Select Language

インド政府、仮想通貨の全面禁止を検討中

インド政府、仮想通貨の全面禁止を検討中

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:32
インド政府、仮想通貨の全面禁止を検討中

update 2021.08.31 15:32

最高裁判所の判決を退けて法律を制定する可能性

先日、インドでは最高裁判所が国内における仮想通貨取引の自由を認めたが、政府当局が再び仮想通貨を全面的に禁止する法律の導入を検討していることが明らかになった。[1]

今月12日の報道によると、インド財務省は省庁間協議でビットコイン(Bitcoin)など仮想通貨の禁止を提案しており、その内容が閣僚会議を経て審議機関で検討される見通しだという。財務省による提案の詳細は未だ明らかになっていないが、2019年7月に元財務長官のSubhash Garg氏が仮想通貨取引に関与した人物へ330万ドル相当の罰金と最大10年の懲役を課すと明示したことを考えれば、今回の法律も厳しい内容のものになる可能性は高い。また、インド中央銀行(Reserve Bank of India, RBI)はこの件で上訴する構えを見せており、前回の最高裁判所の判決が無効になる可能性も十分にあると言えるだろう。

過去にインド政府は仮想通貨取引の全面禁止を発表しており、国内の仮想通貨市場が壊滅的な状況に陥ったが、最高裁判所がこれを違憲としたことから再び仮想通貨需要が急増しているようだ。特にインドの仮想通貨市場は世界最大級の規模を誇ると考えられているため、国内大手仮想通貨取引所のWazirXを買収したバイナンスや、CoinDCXに投資を行なったPolychain Capitalおよびコインベースなどが本格的な事業展開の機会をうかがっている。しかしながら現状では、仮想通貨に否定的な姿勢を貫く政府当局の方針が潜在的なリスクになっているといえるだろう。

現在、インド政府は中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency, CBDC)に関心を示しているようだが、この政府当局の動きがどのような結果を招くのか、今後も同国での展開を見守っていきたい。

release date 2020.06.16

出典元:

ニュースコメント

インド政府の方針とは裏腹に拡大する国内の仮想通貨需要

世界の送金市場はアジアの新興国地域を中心に拡大しており、その手段のひとつとして送金手数料が安価な仮想通貨が利用され始めている。特にフィリピンやベトナムと並んで巨大な送金需要を抱えるインドでは、フェイスブックがWhatsAppで送金可能なステーブルコインの開発に着手するなど、他国に先駆けて新しい動きが生じているようだ。今の所、インド政府は仮想通貨を排除しようと試みているが、国内の仮想通貨コミュニティは以前からP2P(ピア・ツー・ピア)取引などの水面下での活動を継続しており、その取引量は増加の一途をたどっているという。実際に500人の男女を対象に実施された調査では、75%の国民が既に仮想通貨投資を行なっていると回答し、そのほとんどが最高裁判所の判決前(禁止時)に仮想通貨を購入していることが明らかになった。このような現状を考慮すると、インド政府による仮想通貨の全面禁止はあまり効力のない政策になる可能性があるが、今後も国内の仮想通貨市場の動向に注目していきたい。


Date

作成日

2020.06.16

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨SOLVの将来性は?ビットコインのステーキングプロトコルSolv Protocolを解説

仮想通貨(暗号資産)SOLVは、ビットコイン(BTC)のステーキングプロトコル「Solv Protocol」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨SOLVの特徴やSNSでの評判、将来性、トークンの使い道などを解説します。
update2025.01.10 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.11.28 19:00

【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

MT4/MT5ではインディケータを使うことで複数チャートを同期してスクロールできます。この記事ではMT4/MT5の複数チャートを同期してスクロールできるインディケータについて、実際に使ってみた感想も交えながら紹介していきます。
update2024.11.07 19:00

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

初心者でも安心!MT4ストラテジーテスターの使い方完全ガイド ~EA活用とバックテストで一歩先のトレードへ~

MT4でEAを使って自動売買をするならストラテジーテスターにより利益が出るかテストが必要です。本記事では、ストラテジーテスターの実践的な使い方や疑問を感じやすいポイントを解説します。
update2025.01.10 19:00

MT4/MT5でも日本時間を簡単に表示できる!日本との時差については図解で理解しておこう

MT4/MT5では通常、表示される時間が日本時間から6時間ほどずれています。頭の中で「表示される時間 + 6時間」などと計算すれば、日本時間に変換可能です。しかし慣れないうちは少し不便なので、日本時間を表示させる外部ツールも活用されています。
update2024.11.27 19:30

SONYのレイヤー2「Soneium」がIP侵害を理由にミームコインをブラックリスト化

ソニーグループによるイーサリアムレイヤー2のSoneium(ソニューム)が、メインネットローンチの同日に、IP侵害のあるミームコインをブラックリスト化し、SNSで話題となっています。本記事では、Soneiumの概要やブラックリスト化の内容、SNSでのユーザーの声などを解説します。
update2025.01.17 19:00

仮想通貨USUALの将来性は?RWA活用のステーブルコインプロトコルを解説

仮想通貨USUALは、ステーブルコインプロトコル「Usual」のガバナンストークンです。Usualは、BlackRockなどからRWA(現実資産)を集約してステーブルコインを発行し、その収益をコミュニティに再分配するプロトコルとして注目を集めています。
update2024.11.20 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル