Select Language

機関投資家による仮想通貨投資が増加

機関投資家による仮想通貨投資が増加

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:22
機関投資家による仮想通貨投資が増加

update 2021.08.31 15:22

仮想通貨を新たな資産クラスと位置づけ

Morgan Stanley(本社:1585 Broadway, New York, NY 10036, United States[1])【以下、モルガン・スタンレーと称す】が公表した最新のレポートで、機関投資家による仮想通貨投資が急増していることが明らかになった。

モルガン・スタンレーは、今月31日に「Bitcoin Decrypted: A Brief Tech-in and Implications」という報告書のアップデート版を公開し、過去6ヶ月間のビットコイン市場のトレンドを報告している。その中で特出すべきなのは、機関投資家がビットコインや他の仮想通貨をデジタルキャッシュと定義し、有効な決済システム、また新たな投資対象となる資産クラスとして信頼を寄せ始めているということだ。この傾向は、1年ほど前から強まっており、ヘッジファンド、ベンチャーキャピタル、プライベートエクイティ企業などが保有する仮想通貨の資産額は、2016年1月には71億1,000万ドルに達し、増加傾向にあるという。更に報告書では、投資信託大手フィデリティインベストメンツによる新しい機関投資家向けの仮想通貨サービス部門の立ち上げや、機関投資家向けの取引所Seed CXやBitGo、またBinanceの設立、コインベースの直近の資金調達ラウンドなど、大手金融機関が市場に進出し始めている点を指摘している。

また、この報告書では、今何かと話題になっているステーブルコインやその類の仮想通貨についての調査結果も纏められている。調査結果では、ビットコインとテザー(Tether)との通貨ペアでボラティリティが上昇していることが指摘されており、多くの取引所で法定通貨での取引よりも仮想通貨同士の取引が行われていることが要因となっているようだ。その裏付けとして、昨年はビットコインの半分が、他のデジタル資産を取引するために利用されていることが明らかになっている。また、一方でテザーが対ビットコインの取引量を伸ばしているという事実もあるが、これは、投資家が高い手数料が課せられる銀行取引を回避していること、また下落傾向にあるビットコインや他の仮想通貨の代替として米ドルに近い価値を持つテザーへの需要が相対的に増加していることが原因となっているようだ。仮想通貨業界では、独自のステーブルコインを開発することがトレンドとなりつつあるが、存続するためには、低い取引コストと高い流動性、明確な運用スキームが必要になるという。

今回の調査では、規制当局の曖昧な対応や公正な資産管理ルールの欠如、業界に大手金融機関が存在しないという市場環境の問題、ハッキング被害や度重なるハードフォーク、ビットコインよりも安価なソリューションの登場、高いボラティリティなどの技術的な問題などにも言及されており、モルガン・スタンレーは仮想通貨市場の現状にも課題を呈している。

release date 2018.11.01

出典元:

ニュースコメント

金融業界が注目する仮想通貨市場

今年9月にモルガン・スタンレーはプライスリターンスワップという仮想通貨を対象とした投資商品のローンチを計画していることが報じられているが、米国では、モルガン・スタンレーだけではなく、多くの金融企業が大口の企業向けに仮想通貨関連商品を提供することに興味を示している。米国内では、証券を証券取引委員会(SEC)が、また先物やスワップなどのデリバティブ商品全般を米商品先物取引委員会(CFTC)が監督することになっており、後者の仮想通貨に関する対応は非常に寛容的だ。特にデリバティブは複雑なリスクを抱えているため懸念すべき点もあるが、今では、デリバティブ商品への投資は、1000兆ドルもの大きな資産が動くことから、金融業界のメインエンジンとなっていることは明らかである。これを考慮すれば、米国金融界のデリバティブ商品の開発や仮想通貨市場への参入の流れは当分続くことが予想される。


Date

作成日

2018.11.01

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」を開催!入金&取引で豪華賞品をプレゼント

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」の開催を発表しました。本キャンペーンでは「Switch 2」のほか、豪華賞品が抽選でプレゼントされます。取引を重ねるごとに抽選権利がもらえる仕組みで、取引するほど当選確率がアップします。
update2025.07.16 19:00

Exnessでスワップフリーが突如剥奪されるバグ発生、対象者には補償予定

海外FX業者のExnessで突如スワップフリーが剥奪されたとするXの投稿が注目を集めています。Exnessはシステムのバグが原因と説明しており、スワップが発生したユーザーに対して補償する方針を示しています。
update2025.07.18 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル