Select Language

新型コロナウイルス危機によりグローバル経済減速懸念が浮上

新型コロナウイルス危機によりグローバル経済減速懸念が浮上

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:29
新型コロナウイルス危機によりグローバル経済減速懸念が浮上

update 2021.08.31 15:29

エコノミストは数か月以内に景気が回復すると予想

中国の中央部に位置する武漢市を発生源とする新型コロナウイルス(2019-nCoV)の感染者は、同国内において5,000人を超えた。米中貿易交渉の第一段階が合意に達した数週間後、新型コロナウイルスの拡大は、着実に中国経済へ悪影響を及ぼしていることに加え、グローバル経済への波及懸念が浮上している。[1]

新型コロナウイルスへの感染が初めて報告されたのは、2019年12月31日のことであり、現在、製造業が集積する武漢市は隔離状態とされ、中国経済への悪影響が強まっている状況だ。同ウイルスは、既に中国のみならず、香港や日本、ベトナム、マカオ、ネパール、マレーシア、シンガポール、韓国、台湾、タイ、オーストラリア、米国、カナダ、ヨーロッパにまで拡散している。そのため、一部の投資家は、同ウイルスによるグローバル経済への影響を懸念し、アジア株式への投資を控えている模様だ。また、新型コロナウイルスの発生及び拡散は、中国の大型連休に当たる旧正月と重なった。この時期には、何百万人もの中国人が故郷へ戻り家族と会うほか、ホテルやレストランが多くの旅行者で埋め尽くされるものと予想されていた。しかしながら、足元では同ウイルスが猛威を振るっていることから、旅行関連業界は多大な損害を被ると見込まれている。

新型コロナウイルスが急速に拡散していることは、2002年と2003年に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)を想起させる。SARSにより約800人が死亡したが、新型コロナウイルスはそれを上回る勢いである。また、SARSは中国経済にも甚大な影響を及ぼしており、2003年第1四半期のGDP成長率(年率)が11.1%であったのに対し、同第2四半期には9.1%まで低下した。但し、同国経済は一時的に成長が鈍化したものの、すぐに景気は持ち直していた。

複数の専門家は、仮に新型コロナウイルスが、より伝染力及び致死率が高いウイルスに変異したとしても、数年前に猛威を振るったエボラ出血熱(Ebola hemorrhagic fever)や、SARSへの対処を経験していることから、新型コロナウイルスによる経済への影響を懸念していない模様だ。JPモルガンチェースのエコノミストであるBruce Kasman氏は、新型コロナウイルスの発生は、2020年上半期に中国とアジアの新興国経済へ大きく影響を及ぼすが、仮にSARSのケースを想定したとしても、通期の経済成長に与える影響は非常に小さいものであるという。また、香港を拠点とするオックスフォード・エコノミクスのアジア経済地域ヘッドであるLouis Kuijs氏は、中国に与える影響は大きいものの、比較的短期なものになるであろうと指摘している。

新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、適切な投資判断を下すうえで、被害状況や各国当局の対応策などをつぶさに確認していく必要がありそうだ。

release date 2020.01.31

出典元:

ニュースコメント

底堅さが試されるグローバル経済

新型コロナウイルスが拡散する中、現在においてはグローバル経済の底堅さが試されている状況だ。複数の専門家が、同ウイルスが経済に与える影響は短期的なものと見ている。実際に、伝染病が発生した後のグローバル株式の値動きを確認すると、SARSやMERS(中東呼吸器症候群)、ジカ(Zika)ウイルス、豚インフルエンザ(Swine flu)など、過去に伝染病が大きく拡大した3か月後、もしくは6か月後には、世界の主要国の株式を対象とするMSCIワールド・インデックスは上昇したというデータがある。但し、2018年10月のエボラ出血熱による被害が拡大した際は、6か月経っても同指数はマイナス圏に沈んだままであった。他方で、コロナウイルス流行でビットコインが上昇しており、世界情勢と仮想通貨価格の相関性が高まっている模様だ。グローバル投資家は貿易問題を懸念するなか、足元では新型コロナウイルスが拡散しているが、過去の事例と同様に、短期間で経済が持ち直すことを期待したい。


Date

作成日

2020.01.31

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル