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FCA認可の仮想通貨ヘッジファンドが誕生

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update 2021.08.31 15:26
FCA認可の仮想通貨ヘッジファンドが誕生

update 2021.08.31 15:26

機関投資家向けの商品が取り扱い可能となる

ロンドンを拠点とする投資運用会社のPrime Factor Capital Ltd.(本社:71-75 Shelton Street, London, WC2H 9JQ, UK[1])【以下、Prime Factorと称す】は、英国の金融監督当局である英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】から承認を受けた初の仮想通貨ヘッジファンドとなった。[2]

これによりPrime Factorは欧州連合のAlternative Investment Fund Manager【以下、AIFMと称す】ルールの対象となるため、機関投資家向けの商品など1億ユーロを超える資産の管理を行うことができる。これまで機関投資家による仮想通貨投資は増加傾向にあったものの、規制が緩い仮想通貨市場のリスクや詐欺的な仮想通貨ファンドの存在を恐れ、今年4月時点で機関投資家の仮想通貨保有量は全体の7%未満であるとの調査結果も発表されている。このような状況の中、今回のFCAによる判断は、業界の流れを変える重要な試金石となることが予想されるだろう。また、プレスリリースの中でPrime Factorは、独立したファンドの監視や資産所有権の検証、キャッシュフローの確認スキームを提供し、投資家保護の取り組みに力を入れていることを強調した。

FCAの承認を受けたことに対して、Prime FactorのCEOであるNic Niedermowwe氏とCOOであるAdam Grimsley氏は、それぞれ以下のようにコメントした。

不適切な運用基準や詐欺事件ばかりが取り上げられてきた仮想通貨市場において、世界で最も認知されている監督機関であるFCAの承認を受けることは重要な意味を持ちます。投資家は利益だけでなく、責任を持って最善を尽くす信頼できるファンドマネージャーが必要なのです。

Nic Niedermowwe, CEO of Prime Factor - Prime Factor Capital Ltd.より引用

仮想通貨投資が規制の範囲外となっていることは問題だと言えるでしょう。AIFMからはその他の多くの要件に加えて、透明性の向上や情報の開示、報告義務などが求められております。我社がFCAから承認を受け、機関投資家向けのサービスを提供できることを嬉しく思います。

Adam Grimsley, COO of Prime Factor - Prime Factor Capital Ltd.より引用

2017年に設立されたPrime Factorは、仮想通貨分野を専門とし、2年という短い期間で機関投資家向けのサービス確立に成功した。Prime Factorの経営陣には、BlackrockやLegal & General、ゴールドマンサックス、ドイツ銀行などの大手企業出身の優秀な人材が在籍し、富裕層の個人や一族経営の事務所などの顧客を獲得している。仮想通貨を取り扱うヘッジファンドの競争は激化しているものの、今の所Prime FactorがFCAに承認された唯一の企業となっており、今後しばらくはこの分野をリードする立場となるだろう。

release date 2019.07.08

出典元:

ニュースコメント

拡大する仮想通貨ヘッジファンドの影響力

大手コンサルティング企業のPwCによると、世界には既に150社もの仮想通貨ヘッジファンドが存在し、仮想通貨が登場した頃に比べると、その存在は投資家にとっても決して珍しいものではなくなっている。これらヘッジファンドの60%は1,000万ドル以下の資産を管理しており、上位10%以下でも5,000万ドル程度となっているが、市場全体で見ればその総計は10億ドルにも達する。既存のヘッジファンドと比較するとまだまだ小規模だと言えるが、仮想通貨市場でもその影響力は着実に強まりつつあるのが現状だ。仮想通貨ヘッジファンドの中には、アルゴリズム取引を用いて利益を上げるものも存在し、フラッシュクラッシュや大幅な価格変動を引き起こした例も度々報告されている。仮想通貨ヘッジファンドへの扉を開いた英国および欧州や、仮想通貨トレーダーが集中する米国では、この傾向が継続すると考えられるが、今後もPrime Factorおよびその他ヘッジファンドの動きを見守っていきたい。


Date

作成日

2019.07.08

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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