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Kin、ステラからソラナブロックチェーンへ移行の動き

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update 2021.08.31 15:33
Kin、ステラからソラナブロックチェーンへ移行の動き

update 2021.08.31 15:33

新しい仮想通貨ウォレットに対応可能なインフラを模索

Kik Interactive【以下、Kikと称す】は仮想通貨プロジェクトであるKin(キン)について、ステラ(Stellar)からソラナ(Solana)ブロックチェーンへの移行を検討していることが明らかになった。[1]

2017年にKikはイーサリアム(Ethereum)ブロックチェーン上で9,800万ドル規模のICO(イニシャルコインオファリング)に成功し、Kinプロジェクトをスタートさせている。その後、Kinはイーサリアムのセキュリティ機能、ステラのトランザクション処理を活用していたが、同システムを支えるには不十分となったことから、Kikはソラナへの移行を模索しているという。Kikはステラが5秒間のブロックタイムを要することを指摘し、トランザクションの遅延がユーザーエクスペリエンスを阻害する可能性があると述べた。ソラナは楽観的並行性制御(Optimistic Concurrency Control)と呼ばれる概念の上に成り立つ高性能なブロックチェーンであり、毎秒約6万件のトランザクションを400ミリ秒のブロックタイムで処理することが可能だ。KikはKinをソラナブロックチェーンに移行することで遅延を84%軽減できると考えているが、ソラナ財団も最大600万ドル相当のSOL(ソラナの通貨単位)を奨励金として用意し、同社の動きをサポートする意向を示している。

Kinのソラナへの移行を決定するには、開発者の同意を得る必要があるが、ブロックチェーンの移行自体は数カ月で完了すると予想される。ソラナ財団はユーザーベースを急速に拡大させつつあるKinを高く評価しており、近い将来、このプラットフォームを通じて無数のユースケースが生み出されることを期待している。実際に3月上旬時点で過去30日間にKinを利用したユーザー数は150万人だったが、4月20日のピーク時にはその数が440万人にまで急増し、現在でも350万人前後を維持しているという。また、Kinは57種類の分散型アプリ(DApps)をホストしており、その中には人気アプリもいくつか存在する。

KikのTanner Philp氏は、同社がKinを通じて新しい仮想通貨ウォレットを展開し、エコシステムを活性化する狙いがあると言及した。Philp氏によると、この新しい仮想通貨ウォレットは第3四半期までにリリースされる可能性があるが、そのためにはトランザクションがどのアプリを介して行われたかを示すメタデータを管理する必要が出てくるという。ソラナが唯一のソリューションではないものの、ステラはこれらのメタデータを取り扱えるほどの性能を有していないと同氏は判断している。

Kinのブロックチェーン上で分散型アプリを運用する企業は、Kin Rewards Engineが算出するトークンの取引量に応じて報酬を得ることができる。Kikがメッセージングアプリを提供していることから、Kinはデジタルステッカー購入などの少額取引に利用される可能性があるが、このブロックチェーン移行に関してどのような決断を下すのか、今後も同仮想通貨プロジェクトの取り組みに注目していきたい。

release date 2020.05.26

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨経済の拡大で重要性が増す仮想通貨ウォレット

仮想通貨経済の拡大と共に仮想通貨ウォレットの重要度が増してきており、最近では多くの企業がその機能を自社サービスに統合しようと試みているようだ。例えば、大手ウェブブラウザのOperaは仮想通貨の購入機能をブラウザに統合している。また、中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】発行に向けて邁進する中国では、中国農業銀行がCBDCのテストアプリを開発しているとの情報が広まっており、国家規模で仮想通貨ウォレットが普及する可能性があると言われているという。欧州ではECBが独自仮想通貨の開発活動拡大を検討するなど、仮想通貨経済の基盤ができつつあるだけに、Kinを含む仮想通貨プロジェクトおよびウォレットサービスプロバイダーにとっては、この世界的な流れが追い風になると言えるだろう。


Date

作成日

2020.05.26

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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