Select Language

インフルエンサー頂上決戦

アマギフ3,000円が当たる

TRAction、トランザクションレポーティングと取引透明性報告の相違点を明示

TRAction、トランザクションレポーティングと取引透明性報告の相違点を明示

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.24 16:55
TRAction、トランザクションレポーティングと取引透明性報告の相違点を明示

update 2022.01.24 16:55

取引義務の目的や報告時間などに違い

オーストラリア・シドニーを拠点に取引関連レポーティングサービスを手掛けるTRAction Fintech(本社:Level 22, 85 Castlereagh Street Sydney NSW 2000 Australia[1])【以下、TRActionと称す】は、第二次金融商品市場指令(Markets in Financial Instruments Directive Ⅱ)【以下、MiFIDⅡと称す】及び金融商品市場規則(Markets in Financial Instruments Regulation)【以下、MiFIRと称す】が施行されて2年以上の月日が経つなか、両規制策の一部であるトランザクションレポーティング(Transaction Reporting)と取引透明性報告(Trade & Transparency Reporting)の相違点の明示を試みている。[2]

多くの市場参加者は、トランザクションレポーティングに関しては熟知している一方、取引透明性報告については精通しておらず、同義務を遵守する必要性が不確かなものになっている。MiFIDⅡの下で、各金融機関は取引情報蓄積機関(Trade Repository)【以下、TRと称す】へ金融商品取引を報告しなければならない。同レポーティングにおいては、取引した金融商品の種類や取引業者名、買い手と売り手及び取引日時を明記する必要がある。また投資会社は、プライシングの透明性向上と値動き情報を提供するために、速やかに詳細な取引情報を報告しなければならない。一方で取引透明性報告においては、取引日時や商品識別コード、単価、通貨、取引量、取引施設、報告日時、報告機関、取引識別コードを記載する必要がある。Cappitechレギュレーション部門プロダクトスペシャリストであるRon Finberg氏は、金融機関が選別した認定公表機構(Approved Publication Arrangement)【以下、APAと称す】は、投資会社と同様に、できる限りリアルタイムに集計した取引データを公表する義務があるという。

トランザクションレポーティングと取引透明性報告の決定的な違いは、取引レポートを報告するまでの時間だ。前者が翌営業日(T+1)であるのに対し、後者の場合、取引施設及び一部の投資会社は、株式やその類似商品に関しては取引量や価格情報を1分以内に、非エクイティ性商品については15分で公表することが求められている。また両義務の目的も異なっており、トランザクションレポーティングは市場行為の悪習を防止することを目的としているため、詳細な顧客情報や取引の代表者などの記載が求められている。一方で取引透明性報告は、市場の透明性の確保に注力したものになっている。

MiFIDⅡのトランザクションレポーティングまたは取引透明性報告のいずれを遵守すべきかは、EEA(European Economic Area、欧州経済地域)の取引施設を通じて金融商品取引を行ったか否かに関わってくる。TRActionは、MiFIR第6条、10条、20条、21条に基づき、欧州投資会社(Investment Firms, IF)や組織的内部執行業者(Systematic Internaliser, SI)及び取引施設は、APAを通じて、取引施設や店頭(OTC)取引、取引所外取引に関連した取引後透明性情報を公表する必要があるという。その際、カウンターパーティーの1社のみが取引データを報告しなければならないが、EEAの取引施設を通じて行われた取引に関しては、取引所もしくは取引施設を運営する投資会社に報告義務が生じることになるとのことだ。他方で、MiFIRの取引透明性報告においては、取引施設もしくは取引所外取引を通じた金融商品取引のみ報告義務が適用される。TRActionのQuinn Perrott氏は、取引透明性報告義務は、海外FXブローカーがどの業者と取引するかに依存してくるほか、トレードとトランザクションは相互に置き換えられるため、頻繁に混乱を招いているという。そのため、多くの海外FXブローカーは経験豊富な専門業者と取引を行っており、頻繁に変わる規制策への対応を試みる社内コンプライアンス担当スタッフの過労を認識することが非常に困難になってきているとコメントしている。

海外FXブローカーが適宜新たな規制策に対応すると共に、コンプライアンス関連の業務負担を軽減させるレグテックの活用動向に注目したい。

release date 2020.02.10

出典元:

