Select Language

CFTC元会長、下院公聴会でデジタルドルの重要性を示唆

CFTC元会長、下院公聴会でデジタルドルの重要性を示唆

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:33
CFTC元会長、下院公聴会でデジタルドルの重要性を示唆

update 2021.08.31 15:33

景気刺激策としても効果を発揮する可能性があると提言

米商品先物取引委員会(Commodity Futures Trading Commission, CFTC)の元会長でデジタルドルプロジェクトのディレクターを務めるJ. Christopher Giancarlo氏は、下院の金融サービス委員会(House Financial Services Committee, FSC)が主催した公聴会で米ドルのトークン化を実施すべきだとの意見を述べた。[1]

以前からGiancarlo氏は景気刺激策の給付金をデジタルドルで配布すべきだと指摘していたが、今回、米国が世界の金融システムを主導する立場を守りたいのであれば、デジタルドルの発行が必要であると言及した。また、Giancarlo氏は何千万人もの国民が小切手による給付金の受け取りを1カ月以上待っている現状に触れ、既存の口座ベースの金融システムと並行して次世代のテクノロジーの利用を模索すべきだとの見解を示している。一方、Electronic Transactions AssociationのCEOであるJodie Kelley氏は、国民に対する給付の緊急性に焦点を当てた議論を展開しており、年間8.5兆ドル以上の決済を処理するプリペイド式デビットカードやPayPal(ペイパル)、VenmoなどのP2P(ピア・ツー・ピア)アプリも利用可能なことを明示した。Kelley氏によると、特にプリペイド式デビットカードはスマホも不要で低所得者への支払いに適した方法だという。

カリフォルニア大学アーバイン校(University of California Irvine)法学部教授のMehrsa Baradaran氏は、ブロックチェーンの利用が時期尚早であると語った。Baradaran氏は問題が金融包摂であることを強調し、米郵便公社(U.S. Postal Service)と連邦準備銀行(Federal Reserve Bank)【以下、FRBと称す】が協力して地方に支店を開設することも可能だと説明した。これに加えてヴァンダービルト大学(Vanderbilt University)法学部教授のMorgan Ricks氏は、FRBが消費者に直接提供する銀行口座であるFedAccountがあれば、トークン化しなくともデジタルドルの発行を実現できると言及している。FRBが大手金融機関や政府機関に銀行サービスを提供していることからもわかるように、FedAccountの設定は理論的に可能であり、当局はFedWireシステムを通じたリアルタイム決済を行うこともできるという。

この公聴会の中で下院議員のPatrick McHenry氏は、Giancarlo氏にトークン化されたデジタルドルがどのように金融包摂と助成金の分配に役立つかの説明を求めた。これに対してGiancarlo氏はインターネットやモバイルデバイスへのアクセスが新たな障壁になる可能性を認めたものの、それを解決することで銀行サービスの利用が限りなくシンプルかつ容易になると同時に、より多くの人々を金融システムに取り込むことができると主張している。公聴会前にAccentureのDavid Treat氏は一部のステークホルダーが段階的な変更にしか対応できない可能性があると述べ、金融システムを近代化するために認識を改める必要があることを指摘しているが、米政府はどのような方針を示すのか、今後も同国での動きに注目していきたい。

release date 2020.06.16

出典元:

ニュースコメント

CBDC発行で米政府の判断に注目が集まる

今年初めに中国政府が暗号法を施行して以降、世界各国でCBDCに関連する研究開発が活発に行われるようになってきている。米国ではVISAが新技術の特許を申請するなど、民間企業の間でもCBDC開発に向けた具体的な動きが見られる。米議会では新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大による景気後退などを背景に、デジタルドル活用に向けた議論が流動的になってきているが、有識者の中にはこれが既存の金融システムのリスクになると強く論じる者も存在するようだ。実際に日銀副総裁はCBDCが日本のメリットになり得ないとの考えを示しており、金融インフラが発達した先進国ではそれが逆に安定性を脅かす要因になると主張している。しかしながらCBDCが世界経済や金融システムにもたらすポジティブな影響も考慮しなければならないだけに、各国政府にとっては覇権国家である米国の判断が重要な指標になってくると言えるだろう。


