Select Language

フェイスブックがWhatsAppで送金可能なステーブルコインを開発中

フェイスブックがWhatsAppで送金可能なステーブルコインを開発中

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
フェイスブックがWhatsAppで送金可能なステーブルコインを開発中

update 2021.08.31 15:27

2億人のユーザーを抱えるインドでの展開を目指す

報道によると、Facebook, Inc.(1 Hacker Way, Menlo Park, California 94025 United States[1])【以下、フェイスブックと称す】が、自社メッセンジャーアプリであるWhatsAppでの送金に対応するステーブルコインの開発を進めているという。[2]

詳細な内部情報は明らかにされていないものの、フェイスブックは以前から、米ドルに裏付けられたステーブルコインの開発に取り組んでいたようだ。カストディなど資産を管理する戦略を構築しているため、リリースまでにはまだまだ時間がかかる見通しだが、まずは、インド市場でのサービス提供を目指しているという。これは、インドで2億人以上のユーザーを抱えている定番のモバイルメッセージングアプリであるWhatsAppがプラットフォームとなる予定であること、また、インドは2017年に合計690億ドルもの送金額を記録した世界最大の送金市場となっていることが、フェイスブックにとって好都合であるためだと考えられる。

フェイスブックの金融サービス分野への参入は、Paypal Holdings Inc.(本社:2211 North First Street San Jose, California[3])の前代表取締役を務めたDavid Marcus氏を組織に引き入れた2014年頃から予測されていた。今年5月には、Marcus氏はフェイスブックのブロックチェーンイニシアチブの責任者に就任している。広報担当者によると、フェイスブックは、他社と同じように、ブロックチェーン技術の有効な活用方法を模索している段階で、チームメンバーは40人ほどとまだ小規模ながら、異なるアプローチでアプリケーションを開発しているという。

ステーブルコインのコンセプトは、日常生活でも実利用可能な仮想通貨を作り上げることで、ビットコインなどの従来の仮想通貨よりも価値の安定性が求められる。ここ1年間で、ステーブルコインは一種のブームとなり、今では120ものベンチャー企業が関連するプロジェクトを立ち上げているが、最近ではベーシス(Basis)という有力なステーブルコインプロジェクトが打ち切られていることからも伺えるように、このコンセプトを実現することは非常に難しいのが現状である。ベーシスは、ベンチャーファンドのAndreessen Horowitzや米連邦制度理事会の理事であったKevin Warsh氏など、主要な支援者が手を引いた後、すぐに崩壊している。また、現在、最も成功したステーブルコインと言えるテザーでさえ黒い噂などもあり、その米ドルとの等価性やステーブルコインとしての信頼性が疑問視されている。

フェイスブックは、世界中に25億人のユーザーを有しており、年間の売上は400億ドルにも達している。インドは、フェイスブックにとって中国の次に巨大な市場となっており、4億8,000万人のユーザーを獲得し、更に2022年には、それが7億3,700万人にまで拡大することが予測される。主にWhatsAppで拡散されたフェイクニュースが原因で、度重なる殺人事件が起こったこともあり、インド政府とフェイスブックの関係が緊張状態にあることが懸念点として上げられるが、フェイスブックは、幾多もの規制上の問題を乗り越えた経験もあるため、今までのステーブルコインよりも成功する可能性は高いと言えるだろう。

release date 2018.12.21

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨取引が禁止されるインド市場での挑戦

インドでは、インド政府が仮想通貨取引所でのインドルピーによる入出金を制限することで、国内での仮想通貨取引を全面的に禁止してきた。それに対して、国内の仮想通貨コミュニティはインド政府の強硬な姿勢に対して声を上げ、取引禁止の撤廃を求める嘆願書への署名を集める運動へと発展している。最終的な判断は、最高裁に委ねられているようだが、未だ、どちらに転ぶかは明確にはなっていない。しかしながら、このような状況下でも、インド国内での仮想通貨取引は未だ継続されており、一部ユーザーの間では、Telegramのメッセージング機能を使った個人間取引が利用されるなど、政府も対応に手を焼いているようだ。今回のフェイスブックが目論む、WhatsAppへの送金機能の実装も、違法取引に利用される可能性があることは否めない。現時点で、仮想通貨や金融サービスは、フェイスブックにとってサイドビジネス規模の取り組みに過ぎないが、本業のSNSにとっては、インド市場は企業の成長を支える重要な役割を持っている。フェイスブックにとって、政府が望まないサービスを展開することで、関係をこじらせることは得策ではないだろう。慎重な舵取りが求められるフェイスブックだが、どのような動きに出るのだろうか。


Date

作成日

2018.12.21

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル