作成日
:2020.06.15
2021.08.31 15:32
米国にて幅広い金融事業を展開しているINTL FCStone Inc.(本社:155 East 44th Street, Suite 900, New York, NY 10017
)【以下、INTLと称す】は6月11日、2025年に償還を迎える優先担保付社債(Senior Secured Notes)の発行により、3億5,000万ドルの資金調達に成功したことを発表した。同債券は元本の98.5%の金額で発行され、全ての調達資金は分別管理するエスクロー口座に預け入れられたという。INTLは同口座への入金が完了した後、私募債は第2順位抵当権付で、シニアクレジットファシリティを活用するINTLの子会社やGAIN、及び傘下の国内を拠点とする子会社が連帯保証することになる予定だ。INTLは、調達資金を手元現金と合わせてGAINの買収に充てる方針だという。
2020年3月、INTLはGAINを買収することを発表した。INTLは全額現金を用いて1株当たり6ドルのGAIN株式を、総額にして約2億3,600万ドルで買収する見通しとなった。6月5日に行われたGAINの臨時株主総会においては、71%以上の株主がINTLによる買収に賛成する票を投じ、買収手続きに必要とされる出席議決権の3分の2以上の賛成票を集めたという。ただし、同社取締役会メンバーのPeter QuickとChris Sugden氏は、INTLとの買収契約の締結後、新型コロナウイルス(COIVD-19)禍におけるリテール顧客の取引量が大幅増加したことに鑑み、1株当たり6ドルでの買収はGAINの長期的価値を反映していないとして反対の意を表明している。
GAINの一部の取締役から反対意見が出ているものの、多数の株主がINTLによる買収に賛同すると共に、そのための資金も確保できたことから、GAINがINTLの傘下にてサービス展開する日が近づいている状況だ。
release date 2020.06.15
ITNLが発行した私募債とは、公募以外の手法によって取得勧誘される債券のことを指す。一般的に私募債の発行基準は厳格なものであるため、強固な財務基盤を構築する企業でなければ発行できないものとされている。間接金融と呼ばれる銀行からの借り入れによる資金調達とは異なり、資本市場からの直接金融による資金調達となるため、企業にとっては資金調達手段を多様化させることができる。加えて、INTLのような上場企業が発行する公募債とは異なり、発行手続きも比較的簡単なものになっている。今回、同社が私募債の発行を通じてGAINの買収金額を上回る資金を調達したことにより、買収の可能性はより高まっている状況だ。また、INTLはGIROXXを買収するなど、積極的な買収戦略による業容拡大を模索しているほか、INTLはブランド名をStoneXに刷新し、グローバルリブランディング戦略を推進させる方針も示している。同社によるGAIN買収が現実味を帯びており、正式に買収が完了した後、両社が如何なるソリューションを打ち出すか注目したい。
作成日
:2020.06.15
最終更新
:2021.08.31
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
Milton Marketsが夏トク15%入金ボーナスキャンペーンを開催!
2023.06.21 19:30
XMTradingがF1チームスクーデリア・アルファタウリとスポンサーシップを締結
2023.03.28 20:00
海外FX業者で取引できるエネルギー銘柄は?取引の種類やメリットを解説
2023.02.27 20:00
仮想通貨HOOKとは?将来性は?Hooked Protocolが提供するWild Cashも解説
2022.12.13 21:00
Huobi(旧Huobi Global)は日本居住者向けサービスを停止していない?
2022.12.08 19:30
分散型取引所dYdXの使い方をイチから解説!注意点も紹介
2022.12.01 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー