Select Language

エストニア、欧州委員会の指摘を受けて仮想通貨市場の規制強化へ

エストニア、欧州委員会の指摘を受けて仮想通貨市場の規制強化へ

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:33
エストニア、欧州委員会の指摘を受けて仮想通貨市場の規制強化へ

update 2021.08.31 15:33

新しいフレームワークの導入によりライセンス発給を厳格化

エストニアは仮想通貨取引所のライセンス取得が最も容易な国のひとつとして認識されており、これまで数千の企業を受け入れてきたが、欧州委員会(European Commission, EC)の指摘を受けて仮想通貨市場の規制強化を実施している。[1]

以前からEU(欧州連合)は、2020年1月までに全ての加盟国が第5次マネーロンダリング対策指令(The Fifth EU Anti-Money Laundering Directive)【以下、AMLD5と称す】に準拠することを義務付けていた。しかしながらエストニアを始めとするオランダやスペイン、ポルトガル、スロベニア、ルーマニア、スロバキア、ハンガリー、キプロスなどの一部国家は十分な対応を見せず、欧州委員会から警告を受けているという。AMLD5に準拠しない加盟国はEU法に違反することになり、欧州委員会から欧州司法裁判所(Court of Justice of the European Union, CJEU)に提訴される可能性があるため、最終的に仮想通貨市場の規制強化を余儀なくされているようだ。

特にエストニアではこれを契機に、規制当局が現行の仮想通貨規制およびガイドラインを修正し、仮想通貨市場の統制を図る動きを見せている。これによりエストニア国内で営業する取引所は、新しいフレームワークに適応する必要に迫られている状況だ。このフレームワークの下で取引所は、AML(マネーロンダリング対策)に対応する役員や取締役の雇用、現地事務所の設置、資本金の増資など様々な要件を満たすことが求められる。既存の取引所も同等の基準で再審査を受け、それをクリアできなければ、ライセンスが取り消されることになるという。

このEU内での仮想通貨規制の厳格化は、金融活動作業部会(Financial Action Task Force)の領域にも波及しており、加盟国の仮想通貨市場に対する方針に大きな影響を与えている。最近、EUではECBが独自仮想通貨の開発活動拡大を検討するなど、仮想通貨に対する関心が高まっているが、欧州委員会の圧力がどのように作用するのか、今後も同地域での動向に注目していきたい。

release date 2020.04.28

出典元:

ニュースコメント

国際的な連携の強化が求められる各国政府

中国のデジタル人民元やFacebook(フェイスブック)によるリブラ(Libra)など世界的なステーブルコインのローンチが現実味を帯びてきているが、各国政府はそれにどう対応するか決定できずにいるようだ。今年に入ってWEFが仮想通貨規制に向け国際コンソーシアムを結成したものの、未だ情報収拾や検証の域を脱しておらず、中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】が既存の金融システムにどのような影響を与えるかさえ明確になっていない。一方、中国では中央政府が暗号法を施行するなど、具体的なプランの上でプロジェクトが進行している状況だ。CBDCの発行は仮想通貨市場を超えて世界経済や貿易などにも干渉する可能性があるだけに、各国政府はそれに対処するための枠組みを早急に構築する必要があると言えるだろう。


Date

作成日

2020.04.28

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

オオカミコイン(OKM)は怪しい?オオカミプロジェクトの特徴やSNSでの評判

オオカミコイン(OKM)は、オオカミカードを発行するオオカミプロジェクトの仮想通貨です。海外取引所のMEXCに上場していますが、SNS上では怪しいという声も見られます。本記事では、オオカミコインの特徴、SNSでの評判、怪しいポイントなどを紹介します。
update2025.04.11 19:00

Exnessの海外入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExnessで海外送金による銀行口座の凍結が発生している事例を取り上げていきます。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

またコピトレ詐欺か?WeekendFXにAmazingTick型の詐欺疑惑

WeekendFXのコピートレードに参加したユーザーが、「出金できなくなった」と次々に声を上げ始めています。AmazingTickの詐欺事例との類似点も多く、同じ手口のコピトレ詐欺なのではないかという疑惑が持ち上がっています。
update2025.06.23 19:00

ワールドコイン(WLD)の換金方法は?日本円に現金化する手順を解説

ワールドコイン(WLD)は、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏らが手掛ける仮想通貨プロジェクトです。登録したユーザーには、仮想通貨WLDが無料配布されます。当記事では、ワールドコインを日本円に換金する手順や、換金時の注意点などを解説します。
update2025.04.16 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

初めてのバックテストでも安心!MT5ストラテジーテスターの使い方ガイド

MT5のストラテジーテスターでは、バックテストによりEAのパフォーマンスを確認できます。バックテストの開始手順や注意点を解説します。
update2025.06.17 19:00

Exnessの出金遅延はなぜ起きた?オンラインカジノ規制の影響とは

海外FX業者のExnessでは、国内送金の遅延が度々問題になっており、決済代行会社に関連したトラブルと言われています。なぜオンラインカジノ規制が海外FXに波及したのか説明するほか、今後考えられる影響も解説します。
update2025.05.28 19:00

【速報】イラン・イスラエル停戦報道でビットコイン反発、一時10万6,000ドル突破

2025年6月23日、トランプ大統領がイラン・イスラエル間の停戦を自身のSNSで発表しました。これにより中東での地政学リスクが後退し、ビットコイン(BTC)の価格は一時10万6,000ドルまで急反発しました。
update2025.06.24 19:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

【スリトレ堂安氏の約3倍】本田圭佑×Titan FX、SNSフォロワー数379万の影響力は?

海外FX業者のTitan FXがサッカー選手の本田圭佑氏をグローバルアンバサダーに起用したことを発表しました。なぜTitan FXは「本田圭佑」を選んだのか、SNSの反応や業界の過去事例からその影響力を読み解きます。
update2025.06.09 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル