Select Language

ESMA、ネットショートポジションの報告義務を更新適用

ESMA、ネットショートポジションの報告義務を更新適用

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.13 13:14
ESMA、ネットショートポジションの報告義務を更新適用

update 2022.01.13 13:14

2020年6月17日から3か月間適用

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は、欧州市場において株式取引を行う投資家を対象に、ネットショートポジションの割合が発行済み株式総数の0.1%以上に達した場合、その旨を各国規制当局(National Competent Authorities)【以下、NCAsと称す】へ報告する義務を更新して適用する決断を下した。[1]

ESMAは市場の統合や秩序及び安定化を脅かす如何なる脅威に対しても即座に対応すべく、同規制策を延長するという。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックは引き続き欧州の実体経済に甚大な影響を与え、景気回復の先行きも不透明感が漂っているとのことだ。当初ネットショートポジションの報告義務が適用された2020年3月16日以降、欧州の金融市場は一部回復傾向にある一方で、欧州経済を取り巻く不透明感は、更なる発展や金融システムの安定化の脅威になり得ると判断した。

同規制策は、2020年6月17日から3か月間適用される。この一時的な透明性義務は、居住国に関わらず、全ての個人と法人に適用されるとのことだ。ただし、第三国の規制市場における取引施設にて行う株式取引やマーケットメイキング(値付け)、及び市場の安定化に期する投資に関しては、今回の義務が適用されない模様である。また、ESMAと協調する欧州自由貿易連合(EFTA)も、6月17日から同様の措置を加盟国市場に適用させる決断を下している。

尚、新型コロナ禍における投資家の取引リスクを懸念するESMAはMiFIDⅡの行動規範遵守の徹底を要請したほか、ESAがデリバティブ取引の証拠金規制に係るRTS草案を公表するなど、欧州規制当局が金融市場の安定化に向けた様々な施策を打ち出している。

ESMAとNCAsは協働して新型コロナウイルスの影響を受ける金融市場動向のモニタリングを続けると共に、秩序と安定性ある金融市場の確保及び投資家保護のために権限を行使する準備を進めているとのことだ。

release date 2020.06.15

出典元:

ニュースコメント

回復傾向にあるものの不安定な欧州株式市場

欧州株式市場の代表的な指数であるストックス欧州600(STOXX)は、多くの投資信託や先物などの金融商品において参照され、世界中の投資家が注目するベンチマークの一つだ。ESMAがネットショートポジションの報告義務を課した3月16日から6月12日までに同指数は約24.6%上昇しており、欧州各国政府や規制当局が矢継ぎ早に打ち出した各種景気下支え策と共に同規制策が一定の効果を示していると言えそうだ。このような市場環境下において、FXTMが欧州株式CFDをリリースするなど、一部の海外FXブローカーはボラティリティが上昇する局面において顧客取引の拡大を図るべく、商品ラインナップを強化している。新型コロナウイルス動向を巡っては、経済活動を再開した国々で感染の第2波が押し寄せるリスクが高まっている状況だ。同懸念が強まった3月11日のNYダウは過去4番目の下げ幅となり、ストックス欧州600も前日終値比4%弱下落した。一方で、グローバル各国当局が新型コロナウイルス感染拡大の第2波、第3派を食い止めるべく、今後も積極的な支援策を打ち出すことが予想される。欧州株式を含むグローバル株式市場は回復傾向にあるものの、新型コロナウイルス動向を巡り一喜一憂する不安定な相場展開が続きそうだ。


Date

作成日

2020.06.15

Update

最終更新

2022.01.13

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル