作成日
:2020.06.01
2022.06.02 14:01
スイスを拠点とするプライベートエクイティファンド【以下、PEファンドと称す】のGuru Capital SA(本社:ZA La Pièce 1 1180 Rolle(VD)Switzerland
)【以下、Guru Capitalと称す】は、金融事業の拡大を図るべく、英国・ロンドンを拠点とする海外FXブローカーのETX Capital(本社:26 Finsbury Square, London EC2A 1DS )を買収することで、英国を拠点とするPEファンドのJRJ Groupと合意に達した。 買収手続きは2020年末までに完了する見通しだ。2002年にMonecor(London)Limited【以下、Monecorと称す】が立ち上げたETX Capitalは、2007年にJRJ GroupとBXR Groupのジョイントベンチャーに買収されていた。1965年に創業したMonecorは、電子取引や電話取引及び執行サービスを提供し、2010年にドイツと南アフリカに事業拠点を開設した後、2013年にはギリシャやスペイン、デンマークにも拠点を設け、グローバル事業を拡大している状況だ。
両社の買収契約の締結に際し、Guru CapitalのマネージングパートナーであるRyan Nettles氏とETX CapitalのCEOを務めるJohn Wilson氏、JRJ GroupのファンディングパートナーであるRoger Nagioff氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。
ETX Capitalは最高クラスのCFD及びスプレッドベッティング事業を構築しており、我々が同社を買収し、優秀な社員と共にブランド価値の向上を図ることを楽しみにしております。
Ryan Nettles, Managing Partner at Guru Capital - Business Wireより引用
我々はJRJ Groupのサポートに感謝すると共に、CFD分野で豊富な経験を誇るGuru Capitalの傘下にて事業の拡大を図ることを楽しみにしております。我が社には輝かしい未来が待ち受けており、既存及び新規顧客や従業員にとって大きなビジネス機会を提供できるでしょう。
John Wilson, CEO of ETX Capital - Business Wireより引用
我が社がETX Capitalを傘下に収めている間に、ボルトオン買収やテクノロジー機能の向上に繋がる投資を実践してきました。我々は同社の経営陣や社員と共に強固なプラットフォームを構築したことを喜ばしく思っており、ETX Capitalが次の成長ステージにおいても常に成功を収めることに期待しております。
Roger Nagioff, Founding Partner of JRJ Group - Business Wireより引用
尚、Nettles氏はスイスのオンライン銀行であるスイスクォート(Swissquote)の元FX取引部門ヘッドを務めていた。同氏が2019年半ばにGuru Capitalに加わった際、EMEA(欧州・中東・アフリカ)とAPAC(アジアパシフィック)地域において、FX・CFD分野に特化したブローカレッジファーム、アセットマネジメント会社、フィンテック企業の買収を模索しているとコメントしていた。また、Guru CapitalのマネージングパートナーであるLuca Merolla氏も、Nettles氏と同じスイスクォートに4年間以上勤め、両者は金融サービスやフィンテック業界において合計30年以上の経験を誇る中、Guru Capitalに加わる前から長年にわたり協働してきたという。
ETX CapitalがFX・CFD事業の強化を図るGuru Capitalの傘下に収まった後、如何なるシナジーを発揮するか注目したい。
release date 2020.06.01
足元では、金融機関同士のM&Aが盛り上がりを見せている。例えば、米国最大のFXブローカーであるForex.comを運営するGAINは、INTLが買収する見通しである。そのINTLはブランド名をStoneXに刷新し、グローバルリブランディング戦略を推進させる方針だ。また、野村HDがGreentechの買収を完了させ、注目が高まるサステナブルテクノロジー及びインフラストラクチャー分野でのソリューション強化を模索している。更に、モルガンスタンレーがEトレードを買収、チャールズ・シュワブ(Charles Schwab)がTD Ameritradeの買収で最終調整に入るなど、複数の大型M&A案件が実現しそうだ。特に、欧米市場においては取引手数料無料化の波が押し寄せると共に、フィンテック企業などとの顧客獲得競争が激化している。GAINなどのように高い市場シェアを握る一方で、足元では業績の低迷が続き、抜本的な経営改革に乗り出せずにいた企業が、M&Aを通じて早期に市場シェアの確保を狙う金融機関による買収の標的になりやすかったと推察される。規模の拡大やウェルスマネジメント及びデジタルソリューションの強化など、各社によって買収目的は異なるものの、投資家の利便性向上に繋がる画期的なサービスが開発されることを期待したい。
作成日
:2020.06.01
最終更新
:2022.06.02
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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