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CME、ビットコイン先物オプションに関する詳細を公開

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update 2021.08.31 15:29
CME、ビットコイン先物オプションに関する詳細を公開

update 2021.08.31 15:29

政府当局の認可が済み次第の販売開始を公言

世界最大のデリバティブ取引所であるシカゴ・マーカンタイル取引所を運営するCME Group Inc.(本社:20 South Wacker Drive Chicago, Illinois 60606 USA[1])【以下、CMEと称す】は、2020年の第1四半期にローンチが予定されているビットコイン(Bitcoin)先物を対象とするオプション契約の詳細を公開した。[2]

CMEが公開した情報によると、このオプション契約は自社のビットコイン参考基準レート(BRR)の価格を基準とし、ビットコイン先物と同様に1契約あたり5BTC単位で取引されるという。CMEビットコイン参考基準レートはBitstamp(ビットスタンプ)、コインベース、itBit、Kraken(クラーケン)、ジェミニなどの主要な仮想通貨取引所のビットコイン価格に連動するインデックスであるため、より公正な価格基準を示すことができる。また、CMEはこのオプション契約が満期日のみに権利行使可能なヨーロピアンタイプであるのに加え、最小変動価格が1通貨あたり5ドル、すなわち契約毎のティックサイズが25ドルに設定されていることを説明した。

2017年12月、CMEは投資家保護の施策を講じたことでビットコイン先物の取り扱い許可を得ており、米国内での仮想通貨合法化の流れに大きく貢献したようだ。今回、このオプション契約をローンチするに当たっても、CMEはトレーダーの証拠金を調整するための仕組みを提供する予定だと言及している。現在、CMEによるビットコイン先物オプションに関する申請は当局のレビュー中となっているが、同社はそれが済み次第、取り扱いを開始することを公言した。最近ではCMEに加えてインターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange)が手がけるBakktもビットコインオプションの提供開始へと向かっており、仮想通貨デリバティブ市場の覇権争いが激化している模様だ。

仮想通貨市場全体のボラティリティは低下しているものの、仮想通貨デリバティブの登場でその潜在的なリスクは増しているという。オプションはその損失が購入時のプレミアムに限定されるという特性もあり、先物よりも比較的安全だと言われているが、このCMEやBakktの動きがどのような影響を与えるのか、今後も仮想通貨市場の動向を見守っていきたい。

release date 2019.10.31

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨デリバティブの台頭で高まる懸念

仮想通貨デリバティブはブロックチェーンや分散型ネットワークなど、未知の要素を含む仮想通貨を原資産とすることから、各国の規制当局もそのリスクの大きさを測りかねているようだ。このような状況下で英国のFCAは仮想通貨デリバティブ商品の禁止を検討しており、テクノロジーやリスク管理の知識に乏しい個人投資家を保護する姿勢を見せている。同様に日本でも金融庁が仮想通貨関連の取引にかかるレバレッジは最大2倍が適切だとの見解を示し、各取引所がそれに同調するよう自主的に動いているという。反対に企業単位では、オフショア地域に拠点を置く大手取引所のバイナンスが先物取引のレバレッジを125倍に引き上げ、ハイリスク・ハイリターンの取引環境を求めるトレーダーの取り込みを図っている状況だ。今回、CMEが提案した先物オプションはその構造が複雑なだけに、予期せぬリスクを抱えている可能性もあるが、米当局はどのような判断を下すのか、今後も同国での展開に注目していきたい。


Date

作成日

2019.10.31

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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