作成日
:2020.04.14
2021.08.31 15:32
ニューヨーク州北部にある発電所のGreenidge Generation, LLC【以下、Greenidgeと称す】は、独自のマイニング施設を運用してビットコイン(Bitcoin)マイニングを行なっているが、そこで利用されるハッシュパワーの30%を機関投資家に提供することを決定した。
今月10日の発表によると、これによりGreenidgeはBitOoda Digitalを仲介し、最大10万6,000TH/s(テラハッシュ/秒)のハッシュパワーをヘッジファンドやその他企業に販売したという。現在のビットコインネットワークにおけるマイニング難易度では、1TH/sのハッシュパワーで1日あたり約0.00001709BTCを獲得することができるため、このGreenidgeの契約下では1日あたりの収益が最大1.8BTC(約1万3,000ドル)程になると見込まれている。しかしながらビットコインは来月中旬に半減期が迫っており、それ以降24時間で新規発行される通貨量が1,800BTCから900BTCに減少することから、その収益性が著しく低下すると考えられる。
今回、GreenidgeのCEOであるTim Rainey氏は、このサービスがクリーンかつ高効率なビットコインマイニングを可能にすると同時に、外部のマイニング事業者を取り込んで収益の安定化を実現することで同社の継続的な事業拡大に貢献すると説明している。実際にGreenidgeは過去数週間にわたってマイニング設備を増強しており、今年3月時点で同社は合計106メガワットの発電量の内、14メガワットをビットコインマイニングに充てているようだ。これをハッシュパワーに換算すると35万7,000TH/sとなるが、当時、ビットコインネットワーク全体のハッシュレートが平均1億1,800万TH/sだった事実を考慮すると、Greenidgeは1日あたり約5.5BTCの収益をあげていた計算になる。
あるマイニング機器メーカーによると、最新のマイニングマシンを利用すれば、1TH/sあたり約23ドルの収益を得ることも不可能ではないものの、今の所、GreenidgeがBitOoda Digitalとの契約でどの程度の売上を確保できるかは明らかにされていない。仮想通貨業界では中国大手マイニング機器メーカーのBitmainおよびMicroBTによる新製品の普及が新型コロナウイルスの影響で遅れているようだが、このGreenidgeの新しい取り組みはどのような成果を生むのか、今後も同社の動向に注目して行きたい。
release date 2020.04.14
今では多くの企業や個人が利益を求めてマイニングを行うようになっているが、競争の激化と共に難易度調整アルゴリズムに変更が生じ、それに必要な電力消費量も爆発的に増加している。これを受けて主要なマイニング事業者は、安価なエネルギー供給を求めて新興国市場に進出しており、イランでは仮想通貨マイニングによる電力消費が問題になっている状況だ。一方、米国では事業者の淘汰が進み、Greenidgeなどの優位性を持つ大手企業が大規模かつ効率的なマイニング事業を展開しているという。しかしながらこのようなマイニング事業者の取り組みは、環境や地域の生活インフラに影響を及ぼすほどの大きな負担となっており、イランなどの新興国市場とは違う形で人々に認識されつつある。米モンタナ州はマイニングによる消費電力対策を検討し、再生可能エネルギーの利用を義務付ける案などが議論されているが、このような米国での動きが仮想通貨市場に変化をもたらすきっかけになることに期待したい。
作成日
:2020.04.14
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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