作成日
:2020.05.20
2021.08.31 15:32
先月11日から今月14日にかけてビットコイン(Bitcoin)ネットワーク上での平均取引手数料が0.38ドルから5.16ドルまで1,250%以上増加したことが明らかになった。
3月12日の大暴落以降、ビットコイン価格は半減期の影響もあり、ゆっくりと1万ドル付近にまで回復してきている。しかしながらこれに伴って取引手数料が増加し、一時的に2019年7月以来の高値に達したという。実際に半減期当日(5月12日)の平均取引手数料は2.79ドルだったが、翌日の13日に3.31ドル、翌々日の14日には5.16ドルにまで高騰した。
この取引手数料の水準は、2017年末ピーク時における54.09ドルの10分の1に満たないレベルだが、現在、5月16日に3.43ドルまで戻った値が4.09ドルを通過して再び上昇し始めているようだ。今月12日から16日にかけての平均取引手数料の増加は、過去30日間で4月28日から30日までのそれに次いで大きく、半減期の影響が作用している様子がうかがえる。これは2016年の半減期後の状況と類似しており、その際も平均取引手数料が1カ月程度で0.081ドルから0.24ドルまで200%増加している。
ビットコイン価格とネットワーク上での取引手数料の間に直接的な関係はないが、取引手数料が高騰しているということは、より多くの人々が同仮想通貨を求めて売買を行っている可能性が高いと言えるだろう。確かにビットコインの取引量は前月よりも今月の方が一貫して高い水準を保っており、トランザクションが活発になっているが、この傾向はいつ頃まで継続するのか、今後も同仮想通貨および仮想通貨市場全体の流れを見守っていきたい。
release date 2020.05.20
これまで仮想通貨コミュニティでは、ビットコインの半減期がマイナーに深刻な影響を与える可能性があると考えられており、収益性の減少を引き金に多くのマイニング事業者が撤退することが予想されていたものの、今の所、同仮想通貨のブロックチェーンは正常に動作しているようだ。今回の取引手数料の高騰は半減期後のハッシュパワー不足が要因になったとの指摘もあるが、大手仮想通貨デリバティブ取引所のBitMEXによる膨大なトランザクションがビットコインの手数料増加を招いていると報告されたことからもわかるように、外部環境の変化による影響も無視できない。実際にビットコイン以外にもイーサリアムのトランザクション数が過去10カ月の最高水準に到達するなど、仮想通貨市場全体の動きが流動的になってきている。ビットコインはこのトレンドを牽引していると考えられるが、今後も同仮想通貨の動向を注視していく必要があると言えるだろう。
作成日
:2020.05.20
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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