Select Language

スウェーデン国立銀行、仮想通貨プロジェクトでアクセンチュアと協業

スウェーデン国立銀行、仮想通貨プロジェクトでアクセンチュアと協業

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:29
スウェーデン国立銀行、仮想通貨プロジェクトでアクセンチュアと協業

update 2021.08.31 15:29

最長7年の契約を交わし、イークローナのテスト環境を構築

スウェーデンの中央銀行であるスウェーデン国立銀行(Sveriges Riksbank)【以下、Riksbankと称す】は、大手コンサルティング会社のAccenture【以下、アクセンチュアと称す】と協業し、イークローナ(e-Krona)と呼ばれる独自仮想通貨の発行に向けたプロジェクトを立ち上げたことを発表した。[1]

現時点でRiksbankはイークローナを発行することを確約しているわけではないものの、このプロジェクトが政府機関による独自仮想通貨の発行を現実に近づける可能性があるようだ。発表によると、Riksbankはアクセンチュアと1年単位で最長7年の契約を結んでおり、イークローナを活用した消費者向けの決済ソリューションを搭載するモバイルプラットフォームなどを開発し、模擬店舗を備えたテスト環境でそれを検証する予定だという。

スウェーデンではキャッシュレス決済への移行が急速に進んでおり、このようなRiksbankによる仮想通貨プロジェクトの立ち上げは、物理的な紙幣排除の流れを更に加速させる可能性がある。11月に開催されたフィラデルフィア連邦準備銀行(Federal Reserve Bank of Philadelphia)のフィンテック会議で、カナダ銀行(Bank of Canada)の副総裁であるTimothy Lane氏はスウェーデンが転換期に差し掛かっていると言及し、小売店などが紙幣の受け入れに難色を示すと同時に、従来の銀行でのトランザクションが減少していることを指摘した。

2016年、Riksbankの副総裁であるCecilia Skingsley氏はキャッシュレス決済の流行が既存の金融システムに対して圧力になっていると述べており、同行は世界的に中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency, CBDC)が注目される前からイークローナを発行することを検討していたようだ。その成果としてRiksbankは2017年と2018年に2つの報告書を公表し、仮想通貨の普及が銀行の貸出金利などに影響を与えることを明らかにした。スウェーデンではSFSAがAmunの仮想通貨ETPを承認するなど、仮想通貨熱が高まっているだけに、今後も同国での展開を見守っていきたい。

release date 2019.12.16

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨の採用に積極的なスウェーデン

スウェーデンでは2017年に証券取引所のナスダック・ストックホルムがイーサリアムETNの上場を認めるなど、政府や民間企業が早くから仮想通貨に対して関心を示しており、国内の仮想通貨市場が順調に拡大を続けている。特にスウェーデン国内の金融機関は仮想通貨市場の動きに敏感に反応し、例えば大手銀行であるスカンジナビスカ・エンスキルダ・バンケン(Skandinaviska Enskilda Banken, SEB)は2016年にリップル社と協業して既にxCurrent導入を決めていたという。その他にも大手アパレルメーカーのH&Mグループがブロックチェーンを用いた商品のトラッキングシステムを開発するなど、関連技術の統合も進んでいるようだ。今月初めに中国人民銀行が独自仮想通貨の運用テストを実施することが報道されたが、スウェーデン政府およびRiksbankはこれに続くことができるのか、今後も同国での動きに注目していきたい。


Date

作成日

2019.12.16

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

ワールドコインのOrb(オーブ)の日本設置場所は?無料配布を受けられる登録会場の予約方法も解説

ワールドコインのOrb(オーブ)で生体認証を行うことで、仮想通貨WLDを無料で受け取れます。当記事では、ワールドコインの日本国内のオーブ設置場所、探し方、予約方法などを解説します。
update2025.03.21 19:30

XMTrading・Vantage Trading・AXIORY公式アプリがApp Storeから削除

海外FXブローカーのXMTradingおよびVantage Trading、AXIORYのアプリがApp Storeから削除されたことが確認されました。本記事では、削除の背景や考えられる理由、ユーザーへの影響、そして今後の対応策について詳しく解説します。
update2025.03.25 19:30

オオカミコイン(OKM)は怪しい?オオカミプロジェクトの特徴やSNSでの評判

オオカミコイン(OKM)は、オオカミカードを発行するオオカミプロジェクトの仮想通貨です。海外取引所のMEXCに上場していますが、SNS上では怪しいという声も見られます。本記事では、オオカミコインの特徴、SNSでの評判、怪しいポイントなどを紹介します。
update2025.04.11 19:00

Exnessの海外入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExnessで海外送金による銀行口座の凍結が発生している事例を取り上げていきます。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

ワールドコイン(WLD)の換金方法は?日本円に現金化する手順を解説

ワールドコイン(WLD)は、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏らが手掛ける仮想通貨プロジェクトです。登録したユーザーには、仮想通貨WLDが無料配布されます。当記事では、ワールドコインを日本円に換金する手順や、換金時の注意点などを解説します。
update2025.04.16 19:30

Galaxy DAOが出金受付を開始?返金を期待できない3つの理由

Galaxy DAOが、返金の受付を開始するという内容のメールをユーザーに配信していたことが明らかになりました。しかし、多くのユーザーは返金の実現には懐疑的です。なぜGalaxy DAOによる返金が期待できないのか3つの理由を説明します。
update2025.03.19 19:30

MT4のバックテストに正確なヒストリカルデータが必須!無料・有料データを比較

MT4でバックテストをする際にはヒストリカルデータの取得が必要です。ヒストリカルデータは無料と有料のものがありますが、どっちがいいのか、気になる人もいるでしょう。本記事では、ヒストリカルデータのダウンロード方法を詳しく解説します。
update2025.03.26 19:30

オンラインウォレットPeskaは本当に安全か?運営会社が怪しすぎる

オンラインウォレットPeskaの運営会社には怪しい部分があり、公式サイトに掲載されている情報と事実にいくつか矛盾も見つかっています。本記事ではPeskaを信用すると、なぜ危険なのか説明します。
update2025.03.17 19:00

Exnessの出金遅延はなぜ起きた?オンラインカジノ規制の影響とは

海外FX業者のExnessでは、国内送金の遅延が度々問題になっており、決済代行会社に関連したトラブルと言われています。なぜオンラインカジノ規制が海外FXに波及したのか説明するほか、今後考えられる影響も解説します。
update2025.05.28 19:00

やっぱり悪かった!XMTradingのドル円のスプレッドはコスト重視なら厳しい

Myforex編集部では、2024年11月20日〜2月20日の3ケ月間にかけて、XMTradingが提供する1分単位のスプレッドデータを独自に入手し調査しました。そこで分かったのが、XMTradingが巷で言われているほどスプレッドが狭くない、むしろ他社よりも広いという事実です。
update2025.05.23 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル