており、現時点では1通貨あたり1万191ドル前後で取引されている。このビットコイン価格の高騰は、バイナンスおよびBitstampの大手仮想通貨取引所で取引量が急増したタイミングと一致し、コインベースでの一時的なサービス停止などのトラブルも巻き起こしているようだ。

これまでビットコン価格は、32日間にわたって8,600ドルから1万ドルのレンジを推移していたが、トレーダーが強気なテクニカル指標に反応し、心理的な壁となっていた節目の抵抗線を突破するに至った。Orthogonal TradingのCIO(Chief Investment Officer)であるJoshua Green氏は、イーサリアム(Ethereum)価格が一足先に高騰したことを受け、ビットコイン価格もそれに続いて上向きにブレイクアウトする可能性があると指摘している。また、Green氏はマクロ環境やファンダメンタルズは非常に強気であると説明したものの、1万ドルを超えて売り戻しの兆候が見られるとの懸念も示した。

ビットコイン価格の上昇は他の仮想通貨にも好影響を与えており、イオス(EOS)やカルダノ(Cardano)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、ライトコイン(Litecoin)などは24時間で約5%上昇している。今年3月、ビットコイン価格が過去最大級の下げ幅を記録するなど、仮想通貨市場が未曾有の事態に見舞われただけに、同仮想通貨価格の復調は投資家にとっても明るいニュースになると言えるだろう。

release date 2020.06.03

出典元:

ニュースコメント

安全資産としての真価が問われるビットコイン

ビットコインは金のような安全資産としての特性を持つことからデジタルゴールドと呼ばれており、有事の際には価格が短期間で高騰するケースが幾度となく確認されている。最近では新型コロナウイルスの流行でビットコイン価格が上昇するなど、世界的なパンデミックの発生で米国の主要な株式インデックスが急落した不安感から、一時的に需要が集中する局面もあった。しかしながらその値動きは既存の投資市場に完全に連動しているわけではなく、昨年10月には、米不況で金が高騰もビットコイン価格は横ばいな動きを見せており、安全資産としての信頼性がそれほど高くないことが露呈した。それでも仮想通貨コミュニティではCircleのCEOであるJeremy Allaire氏を始めとする著名人がビットコインのデジタルゴールド理論を支持し、ポートフォリオに同仮想通貨を組み込むことがリスクヘッジにつながるとの認識が確立されつつある。投資家はこれをどう判断するのか、今後も仮想通貨市場の動向に注目していきたい。


Date

作成日

2020.06.03

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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