作成日
:2020.02.12
2022.11.08 15:21
世界保健機関(WHO)が、新型コロナウイルスに関して緊急事態を宣言したことを受け、過去数週間に中国を始めとするグローバル金融市場が下落したものの
、海外FXブローカー各社の顧客獲得及び取引動向に与える影響は限定的になっている模様だ。公衆衛生上の緊急事態が投資活動に与える影響に関して、Keystone Wealth Partnersの投資家行動部門チーフである臨床心理士のDan Pallesen氏は、新型コロナウイルスのようなストレス負荷が高く緊急を要する状況において、人々は恐怖を感じる傾向にあるが、我々の脳には、その恐怖を回避する仕組みが組み込まれているという。また全ての人々は、ネガティビティバイアスと呼ばれる性質を持っており、利益を得た際の喜びよりも、損失を被った時の苦痛の方が大きいとのことだ。そのため、人々は緊急事態時に合理的な投資判断ができず、安全策をとる傾向にあり、今回の新型コロナウイルスのケースでは、中国やアジアのハイリスク商品を回避していると説明している。
新型コロナウイルスによるグローバル経済減速懸念が浮上しているが、海外FXブローカー各社にとって、同ウイルスは顧客獲得や取引動向に悪影響を及ぼしていない模様だ。RoboForexのCMOであるDenis Golomedov氏は、公衆衛生上の緊急事態が生じた場合、人々の生命や金融市場のプライシングに影響を与えているという。また、コモディティセクターは、グローバル経済に多大な影響を及ぼすが、多くの投資機会も提供するとのことだ。同社においては、顧客獲得動向に減少は見られていないばかりか、アクティブトレーダーや新規顧客獲得数及び取引量が増加しているという。一方で、Skillingのマーケティング兼業務開発部門チーフであるPavel Spirin氏は、過去2週間に顧客獲得数が拡大しているが、これはマーケティングキャンペーンが奏功した結果であると指摘している。
また、ATFXのCOOであるJeffrey Siu氏は、同社はグローバルに13拠点のオフィスを構え、複数の市場にまたがるビジネスを展開していることから、単一地域のエクスポージャーは限定的であり、コロナウイルス危機が発生して以降の新規顧客獲得数に大きな変化はないという。同ウイルスがビジネスに与える影響を正確には読み取れていないが、状況を精査し、第2四半期までに具体的な影響度合いを把握できる見通しであるとのことだ。更に、FXGate.comのマーケットアナリストを務めるAhmed Mamdouh氏は、新型コロナウイルスの発生を受け、取引を回避することは最良な考えではなく、むしろ、最も収益性の高い金融商品を求めるトレーダーも出てきているという。投資家がパニックに陥る際、質への逃避は良い投資機会を提供しており、現在では米国ドルと仮想通貨が最も投資妙味があるとコメントしている。
新型コロナウイルスは、一般的にハイリスクな金融商品に位置づけられる仮想通貨取引にも大きな影響を与えていない模様だ。仮想通貨取引所を運営するGate.ioのCMOであるMarie Tatibouet氏は、同社のユーザーの80%はアジアを拠点としているものの、新型コロナウイルスの発生以降の取引活動について、大きな減少は見られていないという。Gate.ioの取引施設及びバックエンド業務はスムーズに機能しており、足元のビットコイン価格の上昇を背景に、取引量は拡大しているとのことだ。但し、アジアでのブロックチェーン関連のカンファレンスやイベントが中止となったことで、一部の企業のマーケティング戦略には影響を及ぼしていると見ている。
各金融サービスプロバイダーの直近の顧客獲得及び取引動向が順調に推移している模様であることから、今後発表される業績動向にも期待が持てそうだ。
release date 2020.02.12
新型コロナウイルスによる死者が1,000人を突破し、依然として収束の兆しが見えていない状況である。しかしながら、複数の海外FXブローカーの顧客獲得及び取引動向を探ると、経営への影響は軽微なものになっているといえそうだ。仮想通貨に関しても、新型コロナウイルス流行でビットコインが上昇しており、ボラティリティの拡大を背景に、投資家の取引は活発化している模様である。今回のケースでは、新型コロナウイルスの発生をきっかけとして、人々の脳裏に恐怖が芽生えた時に、大きなトレードチャンスも生まれているといえるかもしれない。そこで、実際に投資行動に移す際、過去の市場の大きなうねりに対峙してきた経験豊富なトレーダーの投資戦略を真似るコピートレード手法を取り入れることは、特に投資初心者にとって一考の価値がありそうだ。直近では、ズールトレードが米国でコピートレードプラットフォームをリリースするなど、ソーシャルトレーディングは活況を呈している。先行き不透明感が漂う市場環境下において、投資の実践に直結するソリューションを提供する海外FXブローカー動向に注目したい。
作成日
:2020.02.12
最終更新
:2022.11.08
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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