Select Language

BSP総裁が独自仮想通貨の発行に対する方針を発表

BSP総裁が独自仮想通貨の発行に対する方針を発表

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:26
BSP総裁が独自仮想通貨の発行に対する方針を発表

update 2021.08.31 15:26

数年間精査を続け最終的な判断を下す

フィリピンの中央銀行であるBangko Sentral ng Pilipinas【以下、BSPと称す】は、独自の仮想通貨を発行することに否定的な立場を示し、今後は仮想通貨市場を注意深く監視していくとの方針を明らかにした。[1]

報道によると、BSP総裁のBenjamin Diokno氏は先月末、国際決済銀行(Bank for International Settlements)の関係者と対談し、今回発表された方針を固めたという。Diokno氏は、ビットコイン(Bitcoin)やその他仮想通貨がテロ資金供与などの犯罪に利用される可能性があることを懸念すると同時に、そのボラティリティの高さから現実的な決済手段となり得ないと考えているようだ。

一方、Diokno氏はイノベーションに対してオープンな環境を提供する重要性を訴えており、今後数年間での仮想通貨の発展を見守る必要があるとの姿勢を示した。これまでもBSPはパートナー銀行であるユニオンバンクを通してフィリピン国内初の仮想通貨ATMを設置するなど、新技術に対して寛容な政策を行って来た経緯がある。また同氏は、Facebookが発表した仮想通貨プロジェクトのリブラに関しても触れており、同社が送金市場を再建することに加えて、世界各国の中央銀行の役割に影響を与える可能性があると言及している。

BSPの金融テクノロジー監督部門は、仮想通貨の取引高は2017年の1億8,918万ドルから約2倍の3億9,037ドルまで増加しているとの調査結果を公開した。これに対してBSPは、仮想通貨市場を統制するためのフレームワークを提供し、ICO(イニシャルコインオファリング)規制などの導入を実現している。仮想通貨市場の拡大も順調に進んでおり、先週、BSPが新たに仮想通貨取引所11社の営業を許可したのに併せて、他の取引所37社が政府のサンドボックスとして機能するCagayan Economic Zone Authority(CEZA)の承認を受けたばかりだ。

成長著しいフィリピンでは今後もダイナミックな変革が行われることが期待されるが、果たしてどのような展開を見せるのか、同国の仮想通貨市場の行方に注目していきたい。

release date 2019.07.08

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨導入で犯罪減少の可能性

2016年の調査によると、フィリピンでは国内の犯罪件数が増加の一途を辿っており、その件数は東南アジア諸国の中では断トツのトップになっているという。特に反社会勢力による違法取引やマネーロンダリングなどが横行し、フィリピン政府の悩みの種となっているが、これらの問題はブロックチェーンをベースとした仮想通貨を導入することで解決に向かう可能性があると期待されている。一般に公開されているビットコインやイーサリアム(Ethereum)などのパブリックブロックチェーンは、送金額や送金先アドレスなどのトランザクション履歴を保有しており、それを分析することで犯罪に関与した資金の流れを徹底的に追うことが可能となっている。最近では、大手仮想通貨取引所のコインベースがブロックチェーン分析企業を買収し、高度なコンプライアンス体制を整えた事に代表されるように、パターン分析を実現するソリューションを展開し、各国政府にその実績を高く評価される企業が出現している。フィリピン政府は今後数年間の仮想通貨を巡る動向を慎重に見極める構えを示しているが、どのような判断を下すのか、その動向を見守っていきたい。


Date

作成日

2019.07.08

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」を開催!入金&取引で豪華賞品をプレゼント

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」の開催を発表しました。本キャンペーンでは「Switch 2」のほか、豪華賞品が抽選でプレゼントされます。取引を重ねるごとに抽選権利がもらえる仕組みで、取引するほど当選確率がアップします。
update2025.07.16 19:00

Exnessでスワップフリーが突如剥奪されるバグ発生、対象者には補償予定

海外FX業者のExnessで突如スワップフリーが剥奪されたとするXの投稿が注目を集めています。Exnessはシステムのバグが原因と説明しており、スワップが発生したユーザーに対して補償する方針を示しています。
update2025.07.18 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル