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ビットコイン、半減期後に平均取引手数料が91%低下

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update 2021.08.31 15:32
ビットコイン、半減期後に平均取引手数料が91%低下

update 2021.08.31 15:32

今年4月以来の安値を更新する水準に到達

ビットコイン(Bitcoin)の平均取引手数料は、5月20日の6.56ドルから6月14日の0.56ドルまで約91%低下し、半減期前の今年4月以来の安値を更新する水準に達している。[1]

過去数日間でビットコイン価格は9,930ドルから9,160ドルまで下落したが、同仮想通貨の取引手数料もこれに同調する形で継続的に低下しているという。ビットコイン価格と取引手数料の間に長期的な相関性があるわけではなく、同価格は取引手数料が最も高かった5月20日に9,685ドル、取引手数料が減少した6月2日に1万100ドルを記録している。一方、平均取引手数料は4月28日時点で0.66ドルだったものの、半減期の数週間前から著しく増加しており、5月1日までにその値はおよそ5倍の2.84ドルに達した。

ビットコインの取引手数料はネットワーク上でのトランザクションが増加した際に上昇する傾向があるという。ビットコインネットワークは1秒あたり3.3件から7件のトランザクションしか処理できないため、トランザクション量が多いとバックログが積み上がり、必然的にMempoolサイズ(承認待ちトランザクションの合計容量)が拡大すると同時に、取引手数料が上昇するようになっているようだ。実際に大手デリバティブ取引所であるBitMEXのトランザクションがビットコインの手数料増加を招いているとの報告もある。

Messari CryptoのアナリストであるRyan Watkins氏は、ビットコインネットワークにおける取引手数料が下落し続けている一方で、イーサリアム(Ethereum)の取引手数料が急騰し、数日間、ビットコインの水準を上回ったことを指摘している。これまでイーサリアムの取引手数料がビットコインを上回ることは度々観測されたが、直近ではICO(イニシャルコインオファリング)が大流行した2018年が最後の機会となっていた。このことからビットコインの取引手数料が下がりすぎだとの見方もできるが、仮想通貨コミュニティはどのような反応を示すのか、今後もこれら仮想通貨の動向を見守っていきたい。

release date 2020.06.17

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨市場で独自性を発揮するイーサリアム

これまで仮想通貨市場は常にビットコインの動きに左右されてきたが、近年、主要な仮想通貨が独自性を発揮し始めているようだ。特にイーサリアムはその汎用性の高さを活かし、ICOプラットフォームとして様々なトークンを発行するだけでなく、同ブロックチェーン上での分散型アプリ(DApps)開発を積極的に促進しているという。最近ではテストネットのローンチを発表したFilecoinなどの大型プロジェクトが次々と立ち上げられており、益々の発展を遂げている状況だ。このような事実を背景にイーサリアムのトランザクション数は過去10カ月の最高水準に到達し、それに伴って同仮想通貨の価格も急騰している。イーサリアムはスケーラビリティの問題を抱えており、より効率的なシステムを構築するためにイーサリアム2.0への移行を見据えているが、これがどのような結果を招くのか、今後も仮想通貨市場での展開に注目していきたい。


Date

作成日

2020.06.17

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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