Date

作成日

2020.06.16

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXにおける国内銀行送金のリスクが高まっており、海外FXユーザーは入出金手段の見直しを迫られています。そんな中、代替手段として注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXとの仮想通貨入出金の方法や送金ルート、注意点などを解説します。
update2026.06.02 19:00

「海外FXは終わり」は誤解!規制後もトレードを続けるには

海外FXが終わりといわれている背景には法改正によるクロスボーダー収納代行規制があります。たしかに規制によって国内銀行送金による入出金は難しくなるとみられていますが、海外FXというサービス自体が終わるわけではありません。本記事では、今後も海外FXを使い続けるために最低限やっておくべき準備について解説します。
update2026.06.01 19:00

【朗報】XMが国内銀行送金の「負け越し出金問題」についに対応!入金履歴リセットを実施

XMTradingが国内銀行送金などの入金履歴をリセットする特別措置の実施を発表しました。これにより、過去の銀行入金分も仮想通貨(暗号資産)など別ルートでの出金が可能になりました。本記事では、今回のリセット措置について解説するとともに、7月1日以降の入出金に関する注意点をお伝えします。
update2026.07.02 19:00

HFMへ仮想通貨入金してみた!早い・安い・簡単の三拍子ルートを検証

HFMへ早く・安く・簡単に仮想通貨入金するならXRPがおすすめです。実際の操作画面の画像付きで最短1分・手数料数十円の入金方法を分かりやすく解説します。リアルな感想もぜひ参考にしてください。
update2026.04.16 19:00

【噂通り狭い?】HFM KATANA(カタナ)口座のスプレッドを徹底計測

HFM(エイチエフエム)のKATANA(カタナ)口座は噂通り低スプレッドなのか徹底的に調査しました。キャッシュバックやスリッページ込みの実質コストまでを考慮して、20以上の銘柄や海外FXブローカーと比較しています。
update2026.07.07 19:00

【独自調査】主要海外FX業者の規制への対応状況まとめ|国内銀行送金が止まっても出金できるか確認してみた

2026年6月に改正資金決済法が施行されたことで、今後は国内銀行送金が徐々に難しくなってくるとみられています。こうした背景から、一部の業者ではすでに出金ルールの緩和・対策を発表しています。本記事では、主要な海外FX業者11社を調査・サポートへの問い合わせを行い、各社の規制への対応状況をまとめました。
update2026.07.13 19:00

XMTradingのアプリがなくなった!?独自アプリが利用不可に

XMTradingのスマートフォン向け独自アプリが、4月15日から利用できなくなりました。本記事では、今回のXMTradingの独自アプリ廃止に関する詳細のほか、代替手段について説明します。
update2026.04.17 19:00

【SNSで話題】海外FXへのウォレット経由での仮想通貨送金で口座凍結に?国内取引所からの直接送金も焦点に

SNS上では「国内取引所からウォレットを経由して海外FXに送金すると、国内取引所が凍結される」という投稿が話題です。また、ウォレット経由の送金で口座凍結される現状から、一部のユーザーが国内取引所から海外FXに直接送金するルートにも言及しています。
update2026.06.26 19:30

HFMが仮想通貨入金で最大45,000円をキャッシュバック|KATANA口座も対象

HFM(エイチエフエム)が、仮想通貨入金を対象に最大45,000円を還元するキャンペーンを開催しています。この記事では、受け取るための詳細や参加方法を解説します。
update2026.07.03 19:00

PeskaがUSDTでの入出金に対応!仮想通貨取引所・個人ウォレットへの送金が可能に

PeskaがUSDTによる入出金に対応しました。2026年6月に改正資金決済法が施行されたことで、海外FXユーザーの間では規制によって、「国内銀行送金を利用できなくなるのでは」という懸念が広がっていました。PeskaがUSDTに対応した背景には、こうしたユーザーの懸念を払拭する狙いがあるとみられます。本記事では、PeskaでUSDT送金を利用する際の条件や注意点を解説します。
update2026.06.15 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

当社コンテンツの著作権は当社に帰属します。当社が提供する共有機能や、SNSシェアや引用など、適切な範囲でのご利用は歓迎しております。ただし、商用利用や内容改変を伴う転載、当社と競合するサイトへの転載等、不正な再使用はご遠慮ください。なお、当社が不適切または不正な利用と判断した場合、当該コンテンツの削除その他必要な措置を講じる場合があります。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル