作成日
:2020.04.08
2021.08.31 15:28
欧州中央銀行(European Central Bank)【以下、ECBと称す】はスウェーデン国立銀行(Sveriges Riksbank)【以下、Riksbankと称す】と、ECB及びユーロ圏19か国の中央銀行で構成されるユーロシステム(Eurosystem)が運営する中央銀行資金決済システムTARGET Instant Payment Settlement【以下、TIPSと称す】において、同国の即時決済システムであるRIX-INSTをサポートすることで合意したことを発表した。
今回はECBの総裁であるChristine Lagarde氏と、Riksbankの総裁を務めるStefan Ingves氏によって契約書の調印が行われたという。これにより、2022年5月からTIPS上でスウェーデン・クローネ建ての即時電子決済が行えるようになるとのことだ。ECBによると、TIPSは決済サービスプロバイダーにとって、24時間365日リアルタイムの送金や決済ができるほか、中央銀行マネーによるファイナリティ(決済完了性)のある決済が可能だという。同システムは2018年11月からユーロ建ての即時資金決済手段として用いられているが、当初より他の通貨の決済にも対応することを念頭に置いていたとのことである。
Lagarde氏は、新型コロナウイルス(COVID-19)危機下において、今回合意がなされたことは欧州の中央銀行が強固な協力体制を構築する良例であるという。また、ユーロシステムの即時決済システムは安全を担保しつつ、高速で安価、且つ利便性のある決済サービスを国民に提供する上で重要な役割を担っているとコメントしている。
尚、スウェーデンは即時決済の分野において欧州で最も先進的な国の一つである。現在、同国における日次平均の即時決済件数は150万件に上り、人口比でEMEA(Europe, Middle East and Africa, and Asia)の最高水準を誇っている。また、Riksbankがアクセンチュアと協業し、仮想通貨プロジェクトを推進するなど、仮想通貨の普及拡大も試みている。そして今回、スウェーデンはTIPS上でクローネのリアルタイム決済を実現させることで、更なる利便性の向上が期待できそうだ。
release date 2020.04.08
フィンテック革命と相まって、高速・安価・安全という3つのキーワードを満たす決済ソリューションの提供が求められる中、決済業界はまさに動乱の時代に突入したといえる。MASとカナダ銀行がクロスボーダー決済の実証実験を成功させるなど、各国中央銀行が協働してシンプルで効率的な決済スキームの構築を目指している。また、民間の金融サービスプロバイダー間においては、決済分野における付加価値ソリューションを基にした顧客開拓競争が激化している状況だ。例えば、TickTradeがグローバル決済ソリューションをリリースしたほか、Ant Financialがベトナムの決済ウォレット開発会社eMonkeyを買収し、ASEAN域内でモバイル決済の利用が最も進むベトナム市場の攻略を模索している。決済分野のソリューションは、フィンテックの活用により大きな利便性の改善が見込まれている分野の一つであり、今後も官民が3つのキーワードにマッチした画期的な決済ソリューションを開発することを期待したい。
作成日
:2020.04.08
最終更新
:2021.08.31
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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