ニュースコメント

効率的なコンプライアンス体制の構築が必須の海外FXブローカー

ESMAがブレグジット後のMiFIDⅡ適用計画を公表したほか、ESMAはTRの取引データ取扱ガイドラインを公表するなど、欧州全域を対象とする規制強化策が矢継ぎ早に打ち出されている。そのため、海外FXブローカー各社は、それぞれの規制策に適宜対応することに腐心している状況だ。規制が強化される市場環境下において、海外FXブローカーにとっては、効率的なコンプライアンス体制の構築に寄与するサービスの活用が求められており、複数の金融サービスプロバイダーが関連のレグテックソリューションを提供している。例えば、TRActionがMT5レポーティングサービスを開始したほか、サクソバンク証券がTorstoneと提携し、クラウドベースの規制対応レポーティングを実践している。今後も、欧州当局から新たな規制策が打ち出されると予想されることから、海外FXブローカーにとっては、レグテックを活用した効率的なコンプライアンス体制の構築が喫緊の課題になっているといえそうだ。


Date

作成日

2020.02.10

Update

最終更新

2022.01.24

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

【実測】Exnessのゴールドスプレッドで損しない!「最狭口座」はコレ一択

Myforex編集部では4ヶ月間にわたってExnessのゴールド(XAUUSD)のスプレッドを徹底調査しました。本記事では、Exnessのゴールド取引にかかるスプレッドだけでなく、どの口座タイプを選べばよいかまで解説します。
update2025.12.09 10:30

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

仮想通貨送金対応のBXONEは「使える」eウォレットなのか?海外FXユーザー目線で比較

仮想通貨対応オンラインウォレットとしてBXONEが一部の海外FXユーザーの間で注目されています。本記事では、BXONEが「使える」オンラインウォレットなのか海外FXユーザー目線で他社と比較します。
update2025.12.09 19:00

SwiftTraderが資金難?SNSで出金トラブル報告が増加

2025年以降、SwiftTraderで出金拒否・遅延の報告がSNSで相次いでいます。本記事では報告されている出金トラブルのほか、GEMFOREXとの類似点やSwiftTraderをおすすめしない理由を説明します。
update2025.10.16 19:30

Bitgetが代替手段に?Bybitが日本撤退で日本ユーザーの新規登録禁止

Bybitが日本ユーザーの新規登録停止を発表しました。Bybitの代替取引所としてはBitgetが挙げられ、Bybitと遜色ないサービスを利用できます。本記事では、Bitgetの特徴や海外取引所への規制動向などを解説します。
update2025.11.25 19:00

Bybit P2P利用で銀行口座凍結・詐欺容疑者に?海外FXユーザーが知るべき巻き込まれリスクとは

Bybit P2Pを利用したユーザーが銀行口座凍結されたことに加え、詐欺容疑者として取り調べを受けたというSNS投稿が話題になっています。本記事では、話題となった投稿の内容や、海外FXユーザーがP2P取引の利用を避けるべき理由などを解説します。
update2025.11.12 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

豪華なのに難しい?XMTradingが開催中のクリスマス入金ボーナスプロモーションは「アリ」なのか?

XMTradingで最大$25,000を獲得できる入金ボーナスキャンペーンが開催され注目を集めています。一見すると豪華なキャンペーンにみえますが、一般的な入金ボーナスとは条件が異なり、一部では条件が厳しいとの声もあります。本記事では、参加する価値のあるイベントなのかを説明します。
update2025.11.26 19:00

Vantage Tradingが年末トレード大会を開催!ランク外でも賞金獲得のチャンスあり

Vantage Tradingが、年末恒例となる大型トレード大会「年末ミリオンジャンボ2025」の開催を発表しました。今回のイベントでは副賞も用意されているので、ランク外でも賞金獲得のチャンスがあります。この記事では、参戦を検討しているユーザー向けに、各種条件やルールを説明します。
update2025.11.28 19:00

Funded7で出金が認められない事例が増加?ルールの不透明さが原因か

Funded7で出金拒否に関する投稿がSNS上で増加しており、利用者の間で不安が広がっています。「利益が取り消された」「短時間取引が理由で無効になった」などの報告が投稿されています。当記事では出金拒否の原因を整理し、他のプロップファームとFunded7のルールを比較します。
update2025.11.21 19:00
promotion promotion

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル