作成日
:2020.02.26
2022.11.15 15:10
カナダ・トロントを拠点とするテクノロジープロバイダーのTickTrade Systems Inc.(本社:121 Richmond St. West, Suite 601 Toronto, ON M5H 2K1 Canada
)【以下、TickTradeと称す】は、金融機関のエンドツーエンドのFX取引を補完するグローバル決済ソリューションを開発したことを発表した。TickTradeの新商品を活用することにより、同社のFXリスク管理や取引プラットフォームの導入を模索する海外FXブローカーは、より迅速にFX取引サービスの市場展開を図ることができるようになる模様だ。またブローカーは、あらゆる決済方法を用いることが可能なほか、独自アプリやサードパーティーと機能を統合できるという。TickTradeのグローバル決済ソリューションは、FX取引及び決済収益の拡大のみならず、複数の市場におけるリスク管理にも寄与するとのことだ。
新決済ソリューションの開発に際し、TickTradeのCEOであるBaha Ohcebol氏とCPOであるAlex Culiniac氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。
我が社は、FX取引サービスを提供する海外FXブローカーの課題を解決すべく、FX関連の専門性を活用し、既存インフラと統合可能な柔軟性ある設計にした、リアルタイムのグローバル決済ソリューションを構築しました。
Baha Ohcebol, CEO of TickTrade - TickTradeより引用
革新的な商品を提供しお客様をサポートすることが、我が社のミッションであります。最先端テクノロジーを活用したグローバル決済ソリューションは、大小問わず全ての金融機関に対し、如何なる販売チャネル、顧客セグメント及び決済手法にも対応したサービスを提供します。
Alex Culiniac, CPO of TickTrade - TickTradeより引用
海外FXブローカーが複数の仲介業者を通じたサービスを提供するよりも、TickTradeのFX関連ソリューションを活用することで、自社のビジネスモデルやオペレーティングシステムに最適なソリューションを構築できるという。TickTradeは新規参入組ではあるものの、同社のサービスは既に北米を拠点とする多くの大手金融機関に採用されており、広範なチャネルを通じたFX市場の流動性アクセスやFXレート配信の最適化に寄与している模様だ。また、海外FXブローカーの顧客である投資家の行動を効率的に把握する新商品の開発に際し、AIを活用していく計画であるという。
TickTradeは、需要高まる決済分野のソリューションを提供することで、更なる顧客利用の拡大が期待できそうだ。
release date 2020.02.26
2013年に創業したTickTradeは、SaaS形式の電子取引関連ソリューションを提供するソフトウェアプロバイダーである。先進的なリクイディティアグリゲーション(流動性集約)やスマートルーティング、リアルタイムのグローバル決済、AIを活用した行動分析及びレポーティングソリューションなどを手掛けている。同社は小規模ベンダーに位置づけられるものの、マルチディーラープラットフォーム(MDPs)への接続ニーズの高まりを背景に、着実ながらも業容を拡大させている模様だ。2019年11月には、欧米およびアジアにおけるフィジカルプレゼンスの拡大に向け、Silicon Valley Bankの親会社であるSVB Financial Groupからの資金調達に成功している。他方で、FX取引決済は他の金融サービスプロバイダーも注力している分野である。例えば、JPモルガンチェースが新決済ネットワークを日本でリリースしたほか、Marex Spectronが新決済プラットフォームを開発した。更に、TopFXがBridgerPayと提携し、最適化された決済サービスの提供を実現させている。一大成長産業化するFX取引決済分野において、今後も海外FXブローカーなどが、投資家の利便性向上に繋がるソリューションを開発することを期待したい。
作成日
:2020.02.26
最終更新
:2022.11.15
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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