作成日
:2020.02.06
2021.08.31 15:29
大手仮想通貨デリバティブ取引所のBitMEXは、人気仮想通貨であるリップル(Ripple)を対象とした永久スワップ(Perpetual Swap)契約の提供を開始することを発表した。
先月、BitMEXはこのスワップ契約の取り扱いを開始すると予告していたが、今回、Twitter(ツイッター)上で今月5日からその注文を受け付けることを明らかにしている。BitMEXによると、このスワップ契約を利用すれば、対米ドルで最大50倍のレバレッジをかけて取引することが可能だという。
リップルは仮想通貨市場で3番目の規模を誇るにも関わらず、仮想通貨コミュニティからはリップル社の株式のような特性や中央集権型の構造が批判されているようだ。これに関してBitMEXのCEOであるArthur Hayes氏は、リップルがゼロ以上の価格をつけている限り、同取引所のスワップ契約が有用であると主張している。今週、リップル価格は強気に転じて7%の上昇を記録しているが、BitMEXがこのスワップ契約の取引開始を発表してからは、1通貨あたり0.25ドルの価格帯でほぼ横ばいな値動きを見せており、今の所、仮想通貨市場への影響は確認されていない。
最近、仮想通貨市場では、先物契約と似た性質を持つ永久スワップ契約が人気を集めており、買いまたは売りポジションを柔軟に構築できることから投資家に重宝されているという。この仮想通貨デリバティブ市場の盛り上がりを受け、Bithumb(ビッサム)やGate.io、Liquid(リキッド)、Delta、BaseFEXなどの取引所が、こぞってBitMEXと同様の商品をローンチしている。また、昨年末にバイナンスは先物取引のレバレッジを125倍に引き上げたが、今月にはジーキャッシュ(Zcash)とテザー(Tether)のスワップ契約をサポートに追加することを発表している。こうした世界的な大手取引所も関心を寄せているだけに、今後も仮想通貨デリバティブ市場の動向に注目していきたい。
release date 2020.02.06
米国を中心に成長を続ける仮想通貨デリバティブ市場だが、先月にはBakktが仮想通貨関連商品の拡大を示唆するなど、2020年に入ってもその勢いは留まるところを知らず、相変わらずの盛況ぶりを見せている。しかしながら、その反面、デリバティブ商品が持つ潜在的なリスクが顕著化しており、各国の規制当局が厳しく対応せざるを得ない状況になりつつあるようだ。米国では議会が、仮想通貨デリバティブ市場におけるCFTCの監督権限強化を審議し、当局が個人情報や取引履歴へのアクセスを容易に行える環境を整えようとしている様子がうかがえる。世界的にはBitMEXやバイナンス、その他大手取引所が相次いで仮想通貨デリバティブ商品をローンチしているが、これが仮想通貨市場全体にどのような変化をもたらすのか、今後もその展開を見守っていきたい。
作成日
:2020.02.06
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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