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BitMEX、イーサリアム先物契約の取り扱いを開始

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update 2021.08.31 15:32
BitMEX、イーサリアム先物契約の取り扱いを開始

update 2021.08.31 15:32

ビットコイン決済を軸としたスキームを採用

大手仮想通貨デリバティブ取引所のBitMEXは、5月5日からイーサリアム(Ethereum)と米ドルの通貨ペアを対象とした先物契約の取り扱いを開始することを発表した。[1]

これによりBitMEXのトレーダーは、イーサリアムのロングまたはショートポジションを最大50倍のレバレッジで構築することが可能になるという。この先物契約はビットコイン(Bitcoin)で決済されるため、証拠金も同仮想通貨で算出される仕組みになっており、イーサリアム価格の変動1ドルあたり0.000001BTCの損益が発生する。最近、BitMEXはリップルの永久スワップ契約の提供を開始しているが、同社はこの新しい先物契約が既存の商品の特性を組み合わせたものだと説明している。実際に最初の契約であるETHUSD20は6月に満期日が設定されているものの、通常は他のアルトコインを対象としたものと同様に3カ月を基準にするようだ。

現在、BitMEXは世界最大級のデリバティブ取引所となっており、日間取引量は数十億ドル規模に達しているという。しかしながら仮想通貨市場でビットコイン価格が過去最大級の下げ幅を記録したことを受け、BitMEXでは大規模なマージンコールが発生し、同社はその地位が揺らぐほどの損害を被っている状況だ。対照的にスポット市場では多くの仮想通貨取引所が恩恵を受けることが予想されており、取引量の増加を見越してFXcoinが仮想通貨取引サービスを開始するなど、企業が活発な動きを見せている。

また、BitMEXは多数の集団訴訟を抱えており、ニューヨーク州で11件の訴訟を受けているようだ。BitMEXはこの山積みの問題に対処することが求められているが、どのような方法でこれらを乗り越えるのか、今後も同社の取り組みに注目していきたい。

release date 2020.04.28

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨デリバティブ市場が拡大もリスクが表面化

2017年の仮想通貨ブーム以来、インターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange)傘下のBakktやCMEなどの大手取引所が仮想通貨市場に参入してきており、先駆者的な立場で仮想通貨デリバティブのローンチに成功している。これに続いて仮想通貨取引所のコインベースやバイナンスなども先物契約の取り扱いを開始し、幅広い層に仮想通貨デリバティブが利用され始めているようだ。実際に仮想通貨デリバティブ市場は月間90億ドル規模にまで成長しており、スポット市場の流動性や機関投資家の流入を下支えしているという。一方、英国やEU(欧州連合)を中心とした政府当局は、投資家保護の観点から仮想通貨デリバティブを危険視し、拡大する市場に警戒心を強めている状況だ。現にBitMEXはビットコイン価格の乱高下で損失を出しているが、各国政府はどのような対策をとるのか、今後も仮想通貨市場の動向を見守っていきたい。


Date

作成日

2020.04.28

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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